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世界に広がる日本の組太鼓と、またしても迫るウリジナルの魔手

みなさん、こんにちわ。

日本のアニメ・マンガ・ゲーム、そして食文化などがたいへんな勢いで世界に広がったのはもはや一昔前のことで、今ではそれが定着しつつあります。

世界中の人々が普通にアニメを見てラーメンを食べたりしている。

今では、錦鯉とか、盆栽、日本酒、包丁・大工道具など、特定の、よりマニアックな分野まで注目され、世界中でファンが急増している。

どうやら「和太鼓」(組太鼓)もその一つのようです。



世界に広がる日本の組太鼓 欧米チームも多数!

今では日本以外のチームが数百以上あるらしい。欧米人だけの太鼓チームもたくさん存在する。彼らによる演奏はユーチューブでも多数公開されています。

“Rai” por Buenos Aires Taiko

Wadokyo – Taiko – Japantag 2014

カメラのレンズを拭けよと言いたくなりますが、演奏は大迫力ですね。

TAIKO DRUM at MONA Bushfire Relief concert

Bujin Taiko – Düsseldorf 15.10.2011

MUKAITO TAIKO – Taifu [IKIGAI – Teatro Maipo 20.11.2016]

こんなふうに、いろんな名前のチームがあって、イベントなどで活躍している。

ひたすらドラムをリズミカルに叩く、という行為には、シンプルですが、原始的な躍動感・ワクワク感があるようです。

それに欧米人のほうが、腕力があるので、向いているといえるかもしれない。

女性パフォーマーなどは明らかに欧米人のほうが、迫力がある。

音楽センスゼロの私などからすると、楽譜もないのに、演奏の工程を憶えて、なおかつグループで一致させるのは、ほとんど奇跡の能力に感じられる。

いずれにせよ、日本の文化が世界で親しまれ、世界に広がっていくのは、素晴らしいことですね。

中国・韓国系の太鼓チームの台頭と“伝統文化”宣伝

ただ、ここへ来て、無視できないというか、「またか」と思える現象も出て来た。

それが中韓系の太鼓チームによるパフォーマンスです。

もちろん、中国・韓国にも独自の太鼓文化がある。だいたい、東アジア式の太鼓は中国がルーツであるし、日本の太鼓も元はそれを学んで作られたものだ。

韓国のものでは、在日韓国人のチームによって「農楽」(ノンアッ)という伝統芸能が日本でもよく知られている。

私がここで言及しているのは、どう見ても日本の和太鼓演奏の亜流のことです。

まず中国系

Drum Performance at Beijing Drum Tower

CHINESE DRUMS PERFORMANCE AT MID VALLEY KUALA LUMP

Manao Drums of China Power Girls

つぎに韓国系

정혜사대북

천년의 북소리 – 국립국악원 공연

한국전통예술단 아울 – 모듬북 퍼포먼스

The most rhythm Korean Traditional Music. 법고 시나위

このように「チャイニーズ・ドラム」「コリアン・ドラム」と称している。

しかも、伝統(トラディショナル)などと銘打っている。

その宣伝文句に馬鹿な外人が騙されるという、いつものパターンが見られる。

ちなみに、韓国では、たしかに僧侶が巨大な太鼓を叩いていたりする。

Korean Buddhist Monk Drumming

통도사 저녁예불ㅡ법고&범종 2015.5.17

いかにも「伝統文化」に感じられる。

私はこの方面の専門知識はないと断った上で言うが、韓国の「伝統」と称しているが、そもそも「鼓楼」は時刻を知らせるためにある。

そこの大太鼓で“演奏”するなんて現役当時は考えられないし、そのようなことが行われ始めたのはそもそも鼓楼が役割を終えた近代に入ってからではないだろうか。

この韓国の寺にある大太鼓も、日帝時代に日本で作られたものではないのだろうか。

百歩譲っても、それはあくまで単太鼓による演奏である。

今回、私が改めて組太鼓(創作和太鼓)というものを調べてみたところ、

やはり日本の伝統文化であり、かつ戦後に再創作されたものであることが分かった。

具体的には、武田信玄の御諏訪太鼓(おすわだいこ)と、その演奏を甦らせ、さらに現代風にアレンジした小口大八(おぐち だいはち)という人物が関わってくる。

それについては次回に記したい。

いずれにしても、日本では、どの時代の、どの地方で、誰が演奏していて、戦後に誰がどのようにして再普及を図ったものか、ルーツとプロセスがはっきりしている。

対して、「伝統」を謳う韓国で、それがはっきりしているのか? はっきりと説明できる者がいるのか? 中韓の組太鼓チームはそもそもいつ作られたのか?

欧米人のチームは「本場」や「オリジナル」に対してリスペクトがあるのに、彼らのほうは「伝統文化」と称して、あろうことか日本人のほうをパクリ扱いする。

どうも、空手、剣道、忍術、日本刀、などと同じように、組太鼓もまた「ウリジナル」の対象にされようとしている気がしてならない。