日韓の間で徴用工問題がずるずると続いています。
双方が納得して解決した問題を、韓国政府が蒸し返したためです。
安倍政権がこの締結を「日韓関係の基礎」と位置づけて妥協しないのは当然です。
しかし、日本側が悪い、妥協しろ、折れろ、と主張しているのが、国内の左派・リベラル派の大勢です。世論調査によると、これは2割以下と考えられる。
彼らが一様に使うロジックが、当時の韓国は朴正熙(パク・チョンヒ)軍事独裁政権下にあったから国民が承認したものじゃない、民意を反映していない、です。
石田純一は「デイリー新潮」で「感情的な嫌韓論」を批判した際にこう記した。
「1965年当時の韓国は、朴正熙大統領による軍事政権下で民意が抑えられていた。だから、韓国人の国民感情としては、その時代に解決済みだといわれてもなかなか納得できない。」
もちろん、これはツイッターなどのネットで流布されている左派ロジックの受け売りにすぎません。タレントの彼はいつもそうで、独創的な思考・意見を見たことがない。
自分の頭でよく考えもせずに、こういう「もっともらしい屁理屈」に一斉に飛びついて、みんなで一斉にそうだそうだと吹聴し始めるのが左派活動家の特徴です。
石田純一だけでなく、まったく同じ内容を、左派系知識人は一斉に唱えています。
ならば日朝国交正常化もやってはならない
奇妙なことに、上を唱えている左派は、他方で「日朝国交正常化」の実現をずっと、そして今も唱え続けいます。拉致問題が大きな問題になった渦中でさえ。
今の三代目の金正恩政権もそうだが、北朝鮮はずっとその「独裁政権」ではないのか。
かつて、独裁政権である朴正熙政権と条約を結んで日韓が国交正常化したのが、民意を反映していなかったからダメだというなら、同じように独裁政権である金正恩政権と条約を結んで日朝が国交正常化しても、民意を反映していないからダメなはず。
そうじゃないですか?
「韓国は『敵』なのか」という、普通の人々の神経を逆撫でする声明を出した和田春樹(東京大学名誉教授)、山口二郎(法政大学教授)、香山リカ(精神科医)、金子勝(慶応大学名誉教授)、内橋克人(評論家)といった、いつもの面々よ。
韓国批判を封殺しようとする「親韓隊」「従韓カルト」の者たちよ。
なぜ他方で、民意無視の北朝鮮の独裁政権との国交正常化をやれと訴えているのか?
日本の韓国併合も当時の日本人の民意を反映していないので一切責任を取る必要なし
そしてもう一つ。
「民意を反映しない朴正熙政権による行為だから無効」であり「その後に出来た民主体制とその下の韓国市民は拘束されもせず、責任を負わなくてもよい」というのであれば、そもそも日本による韓国併合を問題にすること自体がおかしいことになる。
なにしろ、当時の日本の政権は、民主的に選ばれた政権ではなかったのだから。
よって、「民意によって選ばれた戦後日本の体制及びその下の市民」である私たちは、日韓併合に対して一切責任を負わなくてよい、ということになる。
あと補足。
左派・リベラル派はまた、上の独裁政権と民意云々論と同じように、みんなで一斉に次の口実に飛びつき、吹聴している。
「1991年の国会答弁で日本の外務省条約局長自身が『個人の請求権は消滅していない』と明言しているではないか」
なぜ個人請求権に含みを持たせてあるのか、彼らはまったく知らないようです。
これは「日本人の」個人請求権を暗示しているわけです。
終戦後、南北朝鮮は80万日本人の個人資産を強奪しました。
「その個人に対する補償をどうしてくれるのか」という意味なわけです。
つまり、一応は両国間で解決済みとしましたが、場合によっては、逆に韓国側が賠償しなければならないこともあるんだぞ、という含みを持たせておいたわけです。
対して、韓国側は個人補償分をすでに受領済みです。
当時、日本政府は「個人補償しましょう」と提案した。しかし、韓国側が「自分たちでやるから、まとめて金をくれ、北朝鮮の分もほしい」と要望した。
こうして、韓国側の要望を叶える形で、日韓の個人補償問題は妥結した。
その「自分たちのほうから、そうしてくれと要求した」という点を黙殺して、「日本は歴史を直視して個人補償しろ」と、半世紀も経ってから言い始めた。
この無理難題を取り繕うために、「当時はパクの独裁政権下で民意が抑えられていてぇー」などいう、たわけた詭弁を言い始めた・・・本質はそういうことです。
で、こういう、韓国側の国家エゴ・民族エゴまみれの、異常なほど自己中心的で身勝手な主張に対して、近代史に対して何の知識もなく、そのくせ“善人アピール”による自己陶酔感だけは得たいという、目立ちたがり屋で、怠惰で醜い「偽善中毒者」の一部タレント・ゲイ人が、愚かにも利用されているという、そういう構図があるわけです(笑)。
ま、これは一般論で、特定の誰かを指しているわけじゃないですが。