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習近平の「夜郎自大」と国内からの「指桑罵槐」

Takaaki Yamada作(笑)

みなさん、こんにちは。

いきなりですが、「夜郎国」の故事をご存知でしょうか?

司馬遷の『史記』で“滑稽な国”として紹介されている国です。

今の貴州省・雲南省あたりにあった小国(前523年~前27年)です。

ほとんどラオスやミャンマーに近いところですね。

『史記』いわく、漢王朝の全盛期をもたらした武帝が、辺境にある夜郎国に使者を派遣した際、そこの王様が広い世界のことを知らなくて、「わが国と漢のどちらが大きいか?」などと無邪気に問うたそうな。それが「夜郎自大」の元になりました。

要するに、自分の身の丈を知らない、井の中の蛙(かわず)、といった揶揄が入っています。現代では、日中の双方から、よく近隣のK国に対して使われていました(笑)。

まあ、あんまり日本も笑えないんですね。

中原から見て、この夜郎国は西南夷で、日本は東夷とされていた。

『魏志』によると、当時、倭人は、一枚の布の真ん中を穿って、そこから頭を出していたそうです。縫わずに、ただ結束していただけ。身体にはを塗っていた。

夜郎国の人たちよりも、もっと土人さんだった可能性は十分あります(笑)。



これからは世界をリードしていくと宣言した習近平さん(笑)

さて、今年、私がまざまざと「夜郎自大」だと感じた国があった。

他ならぬ中国です。

中国がこれまでの国際秩序を塗り替えると表明 いよいよ米国と真正面から激突へ 2018.6.27 古森 義久

中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。(略)

習近平氏のこの宣言は、中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)で報道された。(略)

北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したという。この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていない。

今回の会議には、中国共産党政治局常務委員7人の全員のほか、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席した。(略)

習主席はこの会議で「中国は今後グローバルな統治の刷新を主導する」と宣言し、「国際的な影響力をさらに増していく」とも明言した。

まさに、( ゚д゚)ポカーン …を地でいく話です。

なにしろ、習近平は「アメリカに取って代わって世界のリーダーになる」と宣言したわけです。その中華版NWOを実現する道具として、巨大経済圏構想「一帯一路」や「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を位置づけ、さらに発展させるぞと。

彼はこの会議で「中国主導の新しいスタイルの国際関係は、誰にとっても『ウィン・ウィン』であり、互恵でなければならない」と演説したそうな。

たしかに、本当にそうしてくれるなら、それほど悪い話とも思えなくもない。

しかし、南シナ海での中国の振る舞いは「自国さえ良ければそれでよい」という姿勢ではないのだろうか。だいたい国内ですら、たとえば都市部と農村部との間で、又は共産党員と非党員との間で、「ウィン・ウィン」を実現できているだろうか。自分の国ですら実現できないことを、なぜ国際社会でできるなどと公言できるのか?

やはり、口先だけ。公然と美辞麗句のホラを吹く、中国のいつもの悪いクセです。そういう政治的な嘘・スローガンを吹聴するクセが染み付いちゃっているんですね。

例の「日中友好詐欺」と同じ。口では日中友好を唱えながら、裏では反日キチガイドラマで国民を洗脳し、政治の矛盾に対する怒りを外敵に反らせようとする。

これまでがこれまでですから、「互恵的な国際関係」なんて誰も信じないでしょう。

反面教師の中国に世界をリードする実力などない

もっとも、問題は中国が信用できるか否かではなく、そもそも中国に国際社会を主導して新たな秩序を作るだけの実力があるのか、という話です。

はっきり言って、あるわけねえだろ、という話です。

だから私は呆れているんです。もう、アホかと思いましたよ。

たしかに中国は世界第二の経済大国。そして、10年後か、20年後か、アメリカのGDPを抜いてもおかしくないと、専門家からも目されている。

しかし、GDPという経済規模だけで、世界をリードできるわけではない。

端的にいえば、そのためには「文明の質」で世界のトップレベルにいる必要がある。

果たして、中国は世界の人々が「手本」と見なすような国だろうか。世界の人々が「自分たちも中国のようになりたい」と憧れる国だろうか。

全然違いますよね? むしろ逆。中国は依然として反面教師みたいな国です。

たしかに物質的には豊かになったかもしれないが、一方で、民主主義はなく、当局が人々の言論の自由を取り締まり、平気でキリスト教の教会をぶっ壊す真似をする。

いや、本当の意味で物質的に「豊か」かどうかも疑わしい。たしかに、スマホや自動車などのモノは溢れているが、人間の生存にとって不可欠なのは、まず空気・水・食料です。中国の都市部は空気と水がマズい。というか、危険ですらある。食べ物も何を食わされるか分かったものではない。ある意味、もっとも基本的な物質が不足している。

出典:recordchina こんな国に誰が住みたい?

高層ビルが林立している光景が豊かさの象徴という思考は時代遅れです。それは開発途上国的思考といってもいい。今では「清浄な自然と地の食べ物」が豊富に存在し、かつ市民が自由で安全に暮らせるということが、真の豊かさの基準です。

中国はむしろ、「こんな国になりたくない」とか「こんな国に住みたくない」という順位で世界のトップに位置する国でしょう。

“中国中心の新たな国際秩序”とか、どんだけ悪夢なんだよと(笑)。

朝日新聞とその系列の媒体を見ていると、時々、「ネトウヨが反中なのは、発展した中国に嫉妬しているからダー」みたいな主張をドヤ顔でしている者がいる。

もうアホかと・・。いはやは、凄まじい勘違い。新聞記者や大学教授といったクラスの者がこういうトンチンカンなことを平気で書くから、朝日は馬鹿にされるのである。

国内から批判され始めた習近平、あと靖国神社参拝問題の超真相

はっきり言って、こういう救いようのない脳ミソをしている日本の親中左派の識者より、一般の中国人のほうがはるかに本質を見抜いている。

彼らは今、習近平のとんでもない勘違いぶりに驚いて、「おれたちはどうやらとんでもないアホをトップに据えてしまったようだ」と後悔し始めている。

習近平のブレーンとして、「国情研究院」の院長・胡鞍鋼(フーアンガン)という人物がいます。この人物が「中国の国力はすでに米国を上回っている」と盛んに唱えていた。

で、国を誤らせた人物として、今、中国の知識人たちがこの胡鞍鋼(フーアンガン)を批判し、辞任を求めている。しかし、真の標的は習近平その人です。

これは「指桑罵槐(しそうばかい)」なんですね。

「桑を指して槐(エンジュ)を罵る」・・・つまり、胡鞍鋼(フーアンガン)を批判しているが、本当は習近平を愚か者だと罵っている

元は兵法「三十六計」の一つですが、現代中国では政治闘争でよく使われています。

そういえば、中国が靖国神社の首相参拝を批判し始めたのは1985年8月15日からですが、これも中国内の政治闘争が関わっていた。あれは日本を非難しているようでいて、実際には胡耀邦に対する当て付けでした。それを知っていた中曽根さんは胡耀邦をかばうために参拝を中止しましたが、彼は失脚し、それが天安門事件へと繋がっていきます。

で、中国の長老部を唆したのが、朝日新聞と社会党の田邊誠委員長でした。それまで中国は、日本の政治家が靖国神社を参拝しようが、一切批判していなかったんです。

澄み切った青空と靖国神社 撮影:Takaaki Yamada

つまり、今にいたる「靖国神社参拝問題」という国際問題を作り上げたのは、本当は朝日新聞と社会党だったわけです。中国は彼らから知恵をつけられた側です。

しかし、本当はさらに「奥」がある。

私はこれがソ連のKGBの指令だと考えています。

一般には、南京大虐殺問題、731部隊問題、靖国神社参拝問題の三つは、事実関係はどうあれ、中国共産党の政治謀略であると信じる向きが強い。

違うんですね。今でこそ謀略を主導していますが、中国発ではない。彼らは後から「乗っかった」側です。本当の策源地はKGB。そして目的は日中離間。

(出典:産経新聞)

「中曽根――胡耀邦」時代といえば、実は戦後、日中がもっとも友好的だった時代です。朝日新聞や社会党(現社民党)は、口先では日中友好を唱えるが、本当に日中が友好関係を結ぼうとすると、ソ連の指令で、それを潰してきた。真性のクズです。

そういう意味で、本当は、朝日新聞こそ日中友好の最大の敵なのかもしれません。

ちなみに、その胡耀邦の名誉回復に着手したのが胡錦濤でした。

私は、2003年から13年までの10年間、中国を率いた胡錦濤は、地味だが名君の部類に属するだろうと評してきました。鄧小平の慧眼は確かに凄い。

話が反れましたが、習近平の中国こそ現代の「夜郎国」です。まともな頭をした中国人なら、「せっかく、あの鄧小平が『本当に実力が付くまでじっと雌伏していろ』と遺言したのに」と悔しがっているはずです。完全にアメリカに挑戦する形になってしまった。

中国が世界を率いるためには、経済規模だけでなく、政治、科学、学問、文化、ライフスタイル、あらゆる面でロールモデルとなる必要があります。ちょうど大戦後のアメリカのように。ジョセフ・ナイはソフトパワーという概念を唱えましたが、端的にいえば、古代のアテネや中世の唐帝国のように周辺世界の人々が「憧れ」を持つような国になることができるのかという話です。中国にまだそんな実力などないことは自明の理。

日本の一部の識者は、「一帯一路」のような構想に惑わされて、やたらと習近平を偉大な指導者であるかのように誉めそやしてきました。

彼らはとにかく「人を見る目」がない。

私は前々から、共産党支配は「威信」を失ったら瓦解する、習近平はラストエンペラーであると主張してきました。いずれ人民と地方勢力が反逆するでしょう。

Takaaki Yamada: