8月末、韓国の国会議員団が島根県・竹島に上陸し、日本を挑発した。
これに対して、「NHKから国民を守る党」の丸山穂高議員が「戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」とツイッターに投稿した。
これに対して、非難轟々の者たちがいる。
丸山穂高氏といえば、今年5月にも、国後島を訪問中、同席者に対して「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」と質問して、戦争を煽っているとして糾弾され、衆院で「議員辞職要求」の決議までされた経緯があった。
はっきり言って、この程度の発言で集団リンチされるのだから、日本はたしかに言論や表現の自由が未成熟な国なのかもしれぬ。
私に言わせれば丸山氏は当然の選択肢を訴えているだけで、何の問題もない。
なぜなら、竹島も北方領土も共に侵略によって奪われた日本固有の領土だからだ。
侵略戦争はダメ。しかし、侵略されてもダメ。
「侵略戦争は断固、絶対に反対」というのが私の不変の立場である。
過去の日中戦争に対しても「他国を侵略する行為だった」と認めている。どこから侵略だったかという線引きには議論の余地があるものの、上海流域の日本人居留民を守るという名目の上海派遣軍が勝手に首都南京攻略に転じた時点で明らかに侵略だろう。
また、私的には、他国の侵略戦争を手伝うのもお断り。
だから、現在の対米軍事協力に対しても、私は左派的なほど、慎重な立場のほうだ。そもそも私は日本に米軍基地があることに反対してきた。
ただし、一方で、私は「戦いはすべて悪」と見なす非暴力無抵抗主義者ではない。
なぜなら「侵略を受けた場合は断固として戦うべき」という立場でもあるからだ。
つまり、こちらから侵略することがあってはならないし、逆に侵略されることもあってはならない。万一、侵略されたら徹底して戦う・・・。
以上のポリシーは、世界的に見てもごく標準のほうだと考えている。
今問題にすべきは日本が戦後に受けた侵略の事案
さて、第二次大戦の問題に関しては、サンフランシスコ講和条約と日中条約、及び各国との二国間条約によっておおむね決着がついた。
つまり、戦前に関しては、問題処理はほぼ終わっている。
ロシア(ソ連)とはまだだが、対ロに関してはわれわれのほうが「一方的に中立条約を破棄されて侵略された被害側」なので、別にこちらが腰を低くしてケリをつけねばならない立場ではない。逆にいえばロシアがデカい面をしているのが異常。
ロシアは満州の民間人を大量虐殺し、60万余の捕虜を強制労働させた。
その対日戦争犯罪を正当化するために、戦後のハバロフスクで「満州で731部隊ガー、日本はナチスの同類ダー」と言い始めた。
日本でその工作を担ったのが共産党系の人脈。
当初はマイナー記者を使って中々浸透しなかったので、人気作家の森村誠一を起用したところ、この情報工作は大ヒットした。
そんなわけで、ロシアなんか放っておいても構わない。北方領土問題で妥協する必要もなし。われわれと仲良くしたいならそっちから謝罪しろ、でいいのである。
安倍さんもプーチンと関係改善に急ぐべきではないと思う。
それはそうと、このように、戦前に関してはもう決着がついている。
だから、今問題にすべきなのは「戦後」に「侵略を受けた」事案であるべきだ。
と言うと、「戦後の日本が外国から侵略を受けたことなんてあるのか?」と言われる。
ある。韓国による「竹島侵略」である。
嘘のごり押しで竹島を無理やり自国領にした韓国
島根県の竹島は、歴史的・国際法的に、正式な日本領土である。
戦後、当初はアメリカもよく知らずに危うく韓国に騙されかけたが、詳しく調べたところ、過去に朝鮮領土であった事実はまったくなかった。
それを韓国側に通告したのが、いわゆる「ラスク書簡」である。
つまり、これは韓国に対して純粋に事実を提示したもので、孫崎氏あたりが含みを持たせるように、日韓に領土問題を作って仲たがいさせるという陰謀説は、穿ちすぎ。
おそらく、アメリカ的には、韓国側がごり押しするので、調べなおしてみたら、韓国が過去に竹島を領有した事実などまったくないことが判明した、といったところだろう。
本来なら「領土問題」にすらなりえない。
なぜなら、韓国人は竹島が韓国領とは歴史的に認識したことがなかった。
韓国側は「竹島を正確に描いた古地図」の一枚すら持たないのだ。
その事実を受け入れられない韓国側が何もかも悪いのである。
ま、この辺は常識であり、もはや私が詳しく述べるまでもないだろう。
竹島を強奪した李承晩の下劣な人格
竹島を侵略した李承晩という人物は、今にして思えば異常な人間であった。
大統領就任してすぐに、「北側に進軍して統一する」とか「対馬に侵攻する」などと誇大妄想を公言し始めた。だから、朝鮮戦争は金日成側の侵略によって始まったものだが、李承晩も同じことを北に対して構想していたのだから、どっちもどっちなのだ。
朝鮮戦争において、日本は非同盟ながらも、機雷処理の掃海隊の派遣や、LST(米海軍の戦車・兵員揚陸艦)の操船などを担当し、犠牲者も出した。
何よりも日本が後方支援を担ったことで、韓国は消滅せずに済んだのである。
李承晩は、北朝鮮軍の侵攻が始まると、真っ先にソウルを逃げ出した。
その際、漢江にかかる鉄橋を、避難民もろとも爆破した。
そして、自分だけさっさと逃げて、日本で亡命政府を作ろうとした。
しかし、マッカーサーの仁川上陸作戦により連合軍の巻き返しが始まる。
すると、余裕を得た李承晩は、日本の主権回復直前を見計らって、勝手に「主権宣言」して竹島を軍事占領した。これを分かりやすい言葉で「侵略」という。
もう異常である。
なにしろ、朝鮮戦争の最中、日本は韓国側を後方支援していたのだ。
言ったように、掃海隊の派遣や揚陸艦操船などでも韓国に協力していた。
まさに「恩を仇で返す」という言葉そのままの行為だ。
強者に媚びるが、その強者が落ち武者になったら、真っ先に弓を射る。そして、苛め・虐待の先頭に立つ・・・それが卑劣だという倫理観が最初から欠落している。
竹島問題でN国と丸山穂高副党首に期待すること
さて、話を「NHKから国民を守る党」と丸山穂高議員に戻したい。
丸山氏は「戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」とツイートしたが、以上の経緯を見れば、それも十分に選択肢であることが分かる。
ただ、その前に「外交」がなければならない。
私は丸山氏とN国に対して、まずこちらのほうを期待したい。
私は以前の記事で、韓国に対する次の要求を並べた。
1・竹島を侵略した事実を国家として公式に認め、謝罪し返還に応じること。
2・李承晩ラインの被害者に対して個別に謝罪し賠償すること。
3・加害の事実を歴史教科書に記すこと。
これは安倍政権にやってほしい、としたことだが、永遠にやりそうにもない。
どうもこの安倍晋三という人は、育ちが良すぎてケンカができない。
その点、N国の立花氏も丸山氏も叩きあげで、ケンカができる。
ぜひとも韓国に対して、上の三つの要求を、党として公式に突きつけてほしい。
きっと党の支持率も上がるだろう。