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個別事例を「日帝36年の植民地支配」に見せかけたトリック

8月22日、韓国の文政権はGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を更新しないと発表した。世間はこの話題で持ちきりだが、私は破棄を確信していたので驚きはない。

本題。ここ数日、『反日種族主義』の著者である李栄薫(イ・ヨンフン)氏や李宇衍(イ・ウヨン)氏らを「韓国の真の愛国者」として取り上げてきた。

その彼らが「史料の恣意的な引用などをして誤った歴史を日韓に広めた元凶の一つ」として厳しく批判している本がある。

1965年出版の朝鮮大学教師・朴慶植による『朝鮮人強制連行の記録』である。

とりあえず、『反日種族主義』の日本語版を待ちたいが・・。



北朝鮮の国策に沿った本

朴慶植自身は「日韓条約に反対する」目的から書いたと言っている。

この時期における北朝鮮の最優先課題は「日韓接近の阻止」であった。だから、影響下にある知識人や学生を動かして、日韓両国内で猛烈に反対運動を使嗾した。

だから、朝鮮大学の朴慶植がそういう目的で動いていたのは驚くに値しない。

しかし、北の必死の工作もむなしく、1965年に日韓は国交正常化を果たす。同時にそれは韓国こそが朝鮮半島における正統な国家として日本が認めたことでもあった。

この現実を前にして、北朝鮮は大きく方針転換した

「今度はわが国とも国交正常化しろ」と日本に迫ることにしたのだ。

むろん、韓国と同じか、それ以上に日本に金を出させることが狙いだろう。

それで執拗に「植民地支配の清算」というテーマを持ち出すようになった。

在日朝鮮人と社民党、またその系統の左派などが、判で押したように「日朝国交正常化」を訴える理由もお分かりいただけると思う。

それが「北朝鮮の独裁政権の方針」だからだ。

結局は日本から莫大な金を強請り取り、経済支援を得ることが目的である。

朴慶植の『朝鮮人強制連行の記録』も、当初の日韓条約阻止のためではなく、植民地支配の対価がいかに大きいかを日本人に知らしめるための「切り札」として活用されるようになった。そして、その政治的な工作は予想以上の大きな成功を収めたのである。

戦時中の「個別事例」を拾い集めてそれが「日帝36年の植民地支配の全体像」と信じ込ませる政治的トリック

実際、日本の“植民地支配”のイメージを決定付けたという意味において、結果的にこの本ほど成功を収めたものはない。

この本が言わんとすることは、「戦前の日本は悪虐非道な支配者であり、朝鮮人はその奴隷だった」という点に尽きる。

また、朝鮮人は日帝に土地を奪われて仕方なく移民化し、かつ戦時中には日本に強制連行されて奴隷的労働を強いられたとの論を展開することで、この本は日帝の“圧政の実態”のみならず、在日コリアンの存在理由を説明し、正当化する根拠ともなった。

ちなみに、そう主張する朴慶植自身は、なぜか戦時中に普通に大学まで出ているので、どういう訳か本人は例外だったらしい。

この本は大きなところで、ある政治的なトリックが使われている。

まず、繰り返しになるが、基礎的な知識として、改めて以下を述べておく。

国民徴用令は日本では1939年7月より実施された。

他方、朝鮮では、1942年1月からは「官斡旋」、1944年8月から本土と同じ徴用令実施へと移行。ただし、船舶輸送の関係から1945年3月までの実質7ヶ月間だ。

しかも、日本人には容赦なく徴兵制度が適用された。

つまり、全体として見た場合、戦時中の総動員体制下において日本人のほうが朝鮮人よりもはるかに酷い扱いを受けたのは間違いない。よって、朝鮮人の被害レベルを「奴隷」と呼ぶならば、当時の日本人は何だったのかという話である。

その全体的な構造の中で、戦時中とりわけ土木・炭鉱労働に朝鮮人労働者を動員した際、多数の労働災害を生じせしめたのは事実である。

また、早くも「官斡旋」からは半強制事例が紛れ込むようになっている。

なにしろ総力戦の最中である。今でいう過酷な3K労働やブラック職場は、日本人・朝鮮人問わず、当たり前のように存在した。しかも、朝鮮人労働者ゆえに殴ったとか搾取したなどの民族差別事例があったのも事実である。

しかし、日本の35年間の朝鮮半島統治において、これはあくまで「特殊事例」である。官斡旋以降の数年間とりわけ終戦期の約1年間に起こった「個別事例」にすぎない。

それを拾い集めて「これが日帝36年の植民地支配だ」とやるのがフェアなのか?

それはあたかも、一部の在日コリアンの犯罪例だけを拾い集めて、さも在日全体の所業であるかのように印象操作する今日の特定右派の政治手法と、瓜二つである。

補償問題は決着がついている

繰り返すが、官斡旋・徴用労働者の全員が酷い目に会ったわけではない。工場勤務に回された人の中には給料も平均以上で、ちゃんと白米が支給された人もいた。

また、3K労働やブラック職場と言ったが、日本人や台湾人も朝鮮人と肩を並べて働いていたのが事実である。なぜ今日の朝鮮人と運動家たちが、まるで自分たちだけがブラック仕事を強いられたように言うのか分からないが。

いずれにしても、不当な扱いを受けた何万人かの朝鮮人労働者が実在したと思われるし、当然ながら労災の補償対象となりうる。

つまり、日本の政府と当時の雇用者(日本企業)には彼らに賠償の義務がある。

そして、それにケリをつけたのが1965年の日韓基本条約だったのである。

当時の韓国政府は、個人への補償分と北朝鮮の分まで、日本から受け取った。

私などは、むしろ日本側の「過剰支払い」だと認識している。

なぜなら、これも幾度が述べているが、終戦後、南北朝鮮は80万日本人の正当な個人資産まで没収しているからだ。日本政府や企業の資産ならば、こちらとしても放棄はやむをえないし、むしろ新生国家のために使ってほしいとすら願うところだ。

しかし、南北朝鮮は日本人個人に対して、正当性のない報復行為を行った。

つまり、お互いが相手国の個人に対して不当な仕打ちを行ったのだ。だから戦時中の官斡旋・徴用労働者内の労災対象者への補償は、本来なら相殺されてしかるべきだ。

これは冷酷に思われるかもしれないが、国家間の平等性・相互性の原則を思えば、まったく妥当な措置である。だから日韓基本条約は“不平等条約”である。

当時、日本側が不利を承知で国交正常化の優先を大局判断した。だから、韓国側が元徴用工の補償問題を蒸し返したら、日韓の国交の土台が揺らぐのは当たり前だ。

しかも、文在寅は、盧武鉉政権時の首席秘書官として、2005年当時の官民共同委による「強制徴用被害者賠償問題」の調査に加わっていた。その結果、国交回復時に日本から受け取った資金の中に元徴用工への補償金が含まれると判断された。それゆえ当時の盧武鉉大統領は、韓国政府が元徴用工へ支援する政策を推進したのである。

だから、この文在寅と韓国政府は、二重三重にタチが悪いのである。

「『朝鮮人強制連行の記録』は冒頭写真から捏造だった」

『個別事例を「日帝36年の植民地支配」に見せかけたトリック』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2019/08/24(土) 08:46:15 ID:85aa36204 返信

    国際社会はタチの悪いもん勝ち。