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この世はすでに「メタバース」であり「セカンドライフ」である

前回は、この世界はエネルギーの振動から成り立っているという、最新の物理学の有力な説を紹介しました。

そこから、「もしかしたら、この世は“情報世界”であり“仮想現実”かもしれませんね」という推論にもって行きました。

そういえば、2006~08年頃にかけて、米企業の「セカンドライフ」という3Dオンラインゲームが世界的に大ヒットしました。

日本でも一時的にブームになり、大企業が次々とバーチャル空間内に“出店”したことでも話題になりました。

もっとも、広大な仮想世界を謳い文句にしたところで、ユーザーにしてみれば、しょせんは「対画面」の参加でしかなく、本当にその世界の中に浸れる現実感はありませんでした。

そういうわけで、「セカンドライフ」は一時のブームで終わり、今ではすっかりその仮想空間も過疎化しています。

しかし、近年、VR技術が急速に進歩してきました。

仮にリアルな仮想世界の中での「インナー体験」が可能になると、人間の感覚器官(少なくとも視覚と聴覚)が、そこが現実であるかのように錯覚してしまうことは十分に考えられます。

そうすると、高度なVR技術に基づいた「セカンドライフ」的なMMORPG (Massively Multiplayer Online Role-Playing Game:マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロールプレイング・ゲーム)が再び脚光を浴びる日が来るかもしれません。



メタバースが登場したけれど・・・

以上のことを、私が「アクエリアス・バイブル」という今は亡き精神世界専門サイトに書いたのは2016年のことでした。

今にして思えば、サイトを廃止しなければよかったわけですが、実は、最近、この「フリー座」サイトに載せている記事は、そこのコンテンツの再投稿です(笑)。

だから、この文章は「現時点割込み」みたいなものです。

言ったように、「セカンドライフ的なものが再び出てくるんじゃないか」と思っていたところ、2020年代に入り、今度は「メタバース」(Metaverse)が現れました。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが社運を賭けた事業であり、同社は社名まで「メタ(Meta)」に変更するという力の入れようです。

メタバースは、かつてのセカンドライフと同じように、オンライン上の仮想空間であり、人々は「アバター」という仮想キャラになって、そのコンピュータ上の3D世界で戯れることができます。

かつてのセカンドライフとの違いは、VR(仮想現実)の端末を使い、AR(拡張現実)などの最新テクノロジーを存分に活用していることです。

大きな話題になり、次々と企業が参加しましたが、今ではそれほど話題になっていません。

私的には、メタバース事業の初期に「いかにも”アメリカン”な、ダサい、イケてない、野暮ったいアバターデザイン」を見た瞬間に、「あっ、これは日本人に嫌われるわw」と直感しました(笑)。

日本人はやはり「どうぶつの森」みたいな”かわいい”デザインでないと駄目なんですね。

別にそれをアバターにすることはできるんですが、しかし、メディアが大々的に取り上げていた頃の、あの最初の「アメリカン的アバター」の印象はそう簡単には消えません(笑)。

ああいうのがイメージとしてこびりついてしまうと、相当マイナスですね。

というわけで、「メタバース」について一通り感想を述べたところで、以下からまた2016年時点の地の文に戻ります。

サイババさんいわく、私たちが現実と思っているものの正体は・・・

ここから、実は私たちが現実世界と信じ込んでいるこの世界も、実は人間の感覚器官によって生じている一種の錯覚ではないか、という仮説も思い浮かぶわけです。

つまり、私たちはすでに「セカンドライフ」内にいる、もしくはその中で生きている、というわけですね。

そういう意味で、「セカンドライフ」という仮想現実は、本当は「サードライフ」と称するべきなのかもしれません。

サイババさんも次のように言っています。

夢のなかで、あなたは多くの光景を見、さまざまなことを経験しますが、それが本当だと思っている時間はどれくらい続くでしょうか? 

それは、あなたの夢が続いている間だけです。

夢が終われば、何もかも非現実のことになります。

同様に、あなたの苦難、損失、心配、悲しみなどは、あなたの心が錯覚のなかにある期間だけ現実のものです。

錯覚が去れば、全部非現実のものになります。

そのとき、何もかもあなたの心が作り出した夢の城だったことが判明します。

『サティア サイババ ブリンダヴァンの慈雨』(P175)

この世も人生も、実際は「夢」に過ぎないというわけです。

おそらく、ほとんどの人は、この肉体を去った時に気づくのでしょう。

「なんだ、私がいたのは『セカンドライフ』だったのか」と。

Takaaki Yamada: