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北朝鮮の原爆使用という最悪の結末を迎える金正恩斬首作戦!

Kim Jong-Un and nuclear war

3月1日、半島有事に備えた史上最大規模の米韓合同軍事演習「フォールイーグル」が始まった。明らかに朝鮮半島は「開戦前夜」の様相を呈している。一部では、何らかの挑発や偶発的衝突を好機として、このまま北朝鮮との実戦へとなだれ込む狙いではないか、とも囁かれている。だが、仮にそうならなかったら、どうなるのか。

すでに述べた。その場合は「アチソンライン方式」が適用されると思われる。



文在寅“次期韓国大統領”に望みを託く北朝鮮

報道によると、北朝鮮の労働新聞も「徹頭徹尾、わが国を狙っている」と米韓を非難し、対決の構えを崩さない。しかし、敵(米韓)が理由をでっち上げても開戦しかねないこと、そして米軍相手に戦えば必ず負けることは、彼ら自身が一番よく知っている。どこかの国の平和憲法カルトと違って、徹底した現実主義者だからだ。

だから、金正恩と北朝鮮は、本当は米軍とだけは戦いたくない。

それゆえ、「フォールイーグル」期間中、金正恩政権は、一切の挑発に乗らずに、我慢に我慢を重ねる可能性もある。そうやって何とか次の韓国大統領選挙に望みを繋ぐという作戦だ。現在、次期韓国大統領候補のナンバー1が文在寅(ムン・ジェイン)氏。彼はあの故ノ・ムヒョン氏の後継者であり、北朝鮮との関係も噂されている。

文在寅に関しては、すでに多くのメディアが報じている。彼が至上命題として掲げるのが「親日清算」である。今にも戦争が始まろうかという、この非常事態の最中にあって、最優先に掲げる公約が「親日清算」なのだ。だが、それが韓国人に受けているらしく、世論調査では、ずっと不動の支持率一位をキープしている。

しかも、「反日」は大衆迎合を狙ったパフォーマンスというより、どうやら文在寅の本心らしいのだ。完全な戦後世代の彼は、独裁権力が捏造した反日近代史で、徹底的に洗脳された世代に当たる。興味深いことに、そこに北朝鮮と親北派が後から巧妙に上書きした歴史認識が、彼の非主流派としての祖国観に完全にマッチングしたらしい。

要するに、かつて李承晩・朴正煕らが子供たちに植え付けた日本への憎悪と偏見が、しばらくすると、「日本の共犯」と見なされた国家権力にそのまま跳ね返ってきた、という滑稽な図式である。その史観そのままに、戦後も「親日勢力」がそのまま韓国の支配層に納まって、民衆を犠牲にし、特権をほしいままにしてきたと、彼は信じている。

だから「親日清算」を最優先に掲げるのだ。根底にあるのは、エスタブリッシュメントに対する、非主流派として生きざるをえなかった者の怨恨のように思える。それゆえ、その「親日勢力」と戦ってきた北朝鮮は、同志も同じなのである。

”開戦チャンス”は「二段構え」になっている

もちろん、次期韓国大統領としてもっとも有力な文在寅(ムン・ジェイン)が、こういう私怨感情に満ちた左翼だということは、米国もとっくに分析済み。

大統領選挙は2017年の6月、ないしは4月に繰り上げとの観測もある。

だから、今の米韓両国は、親北政権が出来る前に北朝鮮との決着をつけるつもりなのかもしれない。すなわち、「フォールイーグル」が終了する4月末までに、米韓側から先制攻撃してでも、強引に開戦へと持っていくわけだ。

しかし、大規模先制空爆で幕を開けなければ、首都ソウルは確実に北の長距離砲の餌食になるだろう。だから、中途半端な先制攻撃だと、逆効果になる恐れもある。

では、なんだかんだで、新政権が誕生した後にズレ込んだ場合はどうなるのか。

親北政権が出来たらできたで、別の開戦オプションもあることは、すでに数本の記事で説明した。それが「(第二次)アチソンライン方式」である。

韓国に仕掛けられる「第二アチソン・ライン」の罠
陰謀論が少し入っているので、こっちになります。以下の記事の続編として、お読みください。 韓国では17年6月の選挙で新大統領が選ばれます。 それに向けて現在、北朝鮮は最大限の工作を敢行中です。仮にそれがうまくいき、北朝鮮に近い人物、もっとはっ

つまり、親北政権の望み通り、在韓米軍が完全撤退するのだ。そうして、いったん“見放して”おいて、北朝鮮の侵攻を誘う。仮にそれが政治的なものだとしても構わない。要は何であれ、韓国政府又軍部に正式な救援要請を出させればいい。国内混乱の収拾程度でさえ、名目になる。それで一転、米軍としては軍事介入の大義名分が立つ。

米国は「長年の友人である韓国が助けを求めている! よし、今すぐ助けに行くぞ!」などと心にもない声明を発して、嬉々として戦争に突っ込んでいくだろう。

とりわけ、韓国軍部は絶対に北の下には就けない。韓国軍は自衛隊以上に米軍の配下にある。だから、裏では米軍と韓国軍との間に話がついている可能性もある。

このように、「次期大統領就任前」でも「後」でも、開戦に持っていけるよう、最初から「二段構え」の戦略になっている。だから、北朝鮮が自壊でもしない限り、第二次朝鮮戦争の勃発は避けることができないというのが私の考えだ。

断末魔の金正恩が報復の核ミサイル発射を命ずる!

つまり、どっちにせよ、開戦する。そして開戦したら、短期間で終わる。

アメリカにしてみれば、イラク戦争以来の本格的な「対国家戦争」となる。全軍の最高司令官たるトランプ大統領も、さぞかし戦争指導に張り切ることだろう。

米軍は何千箇所という北朝鮮の軍事施設を空爆し、徹底的に破壊する。それは見方を変えれば、爆弾の在庫一掃である。オバマ時代の軍縮で冷や飯を食わされていた軍需産業にとっては久しぶりのボーナスだ。ロッキードやハリバートン、レイセオンやデュポンなどが潤い、戦後の復興事業では、またベクテルやGEが潤うだろう。

戦争自体は短期間で終わる。米韓軍の圧勝に終わる。問題は結末だ。

私ほど一貫して「北朝鮮は必ず核兵器を使う」と断言してきた者はいないと思う。おそらく、今なお大半の人々が半信半疑だと思う。メディアで昨今、戦争の可能性は喧伝されるようになったが、それでも核兵器が使用されると心配する向きは皆無に近い。

しかし、後味の悪い結末を迎えて思い知ることになるだろう。

有力な根拠の一つは金正恩のパーソナリティである。この独裁者は、人の命なんかなんとも思っていない。平気で側近を殺す。だから、その感覚で核攻撃を命令するだろう。韓国人は大量虐殺される。日本も攻撃される可能性は十分ある。

私は以下の記事で次のように述べた。

金正恩の「怒りの核攻撃」という可能性
9月9日、北朝鮮が5回目の核実験、それも「核弾頭」の爆発実験に成功したと発表したことで、日本全国に激震が走った。仮に日本全土を射程に収めるノドンミサイルにこれを搭載すればどうなるのか。しかも、北朝鮮が移動式発射台を有し、複数基の同時発射もや...

独裁者にしてみれば、戦争に敗北すれば、どっちにしろ終わりである。少なくとも彼個人の命脈は尽きる。良くて、裁判でさらし者・一生監獄の運命だ。この男にとって、それは世界が終わるのと同じことだ。だから次のように考えるはずだ。

「核を撃とうが、撃つまいが、どうせ自分はおしまいだ」

「これまで自ら陣頭指揮を取って核・ミサイルを開発してきたのに、その切り札を温存したまま死ぬことは耐え難い」

「自分が死ぬときには、できるだけ大勢の敵を道連れにしてやりたい」

かくして、死を覚悟した金正恩は、いわゆる「火病」(ファビョン)を発病した狂乱状態となり、「核ミサイルを発射しろ!」と命令するだろう。

つまり、必ずしも軍事戦略上の理由から攻撃するとは限らない。

私の考えは今も同じ。この男が核兵器を使うと考えるほうが、より論理的なのだ。その他にも、私は次の二つの記事でも、類似のことを主張した。

金正恩は日韓に向けて核兵器を使用する!
21世紀の初め頃、中東の地下資源を管理下に置きたいアメリカの野望と、危険な仮想敵国であるフセイン政権のイラクを潰したいイスラエルの思惑が一致したとき、信じ難いほど強引な開戦が行われた歴史は、まだ記憶に新しい。これまで述べてきたように今回も両...
ヒロシマ、ナガサキ、そしてカナガワ
下は2003年3月の「アメリカ―イラク戦争」の開戦時の様子である。首都バクダッドが米軍よって激しい空爆を受けている。 来年か、再来年には、ピョンヤンでこのような光景が展開されていてもおかしくはない。 当時のフセイン政権は、まず「安保理決議に...

何度も言っているが、ファースト・ストライクで仕留めないと、このプチスターリンに必ず報復の機会を与えることになるだろうと考える。

しかし、そんな保障がないどころか、米軍はいつも失敗してきた。

サダム・フセイン、ウサマ・ビン・ラーディン、カダフィ、等など、ほとんどは一撃でし止め損なっている(*まあビン・ラディンはサクラだと思うが・・)。

だから、私は戦争には大反対だが、どうしてもやるというなら、初弾で戦術核搭載のバンカーバスターを投入すべきだ。先制核攻撃によって司令部又居場所を一発で仕留めてしまわないと、逆に日本や韓国の市民が大量虐殺されてしまうだろう。

「先制核攻撃しろ」と主張した時点で、日本の左派やリベラル派からは「キチガイ認定」されるが、“第二のヒロシマ・ナガサキ”の惨状を見れば、彼らも自分の甘さを猛省したくなるだろう。再度言うが、戦術核搭載のバンカーバスターでなければ「策源地先制攻撃」は失敗同然となり、確実に報復核攻撃(=市民の大量虐殺)を招き寄せることになる。

もちろん、最初から戦争なんかやらないに越したことはない。

黒幕以外誰も知らない第二次朝鮮戦争の真の本質

実は、ここまでは「前ふり」みたいなもの。見ての通り、以上に大して目新しい情報はない。実は、次回が本命で、本当に恐ろしい話である。

私は今「斬首作戦は失敗する」「一撃で殺し損ねる」と記したばかりだ。

だが、本当を言えば、米軍に最初から一撃で殺すつもりなんかないのだ。

なぜ、私がこうまで「核兵器が使われる!」と確信しているのか。理由は、これが最初からコントロールされた危機だからである。それを疑ったのは今から10年前。

おそらく、対イラク戦争後の方針転換、つまり具体的には2006年からだと思うが、その頃から「あるレベルの核開発までは許す」という考えに基づいて、北朝鮮の核・ミサイル開発は、わざと黙認状態に置かれてきたのだ。

「あるレベル」というのは、「なんとか隣の国に命中させる程度の技術水準」であり、それ以上は許さない。「それ以上」というのが、米本土向け弾道ミサイルやSLBMの完成、核兵器・核技術の拡散などを指す。最初から、そのレベルに届いたら、又は届く直前に、トドメを刺す予定なのだ。つまり、それが今である。誰が大統領かは関係がない。

だから私は「コントロールされた危機」という表現を使った。

だが、なぜ? そして何のために「彼ら」はそんな面倒なことをするのだろうか?

答えはもちろん韓国や日本を核攻撃させるためである。(次回へつづく)

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新世界より From The New World
By 山田高明 Takaaki Yamada
Takaaki Yamada: