どうも田中角栄が引き摺り下ろされた時と同じ臭いがする。
昨今の安倍バッシング報道は、集団リンチや人民裁判の域に達してきた。
なぜ有権者は安倍自民党を選んだのか、先の選挙を簡単に振り返ってみる
やや旧聞に属するが、昨年10月の衆院選において、各党の街頭演説などが連日報道されていたが、党首間の実力の差は歴然としていたと私は思う。
とりわけ、メモも何も見ずに具体的な数字をスラスラと挙げていた安倍総理の姿は印象的だった。たとえば、
年金の一部は運用して46兆円も増えました、
雇用は185万人増えました、
正規雇用の求人倍率ははじめて1倍を超えました、ちなみに私たちが政権をとる前は0・5倍でした、
2020年度までに32万人分の保育の受け皿を整備したい、
50万人分の介護の受け皿を整備して介護人材の待遇を改善したい、
・・・などなど。
安倍総理は、自身の政権運営の成果を披露するだけでなく、今後、確実に実施する予定の政策まで、具体的な数値目標を挙げながら訴えていた(*成果の背景には日銀のETF買付などの妥当とは思えない政策があるが、とりあえず横に置いて)。
しかも、口当たりのよい内容ばかりでなく、その上で「財源を確保するためにも消費税は増税する」と、有権者に痛みを分かち合うことも要求していた。
対して、野党の党首は、抽象的な論が多く、数字をほとんど挙げない傾向があった。しかも、人々に与えることは訴えるが、犠牲は一切求めないときている。
とくに演説で馬脚を現していたのが、颯爽と希望の党を立ち上げたばかりの小池百合子氏。延々と「モリ、カケ、モリ、カケ、モリ・・」を繰り返した。
同様の福島瑞穂と併せて、「ゆで太郎」のパートのオバさんかと、言いたい。
私は、小池百合子氏が有権者から見捨てられたのは、こんなふうに選挙本番中に「森友・加計ガー」の演説に終始したことも大きいと思う。
衆院選の結果は、有権者が安部総理と自民党をもっとも評価したことを意味している。
NHKの極端に内向きな報道と安倍政権への報道リンチ
さて、それから半年が経った。
本来なら選挙後の政権運営がようやく落ち着いてきた頃のはずだが、今年9月の自民党総裁選挙に向けて、早くも安倍退陣論が党内からも出て来ている。
政権の支持率がじりじりと下がり、今現在で不支持が支持を上回るようになったからだ。4月半ばの最新の世論調査では、支持率は発足以来最低の26・7%。
だが、これだけ連日、メディアからネチネチとネガティブな報道をされれば、どんな政権であっても支持率が下がるのではないだろか。
最近などは、ほとんど報道リンチの様相を呈している。
国民がもっとも信頼していると言われるNHKも、実に執拗で、気を違えているとしか思えない。連日、野党と一緒になって「森友・加計ガー」と叫んでいる。
編集に底意を感じるものが多い。はっきり言えば「印象操作」である。
証拠を提示しなくとも、「疑惑」を執拗に報道することで、視聴者に対して、安倍総理・安倍政権と閣僚・麻生氏などがひどく腐敗しているかのような印象を与えることができる。対して、それを追及する野党の有力政治家をさも正義の側・市民の味方であるかのように印象付けている。実際には、彼らは何も建設的なことはしていないのだが。
しかも、些細なミスを驚天動地の犯罪であるかのごとく誇張するために、異様なほど内向きのニュースで埋め尽くして、国民の関心を「外の世界」へと向けさせない。森友・加計もそうだが、体操選手のパワハラ、相撲スキャンダル、前川喜平の動向、最近では財務官僚のセクハラ疑惑など、本質的にはどうでもいいような話題ばかり。
最近こそシリア問題という“外”のことを報じるようになったが、基本的には「村ニュース」というか、コップの中の嵐を過大に報じている。
マスコミの報道姿勢に、何か、是が非でも安倍氏をリーダーの座から引き摺り下ろしてやるという、異常で暗い熱意を感じるのは、私だけだろうか。
安倍氏を引き摺り下ろした後に来るのはどうせ「政治の混迷」だ
断るまでもないが、私は別に「アベトモ」ではないし、安倍氏や夫人と会った事もない。
また、政府筋・与党筋・広告代理店筋からビタ一文、受け取ったことはない。
だいたい、安倍政権の政策に対して何もかも賛成しているわけではないし、むしろ経済政策には対しては批判的なほう。ただ、それに関しては、安倍政権が、ここ十年の問題というより、戦後の累積問題に対処している点を考慮しないとフェアではない。
こういうこと言うと、「国家権力の御用ジャーナリストが!」というレッテリ貼りが来そうだが、公平に見て、安倍総理が連日、日本のために殺人的なスケジュールを全身全霊でこなしていることは明らかである。批判するにしても、一所懸命に職務に打ち込んでいる総理に対して、守るべき最低限の礼儀がないだろうか。ところが、安倍氏に対しては何を言ってもいいとタカをくくり、平然と畜生扱いする輩が絶えない。
かつて、法政大の山口二郎教授が「安倍に言いたい、オマエは人間じゃねえ、叩き斬ってやる!」などと絶叫したが、今度は慶應大の金子勝教授が「安倍は歴代の首相の中で最も愚かな首相だ! バカほど恐ろしいものはない!」と発言した。
あまりに侮辱が過ぎないだろうか。いくら相手が公人の最たる総理といえども、ここまで人身攻撃していい権利はないはずだ。
安倍政権と、こういった反安倍のマスコミや知識人のどちらが常軌を逸しているのか、私たちは冷静に自分の目で判断しなければならない。また、揚げ足とりの批判と、まともな批判とを区別して、後者には耳を傾けなければならない。
こんなふうに「なにがなんでも安倍3選を阻止せよ」という異常な力が働き、連日のように、くだらない揚げ足とりの反安倍キャンペーンが行われている。
内外の圧力の結果、安倍総理は退陣を余儀なくされる可能性が出て来た。
だが、これからの日本は、内政・外交とも益々厳しい舵取りを迫られること疑いない。国難に対処するには、何よりも安定していることが大事だ。本当なら、安倍総理を頂点として、ますます国民が一致結束しなければならない時である。
生まれつき集団行動の出来ない私が、今こそ団結と一体感が必要だと訴える。
ところが、この国は、もっとリーダーシップを強化すべきときに、その当のリーダーを追放しようとしている。5年半に及んだ第二次安倍政権の蓄積を捨てて、その反対の方向へ突っ走ろうとしている。安倍氏が退陣して、得をするのは周辺の独裁国家や反日国家であることは疑いない。彼らは強いリーダーの下で日本が順調に発展すること自体が気に食わないという、嫉妬の塊のような連中だ。確実に中国と南北朝鮮の増長をまねくだろう。ちょうど、民主党政権時代の過ちを蒸し返す格好になる。
今のリンチに近い反安倍キャンペーンには、一部日本人の醜さが現れている。筋の通らないことをやると、必ずあとで反動がくるだろう。悪いほうに行くだろう。
私はここにはっきりと予想しておく。
安倍総理退陣後、日本はますます混迷の度を深めていくだろうと。
大方、また「一年一総理時代」の再来ではないか。
どうせ「安倍政権時代がよかった」と、懐かしむ羽目になる。むろん、引きずり降ろすことに異様な情熱を発揮した連中は、国民に対して何の責任も取ってくれない。
私は、機会があれば、安倍氏が総理の座を退いたあとに、一言「ご苦労様でした」と言ってあげたい。