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AIスピーカーには是非ともキャラ性がほしい

VRゲーム「サマーレッスン:アリソン・スノウ 」

各社から「AIスピーカー」が発売されつつあります。

アメリカでやや先行して発売されていますが、日本でも2017年後半に各社製品が出揃った形です。今年はどうやら「AIスピーカー元年」になりそうです。

どういった点が「AI(人工知能)」なのかというと、ユーザーと対話しながら、「電話をかける、検索を代行する、音楽を再生する、天気予報や交通情報を流す、家電のスイッチを操作する」などの仕事をしてくれる点です。ちょっとしたパートナーの役割です。

これらはだいたい各社共通の機能ですが、それぞれに個性や強みがあります。

たとえば、8月に先行して発売されたLINEの「Wave」ですが、「LINE」アプリとの連携はむろん、自前のアーカイブから4千万もの楽曲を再生できるそうです。

グーグルの「Google Home」は自社開発のAIを搭載。むろん、豊富なグーグル系のアプリと連携できる点が強みです。

アマゾンの「Amazon Echo」は当然、ネットショッピングに威力を発揮します。音声注文やKindle書籍の音読など、たくさんのサービスが開発されています。

アップルの「HomePod」は例の「Siri」搭載で、iPhoneやアップル系のソフトなどに対応しています。スピーカーの音質そのものにこだわっているとか。

このように、各社とも自社の既存のビジネス資産をうまく生かしている。そこがまた他社との差別化になり、製品の個性になっています。

対して、今ひとつ精彩を欠くのがソニーのAIスピーカー「LF-S50G」です。

見ての通り、なんというか、スピーカーがデンと置いてある感じで、面白くも何ともない。全方位対応の360度サウンド・スピーカー搭載で、音声操作や検索、音楽再生やソニー製の対応機器の操作などができるようですが、今ひとつ内容面で他社との差別化というか、個性がはっきりしない。採用されているのもGoogleの人工知能。

「LF-S50G」という製品番号みたいなネーミングもそうですが、ソニーのAIスピーカーがこれじゃ寂しくないでしょうか。



キャラクターが主役の「Gatebox」とディスプレイ付きのXperia Hello!

以前、「Gatebox」の記事を書きました。

立体のスクリーンに女性キャラが投影されるものです。

こんなふうに、対話の相手を「無機質なモノ」ではなく「キャラクター」にすれば、ただのスピーカーよりも、ぐっと存在感や親近感が増します。

要は、立体また平面のスクリーンに人間や生きものを登場させて喋らせると、より話し相手らしくなり、感情移入ができるんですね。AI(人工知能)が身近な存在になる気がします。上の女性キャラはオタク男性好みにしてありますが、何もかわいい女の子に限定する必要はない。女性だったらイケメン執事にしたいという人もいるだろうし、愛嬌ある動物キャラがいいという人もいるだろう。アニメ作品のキャラでも受けるかもしれない。実在の人物(俳優など)をモデルにするのもありだろう。

こういう方向性の商品にしていくなら、日本メーカーに一日の長があります。日本人の特技といえる。上にあげたメーカーの中では当然、ソニーが有利でしょう。

実際、ソニーは「Gatebox」に近い製品も平行して発売しています。

それが15万円もする「Xperia Hello!」。ソニーモバイルコミュニケーションズが2017年10月に発表した“コミュニケーションロボット”というコンセプトです。

出典:http://www.sony.jp/xperia-smart-products/products/G1209/

ディスプレイを付けるなど、高級機にすることで他社のAIスピーカーとの差別化を図りつつ、自社の「LF-S50G」とも住み分けているんですね。

音声認識だけではなく、画像センサーで「家族のメンバーを識別」して、それぞれにあわせた対応をとるなど、ワンランク上のAIスピーカーとなっている。

ただ、これはお金をかけてサービスや性能を強化したようなもので、発想的には従来のAIスピーカーの延長線上にあるという感じがします。

私的には、これだったら、圧倒的に「Gatebox」のほうに軍配を上げます。というのも、AIスピーカーの本質はコミュニケーションにあると考えるからです。単に人工知能の性能や機能のラインナップ以上に、相手が本当に生きているかのように錯覚させることが大事です。そして、そういうのは人間の本能や原始的な感情と関わっている。

つまり、大事なのは「心」とか「アート」の領域なんですね。そう考えると、本当はソニーほど人々に親しまれるAIスピーカーを作れるメーカーはないはず。

ソニーは長年、映画やゲームでそういう方面の経験を蓄積してきました。とくに「プレステ」という企業資産の価値は絶大です。なぜこれとコラボしないのだろうか?

というわけで、次回が本題。

プレステで自分好みの「AIキャラ」を創れるようにして、それから・・・

という話をしたい。(コラ、引くな)

Takaaki Yamada: