みなさん、こんにちは。
最近の7月7日、英大衆紙の「メール・オン・サンデー」が、駐米英国大使の「極秘公電」の中身を暴露する出来事がありました。
それによると、キム・ダロック(Kim Darroch)大使が、トランプ大統領を指して、「無能」「不適切」「安全じゃない insecure」などと批判していたとのことです。
英紙の報道をきっかけに、このリークは世界中で報じられました。
日本のNHKやその他の局のニュースでも大きく報じられていました。
さっそくトランプは、得意のツイッターで、ダロックを指して「a pompous fool愚かな馬鹿」とやり返し、「米国内では好まれていない」「もう我慢できない」などと書きました。キム・ダロックは10日には早々と大使の職を辞任しました。
しかし、これは「流出公電の第1弾」に過ぎませんでした。
「メール・オン・サンデー」は13日「第2弾」を暴露しました。
米のイラン核合意離脱はオバマ氏への嫌がらせ、前駐米英大使 流出公電第2弾 7/14(日)
(前略)キム・ダロック前駐米英大使は、ドナルド・トランプ米大統領がイラン核合意から離脱した理由として、バラク・オバマ前米大統領が手掛けた合意だからだと考えていたことが明らかになった。(略)
2018年5月、公電の中で「米政権はイデオロギー的理由、そしてそれ(イラン核合意)がオバマ氏の合意だという理由から、外交的破壊行為に踏み切ろうとしている」と述べていた。
2018年5月、核合意からの離脱を思いとどまるようトランプ氏を説得するため、当時英外相だったボリス・ジョンソン氏が米首都ワシントンを訪問した。
その後送った公電の中でダロック氏は、核合意離脱をめぐってトランプ政権内に分裂が生じているようだと指摘(略)。
さらに、マイク・ポンペオ米国務長官はジョンソン氏との会談中、一貫して「大統領の決定」という表現を使い、イラン核合意の離脱から微妙に距離を置いていたと記していた。(後略)
私はこの報道に接したことで、かえってイラン核合意の成立とトランプ政権による破棄が元からあったスケジュールに沿って行われたと確信を持つことができた。
つまり、オバマの合意したものだからトランプが潰したというのは真っ赤なウソ。
下の記事に書いた推測で間違いないのだと。
英警察がすでに極秘公電をリークした漏洩元を特定したようですが、他方でメディアと市民からは「報道の自由」とする擁護と反発の声が上がっている。
「次」のジョンソンやハントも英紙の報道に理解を示している。
おそらく、仮に犯人が逮捕されたとしても、軽微な罪で終わるでしょう。あるいは、逮捕や起訴そのものが見送られる可能性もある。
なぜなら、私が推測するに、これは英外務省・MI6・英警察がグルになって実施しているディスインフォメーション工作だからです。
英米情報機関、ダロック、トランプ、ジョンソン、ポンペオ・・・みんなグル
キム・ダロックはたいへんなエリート外交官で、完全に支配層側の人物。
彼はトニーブレアやデビッドキャメロン首相の顧問やEUの常任代表者だったこともあり、聖ジョージの騎士団“司令官”として「Sir」の称号まで貰っています。
おそらく、駐米大使の職を辞任しましたが、彼のキャリアには何のキズもつかないどころか、今後さらに出世する可能性すら考えられます。次の“ボリス・ジョンソン政権”ではまた外交関係の要職に就くのではないでしょうか。
当然、トランプは“激怒して”いますが、このオッサンも最初からグル。
こんなものは全部、世界中を欺くためのサル芝居です。
実際、今度の「リーク→メディアの報道→全世界に拡散」というプロセスは、情報機関のオペレーションの特徴をよく踏まえている。
最初に「英大使がトランプは無能と評した」というゴジップが出て来た。
この「第1弾」で、世界中の注目を集めておいて、次に「第2弾」として、イラン核合意破棄の「真相」を暴露する・・。もちろん、後者が本命。
この「第2弾」が広めようとしている内容は以下。
第一に、トランプがイラン核合意を破棄したのは、オバマが手掛けた合意である点が気に食わなかったから。
第二に、当時外相のボリス・ジョンソンはトランプを止めようと努力し、又マイク・ポンペオも賛成していないなど、米政権内部に温度差があること。
つまり、このような「ウソ」を世界に信じ込ませたいということです。
常識的に考えて、そんな理由でイラン核合意を破棄するはずがない。
だから、イラン核合意破棄が実は以前から計画されていたという真実を隠蔽することが本当の目的なわけです。
しかも、昨年5月の話が、今の時期というタイミングで、流出する・・・。
私は「人を馬鹿にした見え透いた情報工作だ」と呆れましたが、世界中が信じてしまっている。私の知る限り、絵を描いたのが情報機関だと疑う人はいないようだ。
繰り返しますが、イラン核合意は、英米・イスラエルが、自分たちが戦争を始める時までイランの核武装をストップしておくことが真の狙いの、一時的措置でしょう。
こいつらは「大衆は馬鹿だからいくらでも騙せる」と人々を愚弄している。
こんな工作をやるということは、本当に対イラン戦が近づいている証拠でしょう。