今日本を主導(誤導?)しているのは集団の空気という怖さ

オピニオン・提言系




NHKとワイドショーは毎日危機を煽る。また、専門家・権威筋・著名人たちが大衆に「危機との戦い」を呼びかけ、マスコミがそれを大々的に取り上げる。どちらかと言うと、そうやって醸成される「空気」に、安倍政権のほうが引きずられている。

議員の肩書きと政党の議席数が「命」である政治家にとって、この空気は、どうしても逆らえない存在である。だから、現代の民主政においては、「世論」を作り操作できるマスコミこそが影の権力となる。たとえその世論が衆愚に基づいていても。

元々、安倍総理的にはこんなことはやりたくなかった。東京五輪をやって世界中から観光客を呼び込みたかった。今回のコロナ騒動は、下から突き上げは食らうわ、支持率は低下するはで、安倍さんにとって降って沸いた災難のようなものだろう。

今、安倍政権と政府はその「大衆の空気」に迎合せざるを得なくなっている。

「サヨク色眼鏡」では“独裁政権”に見えるらしいが、私自身はまったく逆の意味で、これに危険性を感じている。というのも、ある種の大衆フィーバーに国政のほうが引きずられて道を誤ったといえば、かつての日中戦争の開始と泥沼化もそうだからだ。

安倍総理以下、政治家は真っ先に「空気」に迎合し、真のリーダーシップが不在のまま、社会の「空気」による集団暴走が当面続いていく。これが怖い。

言ったように、抗体検査(数千人規模なら統計的に実態との誤差は小さい)で、感染率5%や6%の数値が出てきたら、日本はこれまでの戦略を見直すべきだ。

なぜなら、現実こそが真理だからである。

国民の5、6%が感染していて、それで死者300人程度なら、インフルエンザ並みであることの証明であり、「可及的速やかな集団免疫獲得」戦略へと転換すべきだ。

つまり、拡大防止は不要で、現状だと、サポートは医療体制に集中すればいい。



日本は戦略転換できずに経済破綻していくかもしれない

「戦略」というのは、事実・現実を土台として、はじめて「相対的真理」になりえるものである。だから事実や現実に合わせて、柔軟に修正しなければならない。

どうやら、私たちはこれまで実在しないか、又は信じているよりも小さな、いつものインフルエンザ水準の脅威と戦ってきた。この程度ならばタバコの煙を直接肺に吸い込み続けるほうがよほど人体にとって「脅威」かもしれない。

要は、新型コロナウイルスの脅威のレベルを過大評価してきた。

一転して、現実に合わせて、柔軟に戦略を転換せねばなるまい・・と、理性でそういうことが分かり始めても、実際に国家の図体が動かせるか否かは別問題である。

集団の空気で暴走する戦前の日本も、敗北の現実を受け入れなかった。

とくに、その戦略によってすでに「犠牲」が出ていた場合、厄介なことになる。

実際、外食業、観光業、観光地、イベント興行、ホテル業、タクシー、レジャー施設、その他、様々な産業が大打撃を受けてしまっている。

今さら、「実はたいしたことありませんでした、てへっ(照れ)」ではすまされない。

その戦略を遂行し、又煽った者たちにとって、自分たちの責任問題になる。だから、自分たちが誤っていた事実を直視し、素直に認めることには強い抵抗がある。

ある意味、犠牲を出してしまったからこそ、その犠牲を無駄にしないためにも、それまでの方針を完遂せねばならない、という、意固地な思考が芽生えてしまうのである。

これでますます誤った過去の戦略に執着し、自己防衛的になり、他者に責任転嫁しようとする。そして、破滅するまでゲームを続けてしまう・・・戦時中のように。

果たして、この国をリードする政治家や専門家やマスコミ人たちに、自分たちがとんでもなく社会をミスリードしてしまったという苦い真実を受け入れる勇気があるだろうか。

まあ、期待できないだろう。

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