在日朝鮮人が置かれている立場・これから置かれる立場

オピニオン・提言系
Online Archive of California:War Relocation Authority Photographs of Japanese-American Evacuation and Resettlement, 1942-1945より




前回の拙論が「アゴラ」に掲載されたが、あまりの反響の無さに驚いている。私としては、たいへん重要な問題提起をしたつもりだが、少しも話題にならないのはどうしたことだろうか。以前から私の記事は、気軽に書いたものがなぜか大きな反響を呼び、逆に真剣に書いたものほどあまり注目されない傾向があったが、今回の黙殺ぶりは極端だ。対して、民進党の蓮舫代表の話題は相変わらず盛況なようで、個人のスキャンダラスにばかり好奇の目を向けるネットの傾向(≒ワイドショー化)は益々強まっている感がある。

もっとも、前回・前々回に書いたこと、そして以下に書くことが、私の誇大妄想や杞憂に過ぎないないとしたら、まことに結構なことだが、果たして現実はそうだろうか。

これから在日朝鮮人が自分たちを救う方法を書いていくが、その前に、まずは自分たちが置かれている立場・これから置かれるであろう立場を、よく理解する必要がある。



戦後、独裁政権の「共犯者」の烙印を押される在日朝鮮人

第二次朝鮮戦争の「戦後」の政治状況――とりわけ韓国の――を想像してみたい。

戦争自体は米韓軍の圧勝で終わっているが、言ったように、金正恩は韓国を核攻撃している可能性が高い。切り札を温存したまま死ぬ選択は、独裁者にはありえないからだ。標的はソウルかもしれないし、その他の地域かもしれない。いずれにせよ大勢の人々が虐殺される可能性がある。日本が核攻撃を受ける可能性は五分五分だと思う。ただ、通常の弾道ミサイルによる攻撃や、国内でのテロ・破壊活動なら、十分にありえる。

つまり、金正恩とその取り巻きは「同じ韓民族の人々を核兵器で大量虐殺した大罪人」という位置づけになるわけだ。しかも、旧北朝鮮で長年行われてきた最悪の人権弾圧の実態も次々と暴かれるだろう。たとえば、政治犯収容所の酷い実態が暴露されると、アウシュビッツやダッハウの再来だとして、世界中が戦慄するに違いない。おそらく、通常の戦争犯罪よりも犯罪性の高い「人道に対する罪」も提起されると思われる。

そして戦後、このような犯罪的な独裁政権の「共犯者」という位置づけになるのが、体制を支えてきた北の特権層なのである。おそらく、朝鮮総連と在日朝鮮人は、三代にわたる独裁政権を直接的に資金面で支えてきた存在として、この層に分類されるだろう。当然、韓国では、「おまえたちが金や技術を支援しなければ北のやつらも核兵器を開発できなかったし、このような大量虐殺もなかったのだ!」として、凄まじい糾弾の対象になる。

しかも、金正恩以下の首脳部は戦死している可能性が高いので、人々の憎悪と責任追及の矛先は益々その下層へと向かうはずだ。北朝鮮系で、日本に住んでいて日本語を話し、そのうえ核・ミサイル開発を資金と技術面でサポートしてきた存在などは、現代韓国人からすれば敵性エスニックグループ同然なので、格好のスケープゴートとなるに違いない。

国内が戦場になる現実を理解できるか

だいたい、それ以前に、在日朝鮮人の工作員が対日攻撃やテロを行って、国内で多数の犠牲者が出れば、言ったように、北朝鮮憲法の条文そのままに「敵兵」認定されて、殲滅対象になる可能性すらある。70年以上も平和が続いているため、戦争の常識が忘れられつつあるが、仮に公式に「戦時下」に入ると、国内もまた戦場なのであり、敵との間には「殺るか殺られるか」の関係しかないのだ。今では、戦闘はどこか遠くの外地でやるものだという寝ぼけた感覚がすっかり支配的だが、当該地域の現地人にしてみれば戦争は国内で行われているのであり、よって敵国内も同じ様に戦場だとしか見なさない。

だから、仮に北朝鮮が工作員を通して日本国内で戦争を始めたとしても、それは米韓軍が北朝鮮国内でしていることの裏返しに過ぎず、「後方支援する日本自らが国内の戦場化を招いたのだ」と反論されればそれまでである(だから私は中立を願っている)。

ちなみに、先述したが、「在日朝鮮人」とは朝鮮籍か、韓国籍かを問わず約8万人と目される朝鮮総連所属者・関係者のことだ。いざ戦時となると、それまでの建前論・形式論は通用しない。「実質的に誰が北側=敵側なのか」が問題になる。実際には8万人以上いるかもしれないが、警察機関なら全容をほぼ把握していよう。

在日朝鮮人の子供たちはどうなるのか

というわけで、仮に朝鮮半島で再び戦争が起きれば、在日朝鮮人を待ち受ける戦時・戦後の情勢がいかに厳しいものとなるか、だいたい想像がついたと思う。

とりわけ、戦後の韓国政府の追及は苛烈を極めるはずだ。仮に戦時中、奇跡的に在日朝鮮人と日本社会との間で平和が保たれたとしても、大量の犠牲者が出た韓国側は、「こっちでケリをつけるから身柄をよこしてくれ」と要求するだろう。むろん、日本側も引渡しに応じる。かくして、在日朝鮮人は韓国内で犯罪者同然に扱われる。政治的な闘争における韓国人の伝統的な容赦の無さ・残忍さは、彼の国の歴史を知る者には常識だ。

正直に言うと、裏切り者として処断される者が多数いても、韓国の国内問題であり、私の知ったことではない。だが、在日朝鮮人の大人はまだいいとして、子供たちはどうなるのか。彼らは戦後の韓国で一生、差別と迫害を受けて暮らさねばならない可能性がある。民族教育などと称して子供たちを洗脳して、日本への憎悪と独裁政権への崇拝心を植えつけ、人生を誤らせておいて、在日朝鮮人の大人たちは何の責任も感じないのか。あと、普段から「子供たちの未来のために」などと、子供たちをダシにして政治闘争している連中は、何とも思わないのか。彼らは実際には当の子供たちを地獄に連れていくハーメルンの笛吹きでしかない。その無責任さには心底呆れ果てる。

だが、今は道徳的な見せびらかしをやっている連中を相手にしている暇はない。時間が切迫している。在日朝鮮人が自分たちを救うための具体策を、次に記したい。

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