みなさん、こんにちわ。
本当は「どうやら真実だったらしい件」というタイトルにしたいのですが、短いほうが検索上有利らしいので、上のように断言調にしてあります。
2月、国際政治学者の三浦瑠麗(みうらるり)氏がテレビ番組で「北朝鮮のスリーパーセルが国内にいる」云々の発言をして、なぜか炎上しました。
あとでユーチューブで当該映像を確認しましたが、私からすると、本質的には何の問題もありませんし、安全保障上、不可欠のテーマですらあります。
ただし、私からすると普通に“スリーパー”か“工作員”でいい。また、なんで金正恩が死んでから活動がスタートするのか、大阪の名前を挙げた根拠は何なのか、疑問な点があるのも事実です。全体としては、常識の範疇の話でしかありません。
評論家の古谷経衡氏がすぐに三浦氏の発言を「一種の妄想」というふうに斬り捨てましたが、彼の論考は公安調査庁と公安警察の区別すらついていないものでした。
自衛隊、警察庁、法務省公安調査庁、外務省、内閣情報調査室、等など、どこがどんなふうに情報を取っていて、それを官邸にどう挙げているのか、日本のインテリジェンス体制の基本的なことを知らないと、こういう生き恥レベルの記事になります。
ちなみに、民間の商社や公益法人なども情報活動の一端を担っています。
まあ、シャアのいう「若さゆえの過ち」ってやつでしょうか、古谷氏はまだ若いので、大目に見てあげようという面はある。ただ、中には「差別」へと問題をすり替えて言論を萎縮させようとする言論もあり、こちらは失笑では済まされない。
私に言わせれば、有事における日本人と在日朝鮮人の関係の変化を事前にキチッと議論しておくことが、むしろ双方の無用な衝突や朝鮮系の市民子供たちへの差別の防止に繋がると思うのですが、タブーにすることによって、かえって実際にそれが起きたときに悪い方向へ針がぶれる可能性がある。現実は現実として受け止めるべきなのです。
TVタックルによる元北朝鮮工作員へのインタビュー内容
さて、それはそうと、私は最近までまったく知らなかったのですが、2018年3月11日の「ビートたけしのTVタックル」で、三浦氏の言うように、やっぱり有事の際にテロ・破壊活動をやるスリーパーがいるんじゃないか、という内容を放映したようです。
1か月遅れで、この番組の存在を知りましたが、一部を引用させていただきたい。
「北朝鮮は三浦氏を名指しで批判」
「果たしてスリーパーセルなるものは存在するのか。そこで脱北した元工作員だというウォン・ジョンファ氏にインタビューを行った」
「日本だけでなく、アメリカや東南アジアなど世界中に潜伏しているとウォン氏は指摘している」
「警察庁が認定した北朝鮮工作員による事件は数多くある」
元警視庁公安部の江藤氏「もちろんいる。ただし、スリーパーセルという用語は警察では使わない。ただの“工作員”と呼ぶ」
朝鮮有事になれば国内に潜伏する北の「非常待機組」が軍事作戦に合流する
ウォン・ジョンファ氏によると「非常待機組」と呼ばれているそうです。
100人ほどいるのでは、というのは彼女の推測ですが、中の人の推測だけに、当たらずとも遠からずといったところだと思います。
どうも一人で兵士10人分の能力があるらしい。
ただ、朝鮮有事になれば、日本国内にいる「非常待機組」が決起するのは、本来当たり前の話なんですね。
北朝鮮が戦場になるということは、その対戦相手の後方支援基地である日本国内もまた戦場にならざるをえないということ。
「戦場になるのは北朝鮮だけでたくさんだ、戦争中であっても日本だけは平穏無事で通したい」という思考は、ただの身勝手な願望であり、現実逃避。
つまり、軍事作戦系の工作員が潜んでいる・いないという以前に、米軍が北朝鮮を攻撃するならば、日本国内にいる朝鮮人もまた(兵士化して)在日米軍基地や米兵を攻撃することはやむをえないというか、それで本来は「対等」のレベルの話なんですね。
北朝鮮の憲法では、国民皆兵です。そして、朝鮮人でそのことに異議を申し立てた人は、私の知る限り、いません。この問題については以前も記事にしました。
・第58条 朝鮮民主主義人民共和国は、全人民的・全国家的防衛体制に依拠する。
・第60条 国家は、軍隊と人民を政治的、思想的に武装させ、それに基づいて全軍の幹部化と現代化、全人民の武装化、全国土の要塞化を基本的内容とする自衛的軍事路線を貫徹する。
・第62条 朝鮮民主主義人民共和国公民となる条件は、国籍に関する法により規定する。公民は、居住地に関係なく、朝鮮民主主義人民共和国の保護を受ける。
・第86条 祖国防衛は、公民の最大の義務であり、栄誉である。公民は、祖国を防衛しなければならず、法の定めるところに従って軍隊に服務しなければならない。
以上を率直に解釈すると、憲法上、すべての朝鮮人は武装し、祖国防衛に当たる義務を負っている。しかも、「居住地に関係なく国家の保護を受ける」という規定の存在から、日本に住む朝鮮人もこの憲法の謳う「全人民」の一員に当てはまると解釈できよう。
つまり、日朝開戦直後から、在日朝鮮人は「敵性国民」すら超えて「日本に潜む朝鮮人民軍兵士」身分へと自動的に移行する可能性が考えられるのだ。
要は、戦時下に入ると、日本人と在日朝鮮人の関係もまた従来とは根本から違ったものなるのではないか。北朝鮮の憲法による朝鮮人民の位置づけや、有事の際のテロ攻撃云々の議論を避けていて、いざ本番の極限状況に対応可能なのか。
ところが、日本で起きているのは、こういう(↓)レベルの反応が大半だ。
上はたまたまTVタックル動画と並んでいたものですが、探せばもっとあるでしょう。
せっかく三浦氏が重要な問題提起をしたというのに、こういう幼稚なからかいをしたり、北の独裁政権と呼吸を合わせて誹謗したりする識者が多いのは困ったものだ。
実際に戦争が起こって、現実に北朝鮮工作員による後方かく乱のためのテロや破壊活動が起こり、人命が失われたら、彼らはどう弁明するつもりなのだろうか。
責任問題になってもおかしくはない。それについても参考記事を記してある。
最悪の場合は、刑法第81条(外患誘致)と刑法第82条(外患援助)の適用。そこまで行かなくとも、一生、汚名を背負っていくくらいの覚悟は必要だろう。