さて、現在、香港では市民による大規模な抗議デモが行われている。
「天安門事件30周年」のところに、中国本土への犯罪容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案が香港議会で可決されようとしたからだ。
先日は103万人が集結したとか。
周知の通り、香港はイギリス領からの返還後、中国の「特別行政区」となった。
行政トップは大陸から派遣されているが、一定の自治が認められている。何よりも言論の自由がある。北京もまた対外的な金融センターとして香港を重宝してきた。
仮にこの改正案(改悪案)が通れば、北京政府は本土と同じように反体制的な人物を片っ端から政治犯として連行することが可能になる。
そうなれば、言論の自由の砦・香港は、確実に政治的な死を迎えるだろう。
最新情勢では、巨大デモを宣撫するためか、香港政府はこの改正案の「延期」を発表したが、撤回ではないと説明している。
これがまた人々の怒りに火をつけた。「撒回以外認めない!」として、デモ隊は今現在、百数十万という空前の規模に達しているようだ。
人々から選挙で選ばれず、監視もされない中国共産党の怖さ
最近では、「銘記八酒六四」のラベルを貼った酒をつくったという理由で、四人が「国家政権転覆扇動罪」で起訴され、うち反省しなかった一人は「禁固3年6ヶ月」の実刑判決を言い渡された(ただし、国際社会の批判を憂慮してか、後に騒乱罪有罪に変更)。
中国語で「酒」と「九」は同じ「ヂウ」と発音するので、ラベルは「1989年6月4日」の天安門事件のことを揶揄していた。それが当局の逆鱗に触れた。
政治的なラベル一枚で懲役3年とか・・。日本では好きなだけ「アベ政権打倒!」と叫ぶことができるのだから、反アベ派は日本の国家権力に感謝しなさい(笑)。
中国は、上海・深セン・広州などが超近代都市になった一方で、未だにこんな非民主的で未成熟な国でもあるわけだ。政府は事実上、どんな人物であれ恣意的に逮捕することが可能。
だから「こいつは反体制的で気に入らん」と見なされたら、その人の社会的生命は終了も同じ。憲法で言論・表現の自由を“保障”しておいて、これ。
日本では「人権」の本来の意味がかなり歪んでしまったが、もともとは個人の自由や公正な裁判を受ける権利は、「対国家・対権力」で語られるもの。これが分かっていれば、本当の意味で人権を侵害している国が中国や北朝鮮であることは自明である。
そして、国家に対して「人間が生まれながらに持つ権利を侵害してはならない」と明記し、規制するのが憲法の存在意義だが、中朝では政府が自ら憲法を破っても平気。
なぜなら民主的な選挙がないから。やはり選挙や言論の自由あっての憲法なのだ。
モンテスキューが「専制者は道徳を強制されない」と喝破した通りだ。人々から選挙で選ばれず、監視もされない中国共産党は、人民の弾圧が平気でできる。
こういう国だから、香港人は中国本土への犯罪容疑者の引き渡しが可能になる事態を恐れている。この案が可決した瞬間、香港の自由と人権は確実に死ぬ。
香港の反権力デモと日本のそれは月とスッポン
だから、香港でのデモは、どこかの国の反権力ゴッコとは、動機も志も覚悟もまったく違う。私は命がけで戦っている香港の若者・市民たちを尊敬するし、断固支持する。
「アベ独裁政権ガー」でおなじみの「自慰るズ」&「爺るズ」とは雲泥の差だ。
ところで、在日中国人マンガ家の孫向文氏が次のようにツイートしていた。
この孫氏の感覚が正常な人間というものだろう。
「俺は安倍晋三よりも賢い」
「俺が今やっている行動は正しい」
「もう一回言っとくけど、俺はマジで安倍よりも賢いし、正しい」
こんな主張に誰が共感するんだ?
香港の若者たちは100万人を越える人々を集めた。
しかし、上の者の言葉を聞いて普通の人々が共感し集まるだろうか。
“共感”できるのは、せいぜい中国共産党の同志の日本共産党系、山口二郎、詐欺罪で逮捕された籠池夫妻、望月衣塑子、有田芳生、聖人前川・・ってところか。
問題点をキッチリ指摘して政治を批判するのは当然だし、だいたい私だってやっていることだが、「独裁政権ガー」「人間じゃねえ」などという過激表現を用いたら、真摯であるべき社会問題をかえって茶化すことなると、彼らは分からないのだろうか?
要するに、自己陶酔・自己満足のための活動だと、本音を告白しているようなものだ。
また、香港の若者や、世界中で共産党独裁と戦っている海外中国人と比べて、自国の独裁政権とまったく戦わないどころか批判すらしない在日朝鮮人の異様さが際立つ。
というより、在日朝鮮人の場合は、独裁政権を支え続け、残虐な独裁者と一緒になって、その他大勢の無垢な朝鮮人市民を苦しめている「共犯者」的立場だろう。
いずれ覚醒した朝鮮人民自身から裁かれるだろうが、自業自得だろう(もっとも金正恩独裁政権が倒れた瞬間に、自由朝鮮のメンバーに雪崩打つんだろうが・・)。
さらに、有田芳生みたいな、自由主義国家の国会議員でありながら、独裁者の太鼓持ちみたいな真似をする、現代の謎というか、論外としか言いようがないやつもいる。
こういう連中の特徴は、習近平やプーチンや金正恩よりも、日本の総理のほうが“独裁者”に見えるという、実に奇怪な「魔法の色眼鏡」をかけていることだ。
そして、「独裁政権ガー」と叫ぶ自分がカッコいいと、信じているのである。しかも、こういうやつに限って本物の独裁政権の手先や代弁者をやっているから始末悪い。
(以下、在日中国人・孫向文氏の本!)