こういう番組を面白がる大衆がいる限り木村花さんと同じ犠牲者は何度でも出て来る

事件・時事
これが「TERRACE HOUSE」とかいう番組らしい




痛ましい出来事が起きましたね。

女子プロレスラーの木村花さんが、SNS上での誹謗中傷に苦悩した末、22歳の若さで自殺。芸能人や著名人も、自分たちも被害者であるという観点から、一斉にこの問題を取り上げ、ニュースでも連日報じられています。これを受けて、安倍政権が「発信者情報開示」の法改正を検討すると、即座に声明する騒ぎにまで発展しています。

そういえば、数年前にも、韓国の女性アイドルがネットで誹謗中傷を受けて自殺するという事件があって、思わず画面で手を合わせたことがあります。

彼女たちやご家族の気持ちを想うと、本当に胸が痛みます。

これに関しては、私も決して他人事ではありません。

私も今まで、ツイッター、フェイスブック、巨大掲示板、まとめサイトコメント欄、ブログなどで、何百という悪口を書かれてきました。

皮肉なことに、最近は執筆に勢いがないので、ネガティブな反応も、ほとんど無くなりましたが(笑)。何も発信しなければ、批判もまた受けないということか・・。

たしかに、こういうものを読んだら、精神衛生上よくない。

鉄の心臓をもつホリエモンでさえ傷つくと言うくらいですから、絹糸のような繊細な神経をしている私のような人間には、もっとこたえるわけです・・・。

え!? 「おまえは面の皮が厚いほうだろ!」って?

とにかく、ホリエモンはまだ罵倒し返すから、それが解消になっている。

私の場合は、はるか前に「そうか! 見ないようにすればいい。悪口を言われたことを知らなければ存在しないのと同じことじゃないか」と気づいた。

それも理由の一つとして、私は「ノー・ツイッター、ノー・フェイスブック」ポリシー(笑)を通している。まあ、非生産的なことにあまり時間を取られたくないのが一番の理由ですが。この“便利な”ものをやらなかったおかげで、今問題になっている「特定個人を標的にしたSNSでの誹謗中傷」問題の枠外に位置して、涼しい顔でいられる。

対して、中傷者にやり返すこともできないし、無視せずに真正面から受け止めてしまうタレントさんなんかは、潜在意識に怒りや悲しみを溜め込んでしまって危ない。

「きゃりーぱみゅぱみゅ」の反応を見ていると、彼女はそういうタイプで、少し危険ですね。だからあまり「パヨパヨがー!」とか追い詰めてはいけません。

彼女もまた「うっせーボケ、テメエごときが、アタシ様のファンやる資格ねえんだよ!」とか、むかつくヤツには、うんと言い返したほうがいいでしょう。

私もこの場を借りて、コメ欄で批判してくる者には、同じ事を言っておきます(笑)。



物事には両面がある。多面的に見るべし。

ところで、考えてみれば、これに関して、私は被害者でもあり、加害者でもあるんですね。

私も、むかついた時には、つい感情的になって「馬鹿! アホが!」とか「死ねや、ボケが」とか、匿名でネットにたくさん書いてきましたから。

ツイッターをやっていたら、確実にそれを使って誰かを罵倒していただろう。

つまり、ある時には「匿名悪口集団」の一員でもあったわけです。

だいたい、実名でも、人の悪口をいっぱい書いてきたわけです(笑)。

私は、この木村花さんも、彼女が出演していた「テラスハウス」(フジテレビ&ネットフリックス制作)という番組も、まったく知りませんでしたが、仮に視聴していたら、私も彼女の言動・態度に「むかついて」罵声の一つや二つを浴びせていたかもしれない。

「TERRACE HOUSE」の一場面

視聴していない以上、安易なことは言えませんが、どうもこれは「ヤラセ番組」の一種であり、木村花さんは「悪役」をさせられていたらしい。

だとするなら、当件は、思った以上に複雑な側面があります。

今から思えばギャグですが、TOKIOがまだオッサンでなかった昔、『ガチンコ』という、とんでもないヤラセ番組があった。

(*『ガチンコ!』は、TBS系列で1999年4月13日から2003年7月29日まで放送されたバラエティ番組、リアリティ番組である。)

とくに、不良たちを集めてボクシングをやらせる「ガチンコ・ファイトクラブ」が凄まじい。毎回、メンバーたちの間で「ケンカ」や「事件」が起こる。視聴者はハラハラドキドキする・・・。しかし、あれは全部「台本」でした。

同じシナリオを、「ラーメン修行者」や「スパルタ学習塾」でも繰り返していた。

「テラスハウス」も大なり小なりその種の演出をやっていたのでないか。

だとするなら、木村花さんは、名前が売れて有名になり、収入も増える見返りとして、あえて視聴者から憎まれる役を引き受けた、という可能性も考えられる。

で、実際、その通りに、憎しみを一身に引き受けてしまった。

つまり、仮に「受益者」としての側面もあったとしたら、彼女が一方的な被害者かというと、そうでもない。ならば、そういう演出をした番組制作者が何もかも悪いのかというと、これもまた単純にそうとは言えない。

番組制作者は「視聴率」を稼がねばならない。でなければ、無能の烙印を押され、あげくに追放される。だから、できるだけ番組を「面白く」して、視聴者の関心を引き付けねばならない。何が面白いかは人によって違うでしょうが、一般的にはエキセントリックで、非日常的で、ハラハラドキドキしたほうが「面白い」に違いない。

実際、TOKIOの『ガチンコ』はそういうヤラセで大成功を収め、ディレクターはテレビ局の幹部に出世した。あの番組でも、やはり使い捨てにされた役者たちがいた。

しかし、そういう番組を見て、面白がっているのが、また世間大衆なわけです。

ある意味、みんなが加害者なわけです。

今回の事件は、個々の責任者がいるとしても、大きく見れば、そういうコンテンツを娯楽とするような今の社会の歪みのあらわれと言う事ができます。

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