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人が現実世界とバーチャル・リアリティを行き来する時代へ【VR】

みなさん、こんにちわ。

昨年はVR(バーチャル・リアリティ)元年でした。

文明の発達とフィクションの消費量はほぼ比例する。文明が発達すればするほど、人は仮想現実へと傾斜していく・・これは私の持論です。

人間は本能的に疑似体験を欲します。疑似体験をするために生まれてきた、と言ってもいい。信じ難いかもしれませんが、これには宇宙創造の秘密が関わってくる。

神は自身の戯れのために、この現象世界を創造するパワー「シャクティ」と、その世界を意識する知性「チット」の二極を生み出しました。

前者は楽しみを作り出し、後者はそれを楽しむ・・究極的にいえばたったそれだけのことです。今風にいえば、ゲームクリエイターとゲームプレイヤーの関係です。

小さな神様である私たちも、その縮小版をやっています。

それが、演劇、小説、絵巻、マンガ、アニメ、映画、ビデオゲーム、等などです。これらはすべてフィクションを疑似体験する方法であり、その手法が異なるだけです。

人間は古代から演劇や文学を創造して、それに親しんできました。すべては疑似体験のため。そして、技術の発達に伴い、物語の手段も増えていった。

つまり、自分で「物語」(仮想世界)を創って、自分で楽しむ・・・それだけです。神様と私たちとの違いは、神は宇宙規模でそれをやっているということです。

だから、分かりますよね? 私たちが何でこの世に生まれてきたのか。

私たちは自分で創った世界を楽しむために生まれてきたのです。しかも、わざわざ記憶を消してまで。これで最高に“ゲームプレイ”が楽しくなるわけです。

私たちはなぜ生きているのか、なぜ今ここに存在しているのか、という疑問を持った時で結構ですから、上の話を思い出してください。

私の人生はちっとも楽しくない、苦しいだけだ、悩みがたくさんある、という人も多いでしょう。しかし、あなたは本当に“苦しい”のだろうか? それとも、ゲームの世界の中で“苦しんで”いて、それを本当の苦しみと錯覚しているだけではないのだろうか。

実際はそれもまた“疑似体験の醍醐味”です。ホラーゲームがミリオンセラーになっていますよね。あれは「恐怖体験もまた楽しい」ということです。



ビデオゲームはアウターからインナーへ

というキチガイ話(笑)はこれくらいにして・・。

本題に入ります。VRゲームがこれから益々凄くなっていく、そして私たちはその楽しさと実用性に益々のめり込んでいくに違いない、という話題です。

VRヘッドセットの「Oculus Rift」「PlayStation VR」が本格始動しました。

これには「ジャイロセンサー」と「加速度センサー」が付いていて、頭を傾けた時の3D座標とそのスピードが分かる仕組みなんですね。

で、CPUの高性能化で、違和感のないほど画像の追随タイムが短縮された。これで、頭を動かした時に、瞬時に眼前の“世界”も動く仕組みです。

そして最新のグラフィックスがこれ。

出典:This is NOT Real Life! The Future of Gaming Never Looked so Good « 2017 Futuristic Game Engine Tech

出典:Create a Photorealistic World in UE4

もうほとんど現実と変わりありませんね・・・。

かくして、ゴーグルの視界の向こうには、コンピュータが作り出した限りなくリアルに近い無限の3D世界が広がっている。

ヘッドマウントを装着することにより、最低限、視覚と聴覚さえ“騙す”ことができれば、あたかも3D世界の「中」にいるかのような錯覚を楽しむことができます。

これからはこの「3D世界没入型」がビデオゲームの主役になっていきます。

どうやって“動き回る”か?

たしかに、目と耳を騙すだけでも、かなりの没入感があります。

しかし、じっと坐ってプレイするのも、なんだかつまらない。立ってプレイもできますが、その場で飛んだり撥ねたりするだけで、歩き回れない。移動感がない。

せっかくのリアルな世界の中を歩かせろよ、と思います。

これはグーグルVRにも当てはまります。360度視界のGoogleストリートビューと、ダンボール製の簡易型のVRヘッドCardboardで、今ではかなりの地域をVR散歩できますが、身体を動かして歩き回れるようにしてほしいんですね。

しかし、実際の歩行と連動させるにはどうしたらよいか。

これが難しい。その場で「足踏み」しているのもなんだか歩行感がいまいち。やはり、実際に歩いたり、走ったりしたい。私個人的には、身体の向きや足の動きを自動的に検知して走行ベルトを合わせてくれるルームランナーとかを考えていました。

しかし、これは大げさで、コストのかかるシステムです。

世の中には天才がいました。

出典:ARMA 3 in VR – Cyberith Virtualizer + Oculus Rift + Wii Mote = REALLY EPIC

これは靴下姿で、つるつるした板の上を滑るようにして「歩行」を再現するというアイデア。腰周りのリムから身体を吊るしているため、坐ることも可能。

まさに発想の転換ですね。これなら、ルームランナーを応用した機械よりも、はるかに単純で実用的です。畳の部屋でもオーケーですね。

ただ、私的にはこっち(↓)のほうが少しいい気がします。

出典:Omni: Real Battlefield Place [ Future of Gaming in the world ] 出典:Omni: Real Battlefield Place [ Future of Gaming in the world ] https://www.youtube.com/watch?v=j3vHv4lNvg4

これはセンサーの付いた専用シューズをはいて、おわんの中を滑るタイプ。脚が勝手に底のほうに戻っていくので、ただ平面を滑るよりも、自然な歩行に近くなります。

腰周りにリムのない「上から吊るすタイプ」(↓)だと、より身体の動きが自由かもしれません。ただ、このレベルになると、かなり業務用っぽくなります。

出典:Top VR Treadmills Virtual Reality Locomotion

その他、馬に乗って旅をする「Hashilus(ハシラス)」という作品もあります。これは動く鞍を使用する形ですね。

というわけで、坐ったり、ただその場に突っ立ったりしているだけでなく、3D世界の中を自らの足で歩き回りたい。そういう願望を叶えてくれそうな器械でした。

これから「VRプレイ専用室」が自宅の標準装備になる

さて、今ではこういうアミューズメント施設も出来つつあります。

([NEWS] 世界初! 全身で体感する 施設型VRアトラクションが登場)

「インナー体験式」のビデオゲームは今後、当たり前のものになっていきます。それどころか、ビジネスや暮らしすらも変えていくでしょう。

まあ、あと2、3年もすれば、そこら中の家で、人がヘッドセットを付けて“走って”いる熱いドタバタが普通に見られるようになるでしょう。

ただ、やや場所をとるのも確かなんですね。

PS VRだと、「快適に遊ぶための推奨スペースは、プレイヤーがPS Camera から約1.5m離れたところに座った状態で縦3m x 横1.9m」と説明しています。

出典:http://www.jp.playstation.com/psvr/

タタミ二畳分くらいでしょうか。

眼前にプレステ本体とテレビディスプレイも設置するスペースもいりますから、ほとんど一室を要する形になります。よって、これからVRゲーム(あるいは用途がゲームに限らないのでプレイ)のための専用室の設置が常識になっていくかも。

また、将来的に格安の「フィルムディスプレイ」が開発されたら、壁の四面、あるいは天井を含めた五面、もっといえば床まで覆った六面の「画面部屋」が登場するかもしれない。周囲がすべて画面であれば、ヘッドセット不要タイプのVRも可能かもしれません。

これはほとんど「別世界室」でしょう。自宅の椅子に坐りながらにして、森林の中、外国の街中、さんご礁の海中、南極、砂漠、宇宙空間・・と、どこにでもトリップできる。当初は富裕層の贅沢から始まるでしょうが、中流にも広がるかもしれない。

周囲の景色が一瞬にして海の中になることも

VRの没入感に関していえば、次世代型では、視覚と聴覚だけでなく、嗅覚・味覚・体性感覚をどうやって再現するかの研究が盛んに行われている。

リアルなビジュアルと、その中での歩行は可能になりつつある。あと、グローブやスーツを使うと、掴む、触る、触れられる、ことが可能になっている。

3Dのその先という意味で「体感型(4D)」の劇場上映システムが普及し始めています。たとえば、上映シーンとリンクして、座席が動いたり、風が吹いたり、匂いを出したり、水(ミスト)や煙を出したり。家庭用ではなかなかそこまでのアトラクションは無理ですが、エアコン連動や単純な匂いの発生くらいは何とかなりそうです。

そういうVRシステムで、MMORPG(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロールプレイングゲーム)を普通にやれるようになったら、もう人類は現実世界とは異なる“別の世界”を創ったも同じです。そこに当たり前のように出入りする毎日。

しかも、言ったように、このイノベーションはゲームだけに留まらない。

オラ、わくわくすっぞ。

さらに「その先」があるとしたら、これ(↓)。

短編『電脳の楽園』 オール讀物推理小説新人賞 最終候補作
みなさん、こんにちわ。 西村京太郎、赤川次郎、逢坂剛、宮部みゆき、石田衣良、朱川湊人、門井慶喜・・といえば、いずれも小説家として大変有名な方々です。 実は、ここに挙げた錚々たる顔ぶれにはある共通点があります。それは「オール讀物推理小説新人賞...

脳に直接信号を送って、脳内でVRを再現する時代。

五感すべてが完璧に錯誤されるようになるかもしれません。

実は、アメリカではすでに研究が進んでいます。こうなると、現実社会とバーチャル世界を行き来するうちに、どちらがどちらだか分からなくなるかもしれない。

そして最初の話に戻りますが、人類は気づくようになる。私たちが現実世界と信じているものは、実は神様が作ったバーチャル・リアリティじゃないのかと・・。

Takaaki Yamada: