トランプ大統領は、国際社会の批判をかえりみず、エルサレムをイスラエルの首都と認めました。さっそくアラブ各地でデモ・暴動が発生していますが、トランプ政権は現状を追認したものにすぎないとして決定を翻すつもりはありません。
アラブ諸国すべてを敵に回すことが分かっていても、選挙中の公約を実行する・・。また、口に出したことは必ず実行する・・。まさにトランプ氏は有言実行の男です。
すると、彼が北朝鮮を攻撃しない、ということがあるだろうか。
なにしろ、彼が一番多く「有言」してきたことです。
先の韓国の国会での演説が、それまでの対北談話の集大成であることは述べました。
「1990年代には、100万人以上の北朝鮮人が飢餓で死亡しており、さらに多くの人が今日も飢えで死に続けています。」
「5歳以下の子どものうち30%近くが栄養不良による発育不全に苦しんでいます。推定10万人の北朝鮮人が収容所に入れられ、強制労働をさせられ、常に、拷問、飢え、レイプ、殺人に耐えています。」
「北朝鮮はカルトに支配された国です。この軍事カルトの中心にあるのは、指導者は征服された朝鮮半島と奴隷化された朝鮮人民を親のような保護者として支配する運命にあるという錯乱した確信です。」
「この危険にともに立ち向かうことはわれわれの責任であり、義務です。なぜなら、長く待てば待つほど、危険は大きくなり、選択肢は少なくなるからです。」
このように、北朝鮮はもはや単なる敵ではなく、「人類に対して犯罪をおかす道徳的悪者」という烙印を押されている。平たくいえば、ナチスの同類という扱い。
「11・8演説」は、「アメリカの対北朝鮮戦争の正当性」を全世界にアピールすることを狙って、非常によく考えられた構成になっています。
相手が疑いようのない「絶対悪」であること。
アメリカはこれまでそんな相手にもチャンスを与え、ひたすら忍耐してきたこと。
一方的に約束を破り、攻撃を仕掛けてきたのは、常に相手側であること。
アメリカはその「被害者」であること。
しかし、事ここに至っては、座視できないこと、等など。
アメリカの対北戦争の正当性にいかなる疑問も差し挟む余地がないほど、上手な論理の流れになっています。相手が「自国民を苦しめ、他国を脅す道徳的な犯罪者である」という点は、戦争する上で「最強の大義名分」になります。
果たしてトランプ大統領が「北朝鮮に関してのみ有言実行しない」ということがあるだろうか。あ・り・え・な・い。だから、問題は「戦争になるか否か」ではなく、「それがいつ起きるか」ということ。そしてそれは切迫している・・・。
戦争はいつ起きるのか?
私は一つの説として、「12月10日~20日の間」を提示しました。
すると、ごく最近、米軍や情報関係筋に強いコネクションのあるジャーナリストの加賀孝英氏から次のような情報が発せられました。
米の北朝鮮攻撃Xデーは12・18前後か 最強ステルス戦闘機「F22」投入の狙いは?
(前略)驚かないでいただきたい。今、次の極秘情報が流れて、各国の情報当局関係者が極度に緊張している。《米国は、北朝鮮が平和的解決を拒否したと判断した。トランプ氏がついに『北朝鮮への予防的先制攻撃』(正恩氏斬首作戦)を決断し、作戦準備を命じた。第一候補のXデーは12月18日、新月の夜前後》
ただ、上の出所はミリタリーインテリジェンスなんですね。
すると、これは北朝鮮を罠に嵌めるための工作という可能性も考えられる。
「いよいよアメリカが先制攻撃してくる!」と金正恩らに信じさせるわけです。
すると、彼らは恐怖に駆られ、冷静な判断力を失う。そして、
「どうせ殺されるなら、我が国のほうから先に撃って出て、少しでも多くの敵を道連れにしてやる!」と、覚悟を決めるかもしれません。
敵が先制攻撃してくるなら、その機先を制しようと考えるのは自然なことです。
つまり、これは北朝鮮の先制攻撃を誘うための情報工作というわけです。
そういえば9月頃にも『週刊現代』を通して同様の情報が流されていました。
アメリカ的にはなんとか相手から先制攻撃させたいのでしょう。これはアメリカが戦争をやる時のいつもの手口で、前の対イラク戦争はむしろ例外といえる。
アメリカにしてみれば、北朝鮮の先制攻撃により、開戦の大義名分が完成する。
なぜなら、仮にソウルが破壊されても、また核兵器で朝鮮人を虐殺する結果になっても、すべて北朝鮮のせいにできる。ちょうど、日本帝国に対してそうしたように。
ところで、「クリスマス以降から年始」説も今、巷間を駆け巡っています。
いきなり在韓アメリカ人を国外退避させれば戦争の合図になってしまうため、クリスマス休暇を装ってナチュラルに退避させるというわけです。
とくに在韓米軍の家族の帰国はすでに決定したようです。リンゼー・グラム上院議員が「退避させるべし」と訴えましたが、実際にはそれ以前に決まっていました。
すると、グラム上院議員は、世界支配層の仲間内に向けて広報したのかもしれません。
関連記事「ロックフェラーがついに第二次朝鮮戦争のサインを発したか」
このように、クリスマス以降から年始――とくにトランプ就任二周年目のハレの日までの間というのも、開戦の時期として有力です。
アメリカが厳寒期に開戦することの戦略上のメリット
私は一年以上前から、アメリカがエアシーバトル主体で戦争すること、この戦争では核兵器が使用されること等を訴えてきました。
今では核戦争になる懸念は朝日新聞や左派までが認めています。
ところで、エアシーバトル主体なら、100万以上もの北朝鮮の陸軍をどう始末するのか。戦時作戦統帥権は米軍が有するので、韓国陸軍を使うことができます。
米軍はせいぜい一部の海兵隊と特殊部隊。地上部隊の大軍は投入しません。
しかし、どうも韓国軍がアテにならないようだ。ここで血を流さなければ北朝鮮は中国のものになる可能性があるが、韓国人はそういうことが分からないらしい。
韓国は、日露戦争の時も日本との同盟を選択せず、傍観者に徹した。それで日本がロシアに勝つと、「日韓が対等合併してウリも一等国民にしてくれ」などと請願してきた。
私はアメリカが「冬将軍」を使うつもりではないかと思う。
当時最強のナポレオン軍やナチスドイツ軍さえも壊滅させた凍てつく冬。
米軍は開戦と同時に北朝鮮のエネルギーインフラを破壊する。
しかも、朝鮮人民軍は、昔と違って、寒い夜に焚き火を起すことさえできない。そんなことをすれば北朝鮮全土をカバーする無人機ネットワークに探知され、たちまちミサイルが降ってくる。だから、1~2月には、飢えと寒さで次々と死ぬか、降伏するだろう。
戦わずして北朝鮮の巨大陸軍を壊滅させる方法です。
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アメリカが戦争するのは通常兵器の在庫処分のためですから、戦わずして勝つ戦法は絶対にないはずです。相手が北朝鮮のような小国であればなおさらです。従って開戦は春以降、米中露各国のスケジュールの合間ということになりそうです。