黙示録の予言と中国で始まった「人間ポイント制」社会

オピニオン・提言系




みなさん、こんにちは。

「ゆりかごから墓場まで」の超管理社会の到来を語る時、欧米で必ずといっていいほど引き合いに出されるのが「666」という数字です。

ご存知の方も多いと思いますが、念のため、これは「獣の数字」なんですね。

聖書のラストを飾っているのが「ヨハネの黙示録」というキチGuy文献です。これを書いたヨハネは“預言者”ということになっているが、明らかにキチGuy。

彼は神から何か象徴主義的な幻を見せられた。で、終末の独裁政治か何かを表しているらしい「獣」が現われて、いろいろ悪さをする場面を書き留めるんですね。

「この獣にはまた、大言と冒涜の言葉を吐く口が与えられ、四十二か月の間、活動する権威が与えられた。そこで、獣は口を開いて神を冒涜し、神の名と神の幕屋、天に住む者たちを冒涜した。獣は聖なる者たちと戦い、これに勝つことが許され、また、あらゆる種族、民族、言葉の違う民、国民を支配する権威が与えられた。」

要するに、悪者が3年半ほど世界を支配すると、言っている。

で、次が問題。これがとんでもない独裁政治をやらかす。

「第二の獣は、獣の像に息を吹き込むことを許されて、獣の像がものを言うことさえできるようにし、獣の像を拝もうとしない者があれば、皆殺しにさせた。また、小さな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分の者にも奴隷にも、すべての者にその右手か額に刻印を押させた。そこで、この刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることもできないようになった。この刻印とはあの獣の名、あるいはその名の数字である。ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。」(上下ともに13章)

ここで666が登場するわけです。これは「人間」(独裁者?)を指している。

右手か額に刻印、ですよ。それがないとモノが買えない。でも刻印を受けると、今度は神の怒りを買うという・・・どないせえちゅんじゃ状態です。

6~70年代にアメリカでクレジットカードやバーコートが出て来て、コンピュータが急速に発達して、ブリュッセルで「獣」とあだ名されるスパコンが稼動して・・と、あれよあれよという間に「黙示録」の上の一節を思わせる状況が現実化してきた。

「予言が当たった!」というより、支配層の連中が真似しているんでしょうね。

しかも、下の記事で述べましたが、ニコラス・ロックフェラーの野郎が、映画監督の故アーロン・ルッソに対して、自分たちの目的が人々の事実上の奴隷化であることをうっかりと漏らしてしまった。ルッソはそれを公開した後、ガンで亡くなりました。

「黙示録」の「獣の刻印」とロックフェラーの人類奴隷化計画

「最終目的は人々にチップを埋め込んで社会全体を支配することだ」と・・。

ちなみに、今、ロックフェラー一族って150人くらいいるそうな。



絶対に人民が反抗できない社会を作ろうとしている中国共産党

さて、ここへ来て、国民に「獣の刻印」を押したごとき国が本当に現れてきた。

中国です。この「666」はもしかして習近平のことなのかもしれない。

今年、国家主席の任期制を廃して「終身制」に変えるなど、個人独裁強化を進めてきた習近平政権は、他方で着々と「デジタル国民監視システム」を構築してきました。

以下はそのレポートとして大変話題になった記事です。全文オススメ(*赤字筆者)。

14億人を格付けする中国の「社会信用システム」本格始動へ準備

2018年5月2日(水)17時20分 クリスティーナ・チャオ

<長々とゲームをするのは怠け者、献血をするのは模範的市民、等々、格付けの高い者を優遇し、低い者を罰するシステムにかかれば、反政府活動どころ隠れることも不可能

中国で調査報道記者として活動する劉虎(リウ・フー)が、自分の名前がブラックリストに載っていたことを知ったのは、2017年に広州行の航空券を買おうとした時のことだった。 航空会社数社に搭乗予約を拒まれて、中国政府が航空機への搭乗を禁止する「信頼できない」人間のリストを保有しており、自分がそれに掲載されていたことに気づいた。

劉は、2016年に公務員の腐敗を訴えるソーシャルメディアに関する一連の記事を発信し、中国政府と衝突した。(略)

劉はいつのまにか、中国の「社会信用システム」に組み込まれていた。

中国政府は2014年に初めてこのシステムを提案、市民の行動を監視し、ランク付けし、スコアが高いものに恩恵を、低いものに罰を与えると発表した。

この制度の下で、エリートはより恵まれた社会的特権を獲得し、ランクの底辺層は実質的に二流市民となる。

この制度は2020年までに、中国の人口14億人すべてに適用されることになっている。

そして今、中国は劉のように「悪事」を犯した数百万人に対し、鉄道と航空機の利用を最長1年間禁止しようとしている。5月1日から施行されるこの規則は、「信用できる人はどこへでも行くことができ、信用できない人は一歩を踏み出すことすらできないようにする」という習近平国家主席のビジョンを踏まえたものだ。

この「信用システム」は要するに「政府にとって信用できるか否か」です。

そして信用度が低いと、現実に交通機関の利用が制限される事態にまでなっている。

今はまだ地方自治体に試行錯誤させている段階のようだ。

狂ったシステムの維持に民間企業も協力

クリスティーナ・チャオ氏のレポートを続けましょう。

(略)国家的なシステムはまだ設計段階にあり、実現の途上にあるが、地方自治体は、市民に対する様々な方法を試すために、独自のパイロット版を立ち上げている。中国最大の都市上海では、親の世話を怠る、駐車違反をする、結婚の登録の際に経歴を偽る、列車の切符を転売するといった行為は、個人の「信用スコア」の低下につながりかねない。

民間企業も類似システムを開発

中国南東部の蘇州は、市民を0から200までのポイントで評価するシステムを採用。参加者は全員100の持ち点から始める。

警察によれば、2016年に最も模範的だった市民は、献血を1リットル、500時間以上のボランティアを行って、最高の134ポイントを獲得したという。ポイント数に応じて、公共交通機関の割引や病院で優先的に診察してもらえるなどの特典が与えられる。

蘇州当局は、次の段階として、運賃のごまかしやレストランの予約の無断キャンセル、ゲームの不正行為といった軽犯罪に対してもこのシステムを拡大し、市民を処罰する可能性があると警告した。

このように、上海や蘇州では、社会貢献度や法遵守に基づいてポイントが付加されるようです。元からそういう人が評価されるのはたしかに結構かな、という気がしないでもない。しかし、大多数の人は、心からではなく、ポイントを挙げるために「よき市民」として振舞おうとするでしょう。と言っている私自身も、こういう社会に放り込まれたら、自分の社会生活を有利にするために自己評価を上げようと、自然と振舞うでしょう。

誰もが善良そうでいて、心の中では自分が優位に立つことしか考えていない社会・・治安が悪い社会も嫌ですが、こういう精神的に抑圧された社会も嫌だ。

(略)政府は、社会信用システムの開発にむけて民間企業8社にライセンス供与している。

中国最大手IT企業・アリババ系列の芝麻信用(セサミ・クレジット)は、ユーザーの契約上の義務を達成する能力や信用履歴、個人の性格、行動や嗜好、対人関係という5つの指標に基づいて、350から950の信用スコアを割り当てている。

個人の買い物の習慣や友人関係、自分の時間を過ごす方法などもスコアに影響を与える。

(略)セサミ・クレジットはウェブサイトで、公的機関とのデータ共有はしていないと主張している。中国政府がこの試験的構想から全国統一のシステムを作り出し、計画どおりに実施するなら、中国共産党はすべての国民の行動を監視し、方向付けることができるようになる。 言い換えれば、習は完全な「社会・政治的統制」の力を握るだろうと、中国研究機関メルカトル・チャイナ・スタディーズのサマンサ・ホフマンは本誌に語った。

「このシステムの第一の目的は、党の力を維持することだ」(翻訳:栗原紀子)

ありがとうございました。とても良い記事でした。

結局、「良民度」を計ってはいるが、政府のほうは、なんだかんだと言って国民の統制に使うわけです。裏で「反政府度」をチェックし、共産党の一党独裁に批判的な人が不利になるように仕向けるわけです。

中国は未だに戸籍を農村と都市とに分割して固定している「身分制度」のある国です。

都市部のエリート層は彼らのことを「ミンゴン」と呼んで蔑む。

都市の工場や建設現場で、農村の余剰労働力を格安で使い捨ててきた。つまり、都市部の豊かさとは、農村の犠牲の上に成り立っているものに他ならない。

差別は緩和されつつあるとはいえ、中国はそうやって4億人が倍の人々を低賃金・低保障の労働力として搾取する実質「国内植民地」政策を敷いてきた。

ウイグル人のような異民族・異教徒には、もっと酷い圧政を敷いている。

未だに何の根拠も明示されることなく、いきなり人々が逮捕・投獄されている。それに家族が抗議したら、また家族の誰かが引っ張られる。ファシズムそのまんま。

また、国家権力がキリスト教を敵視して、教会を破壊するような真似をする。日本でいえば江戸時代のレベルか。神と信仰の否定という、共産主義の最悪な点は受け継いで、他方で民族主義や金銭主義の否定は捨てて、公然と愛国主義を掲げ、金銭崇拝に走っている。その結果、現代中国は稀に見る歪んだ社会へと変貌を遂げてしまった。

そういう社会の維持に、国内の大企業も協力している(というか、せざるをえない)。

ところで、アリババといえば、ソフトバンク系列ですね。

「ソフトバンクがモンスター企業になる日」で書きましたが、ソフトバンクが銀行口座やクレカの役割を取り込むと、市場支配力が別次元と言えるほど高まる

そういう企業が「法遵守、学歴、経済状態、信用履歴、健康状態、人間関係、社会貢献度」などの独自の基準をもとに「人間ポイント制」を始めたら、どうなるか。

アマゾン・マーケットプレイスのスコアと同じものが私たちに付いて回るわけです。

それが中国のように権力と結びついたらどうなるか。明日は我が身となる。

しかも、「ゆりかごから墓場まで」の超管理社会を作ろうとしているのは何も中国だけじゃない。おそらく中国の試行錯誤をじっと見守っているのが世界支配層です。

世界政府を作って、地球レベルでこれをやりたいのが彼らなのです。

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