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マックは「クォーターパウンダー」の「リッチ化オプション」を設けてほしい

最近、マクドナルド関係の記事が相次いでいますが、この際なので、私も一マクドナルドファンとして是非とも意見させていただきたい。ただし、経営ではなく味について。

私はマクドナルドが好きでよく利用する。ハンバーガーはむろんのこと、同チェーン独特のフライドポテトやマックシェイクやアップルパイなども大好物である。

ただ、ファンだとしても、商品に関してまったく不満や要望がないわけではない。消費者のワガママと聞き流してもらっても結構だが、とりわけ「本格派バーガーがもっと気軽に食べられたら」という想いは以前から燻っている。

私は過去十年におけるマクドナルドの大きな成功の一つが「クォーターパウンダー」の定番メニュー化だと信じている。4分の1ポンド(≒113グラム)のパテが登場したことで、それまでのハンバーガーとしての貧相さ・肉のボリューム感のなさが一挙に解消された形となった。とりわけ「W」の「ビーフをがっつり食べた感」は凄い。私のように、クォーターパウンダーの登場で、またファンとして戻ってきたという人は結構多いのではないだろうか。以来、マクドナルドに入ると、パブロフの犬のように「クォーターパウンダーと他の何かのバーガー」を注文するのが私の決まりになっている。



本格派にやや届かないマックの「クォーターパウンダー」

しかしながら、これが“本格派バーガー”かというと、「うーん」と首を傾げざるをえないのも事実である(*一ハンバーガー・ファンとしての脳内定義なので、あしからず)。というのも、今ではアメリカのマイナー店や独自店舗が都内で様々な本格派バーガーを提供しているが、やはりクォーターパウンダーよりも様々な点で優っているからだ。つまり、バーガラー(*造語)としての勝手な主観で言わせてもらえば、現状のクォーターパウンダーでも、残念ながらまだ「準本格派バーガー」の域なのである。

「ならマクドナルドなんてやめてそういう特定店で本格派バーガーばっかり食べてりゃいいじゃないか」と突っ込まれるかもしれないが、場所も限られているし、何よりも庶民感覚からすれば値段が高すぎるのである。私がたまに利用するのは秋葉原、上野、人形町などの店だが、ハンバーガー1個にポテトやソーダ類などが付いて千円くらいする。で、なんとなく物足りないので、結局は別の一品を注文する形になり、なんだかんだで1500円オーバーになってしまう。「それで高すぎるなんて、どんだけ底辺なんだよ、プハハハハ…」という嘲笑はこの際甘んじて受けよう。ともあれハンバーガー1個にその他付録で千円もしてしまうというのが、今のところ「本格派バーガーの常識」に近い。

だから、味的にも価格的にも、特定店で食べられる本格派バーガーと、マックのクォーターパウンダーの、ちょうど間くらいの商品があってくれるとありがたいのだ。価格でいえば、だいたい500円から600円くらいだろうか。しかも、気軽に、日常的に、食べたい。だから、都心のバーガー・レストランではなく、チェーン店でなくてはならない。

バーガラーの私としては、この点をマクドナルドさんに期待したいのである。厳密には、他のチェーンの高級バーガーとして、無いわけでもないが、何か物足りないし、出店も少ない。やはりここは業界の巨人に動いて欲しい。個人的な要望であるが、一方で、比較的安価であれば、市場のニーズは高いと確信している。

今のところ二つの解決策が考えられる。

第一に、クォーターパウンダーを超える新商品の開発である。ただ、この領域になると、もはや素人の私の出る幕ではない。思い切って100%ビーフへのこだわりを捨てて、ミックスミートも平行して揃えるなどの柔軟性があってもいいと思うが、プロの商品開発の領域だから、これ以上、素人の私が口出しするのもおこがましい。

第二に、現状のクォーターパウンダーのリッチ化である。

クォーターパウンダーに野菜を足すだけで別次元になった

実は、ここからが本題である。

言ったように、クォーターパウンダーの「ビーフをがっつり食べた感」はいいのだが、実はここで消費者の好みが大きく分かれていると思うのである。つまり、それで満たされるという人と、逆に肉ばかりで物足りないという人である。私はどちらかというと後者だ。現状のクォーターパウンダーには、わずかなタマネギとピクルスがあるだけで、ほとんど「肉とパン」だけを食べているような気にさせられる。実は、この点こそが同バーガーを本格派ではなく準本格派だと感じてしまう主因だと考えている。

私はなんとなくそれを不満に思い始めた。そこで、なんとなくテイクアウトしたものに勝手に野菜を足して食べ始めたところ、思いもよらない結果になった。なんと、驚くほど味が改善したのである。調理に詳しい人なら常識なのかもしれないが、素人の私にとって、ちょっとした変更で味がガラリと変わってしまうのは、新鮮な発見だった。たとえば、生タマネギを現状の倍にするだけで、肉臭さが大幅に軽減され、従来とは別物といえる味になる。ただし、増やしすぎると、今度は肉の味が分からなくなってしまう。

こうして、私はクォーターパウンダーをテイクアウトする度に、輪切りトマト、アボガド、スライスタマネギ、きゅうり、レタスなどの生野菜を次々と付け足してみた。適当だが、組み合わせや量も変えてみた。マヨネーズ、てりやきソース、しょう油、味噌、焼肉タレなども加えてみた。いつしか、実験のために、クォーターパウンダーを三つ買ってきて食べるようになった。気まぐれから始めたことだが、思わぬ発見の連続になった。最近ではフルーツやベリーソースやジャムまで試し始めて、意外にうまいことを知った。

一般的にいえば、例示した生野菜やソース類は、何をどんなふうに組み合わせて追加しても、だいたいおいしくなる。ただ、もっとも味を向上させるのがトマト(青くない完熟タイプ)であることが分かった。真っ赤なトマトの輪切りを挟むだけで、現状のクォーターパウンダーはまったく別次元になる(ただしケチャップは抜かないほうがいい)。

と思っていたら、最近、マクドナルドでも同じことに気づいたのか、プラス40円ですべてのハンバーガーにトマトをトッピングできるサービスを始めたようだ。

その他にも、試行錯誤するうちに「アボガド」を挟んで「マヨしょう油ソース」をかけると、クォーターパウンダーが絶品になることも分かった。一般的には、どんな野菜であれ追加してマヨネーズソースを少しかけると、フレッシュ感がぐんと増し、見た目も美しくなり、味もグレードアップするようだ。また、野菜の汁がジューシーさに繋がり、ウェルダン肉のパサパサ感がほとんど解消されることも分かった。他方で、てりやきソースや焼肉タレは、たしかに「おいしく」なるが、一方でビーフ味の純粋さを損ない、エセ臭くなる欠点もあるようだ。その点、しょう油と味噌は少量ならビーフ本来の味を引き立てる。ただし、こういったソース類の追加については、かなり好みが分かれると思う。

以上のように、実際に試してみた結果、今あるクォーターパウンダーをベースにして「野菜やソース類を付け足すだけ」で、やりようによっては「本格派」と呼べるレベルにまでグレードアップできることが分かった。これならば、現状の商品を残したまま、オプションとして導入できるので、マクドナルドさんとしても試験販売しやすいはずだ。野菜類の原価を考えると、費用対効果は高いのではないだろうか(その分、手間コストが増えるかもしれないが)。また、味自体の向上に加え、サラダを単体で注文したくはないがそれでも野菜は補給したい、という消費者のワガママを満たしてくれるのもありがたい。

クォーターパウンダーの“オプション化”の向こうに広がる可能性

ちなみに、クォーターパウンダーにさらに分厚いベーコンを載せた限定メニューが過去に出たそうだが、私は食べ損なったので、何とも言えない。もっとも、ただでさえ「肉臭い」のに、分厚いベーコンを加えるのはどうかという気がする。肉が「ウリ」のものに別の肉を足しても、「過ぎたるはなんとやら」である。月見や薄いカリカリベーコンならまた違ってくると思うが(試していないので、何とも言えない)、やはりクォーターパウンダーのリッチ化の基本は「生野菜とソースの追加」にあると確信している。

さて、いずれにしても、「気軽に最高級バーガー」「気軽にグレードアップ」をキャッチフレーズにでもして、従来のクォーターパウンダーとWクォーターパウンダーに、プラス100円くらいで「プラスベジタブル」の選択肢を設けてほしいのである。いや、なんとか「W」で「プラスベジ」にして「590円」くらいに抑えてもらえないだろうか。全国の舌の肥えたバーガラーの皆さんがどう思うか分からないが、少なくとも私は、このオプションを「最安値の本格派バーガーの登場」として歓迎する。

その他、プラスベーコンベジ、プラスエッグベジなどのリッチ化手段もある。パイナップルを使った「ハワイアン」や、日本各地の食材を用いた「ご当地オプション」があってもいい。「プラス魚介類」も考えもの。ベースとなるクォーターパウンダーがしっかりしているので、やりようによっては無限の可能性がある。いっそうのこと、「クォーターパウンダー・オプション専門店」があってもいい。サブウェイみたいに、具のチョイスができるシステムもいい。もっとも、この辺はプロにお任せしよう。

また、これが定番メニューになれば、マクドナルドは「100円バーガー」から「本格派バーガー」までを揃える最強チェーン店になる(マクドナルド的にはクォーターパウンダーが「本格」の位置づけなので、あまりこの表現は好まないだろうが)。私はコンサルタントではないので、ラインナップを広げることがマックの救世主となるか否かは保証できないが、やはり「バーガー屋」としては、小細工抜きにハンバーガーを極めることが王道ではないかと、一マックファンとして思うのである。

2015年10月25日「アゴラ」掲載

(再掲時付記:つい先月でしたか、マクドナルドは「1971炙りジャパン醤油」「1955スモーキーアメリカ」を期間限定で発売していました。これなどは実質的に「クォーターパウンダー」の「リッチ化」に近かったように思います。個人的に「炙り醤油」のほうは、たいへんおいしかったです。牛肉と醤油はよく合いますね。トマトの輪切りはもっと厚いほうがいいと思いますけど。業績も改善したとのことで、本当によかったと思います。)

Takaaki Yamada: