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缶詰が代替通貨や資産になる日

撮影:Takaaki Yamada

みなさん、こんにちわ。

2019年の年明け早々1月3日、熊本県で震度6弱を観測する地震が発生しました。そしてつい先日、北海道で近い規模の地震が起きました。

ご存知の通り、この二つの地震には「近年において少し以前に大きな地震が起こったところ」という共通点があります。

日本列島の北と南の端っこのほうで、このような現象が突発しています。

思えば、私は2018年が平穏な年だったかのように先日書きましたが、いささか被災地の人たちに対して無神経だったかもしれませんね。

とくに7月には記録的な西日本豪雨が起こり、広島県の特定の地域を中心として200名を超える方々が犠牲になりました。

我ながら「関東目線」の無神経さが嫌になります。



3千万人が暮らす首都圏の食糧供給体制の弱点

ところで、どうもその関東地方が危なくなりつつあるようです。

村井俊治東大名誉教授といえば「MEGA地震予測」ですっかり週刊誌・夕刊紙などの顔なじみになりました。村井氏は国土地理院が全国に置く約1300の電子基準点のGPSデータを集め、各地域がどの方向に何センチ動いているか等を解析する手法で、日本列島の地震の前兆を探っている学者です。今現在、関東地方が要警戒地域と警告しています。

3・11の時、靖国通りにある都心のコンビニの飲料・フード棚が、その日の夜にはすっからかんになっていたのを見て、驚いたものでした。

出典:広島県呉市・池田寿生さん。これは「3・11」の時ではなく、2018年7月の西日本豪雨の際、空になったコンビニの棚の光景。

私みたいに「豊かな日本」しか知らない世代だと、あの光景は結構衝撃です。と同時に、現代の高度な飲食水準を支えているシステムの脆弱さにも気づかされました。

もし関東大震災が起きれば、どうなってしまうのでしょうか。

3千万の人口を抱える首都圏は、山々に囲まれ、物資の供給を周辺に頼っています。東京湾の港から降ろされる食糧やエネルギー資源は、東京や神奈川の生命線です。

被災によって交通網が寸断されれば、瞬時にして物質は消費され尽くしてしまうと考えられます。スーパーでもストックはせいぜい数日分だそうです。

しかも、復旧すれば何もかも以前の水準に元通りというわけにはいかないはずです。

震災後、日本は超円安・インフレになる可能性が高い。ちょうど、1ドル360円時代逆戻りしたかのようになる。エネルギー価格は高騰する。現代はエネルギーなしでは食糧の生産はできない。食糧の生産、加工、流通の各段階において、石油・電力の投入が不可欠です。だから最悪の場合ですが、一時「準食糧危機」の到来もありえる。

なぜ「缶詰・レトルト食品備蓄」がお勧めなのか?

そのピンチにあって、有効な対策は何でしょうか?

私は「缶詰・レトルト食品を備蓄すること」ではないかと思います。

しかも、五個や十個の話ではなく、「箱買い」レベルです。

これなら災害時とインフレ時の両方の危機に対応可能です。

缶詰やレトルト食品一つあれば、その日一日の命を繋ぐことができます。時と場合によっては、もっとも貴重な「実物資産」となりえます。

しかも、調理の手間がいらない。フタを開ければ、すぐにお腹を満たせる。

手軽に「ホカホカおかず」にもできる。皿に移してレンジするのはもとより、邪道ですが、ちょっとだけフタを開けて、そのままガスの弱火にくべる方法もあります。

缶の内側から有害成分が溶け出して、摂取してしまう可能性がありますが、非常時にはそんなことを気にしていたら生きていけない。

だから、とくにお子さんのいらっしゃる世帯にはお勧めかもしれません。もちろん、賞味期限があるので、備蓄のタイミングまでは自己責任でお願いしたいですが。

ところで、賞味期限は、イコール消費期限ではありません。

実は、私は個人的に備蓄して何種類か「実験」していますが、巷間の肉や魚の缶詰又レトルト食品は、賞味期限が2年過ぎても大丈夫だと思います。冷暗所に保管しておけば、味もほとんど変わりありません(私が鈍いだけかもしれませんが・・)。

今回、改めてスーパーなどで缶詰をしげしげと見ましたが、結構楽しい。

非常時には宝の山に?

まず魚介類・・・サバやイワシの缶詰、ツナ缶、貝やカニ類など。

肉類・・・やきとり、スパム、コンビーフ、牛肉大和煮など。

デザートやフルーツ・・・ゆで小豆、みかん、パイナップル、黄桃、白桃など。

穀類や野菜・・・コーン、煮豆、トマト、アスパラガスなど。

カレーはレトルト食品のほうがメインですが、缶詰もあります。

このようにバラエティに富んでいて、米と缶詰・レトルト食品さえあれば、3ヶ月やそこらは結構食事を楽しみながらのサバイバル生活も可能なのではないかと思えてきます。

缶詰が非常時の「通貨」になる?

現在、肉・魚の缶詰やカレーのレトルト食品は、大半が一個百円程度です。

百個買っても、たかが一万円。しかも、インフレになれば、その一個が近い将来、千円また千円分の価値に化けても不思議ではありません。とすると「投資」としても魅力かもしれない(私はあくまで生活防衛策としてお勧めしますが)。

単純に家計が助かるだけでなく、一時的には「ぜいたく品」になるかもしれません。

以前、アメリカの刑務所でラーメンが「通貨」になっているという話題がありました。また、ハイパーインフレが続くベネズエラでは「卵」がそうなっているそうです。

私は、日本だと、その役割を果たすのは缶詰ではないか、という気がします

たしかに、この形はなんとなく貨幣っぽいものがある(笑)。

非常時には、米や野菜や燃料、各種サービスと交換できそうな気がします。

日本は、米だけは、ほぼどこでも獲れます。埼玉や千葉のほうでは消費地と近接している稲作地が少なくない。関東定住者でも、缶詰さえあれば米が手に入ると思います。

大震災による円の暴落、生産力の打撃、財政破綻が重なれば、一時的ですが、もしかすると次のような光景があちこちで見られるようになるかもしれません。

「報酬は1万円ではなく10鯖缶でお願いします」

缶詰が「通貨単位」になるという状況です。

仮に10万円で1千缶を買っておいたら、もう「金持ち」ですね。

賞味期限がだいたい3年後であることを思うと、今買ったモノは、2024年くらいまでもつわけです。5年後には宝の山になっているかもしれませんよ。

そうでなくとも、備蓄は決して損になりません。何事もなく賞味期限が来たとしても、食べたり、おすそ分けしたりすればいいだけの話ですから。

 

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Takaaki Yamada: