イラン核合意はイランを嵌めるペテンだったのではないか

中東・アフリカ




みなさん、こんにちは。

突然ですが、バビロン作戦をご存知でしょうか?

1981年6月7日、イスラエル空軍がイラクの原子炉を奇襲空爆した出来事です。

バビロンというのは、今のイラクの辺りを、古代には「バビロニア」といって、その首都だった都市ですね。古代イスラエル人が捕虜として連行された都市でもある。

この作戦はサダム・フセインの進める核兵器開発を阻止することが狙いでした。

世界中が、イスラエルの諜報能力と軍事作戦能力、何よりも国際社会の非難を覚悟の上で作戦を決行する決断力やサバイバルへの執念に驚嘆しました。

イスラエルは、その前には、エジプトの弾道ミサイル開発を妨害しています。

この時に元ドイツ軍将校というカバーで、エジプト軍上層部をまんまと騙して、数々の極秘情報を入手したのが伝説のスパイ・ウォルフガング・ロッツ

エジプトは、イスラエルの建国当初からの天敵でした。ロッツは、そのエジプト軍の軍事機密を手にいれ、「六日間戦争」と呼ばれるほどの勝利をもたらしました。イスラエルはこの時にエルサレムを取り戻し、ヨルダン川西岸地区を占領したんですね。

それから50年。イスラエルはまったく返す気はありません。



核攻撃を受けるとひとたまりもない小さな国イスラエル

イスラエルはなぜこうまでして近隣諸国の大量破壊兵器開発を阻止しようとするのでしょうか。その大きな理由の一つが「ホロコースト」です。

大国によって民族そのものが抹殺されかけた・・その経験がトラウマになっている。

虐殺の方法、又虐殺された人数に関しては、たしかに諸説ある。

しかし、大勢のユダヤ人が結果的にナチスの強制収容所で死んだ又殺されたことは歴史的事実。だからユダヤ人の大量死自体を否定するのはナンセンスです。

いずれにしても、このホロコーストにより、

「世界中から愛されながら死ぬよりも、世界中から憎まれてもいいから、とにかく生き延びる道を選ぶ」という思考が芽生えたともいう。

イスラエルは建国以来、4回の中東戦争を経験しています。

おそらく、一度でも負けていたら、今頃イスラエルという国はなかったでしょう。

イスラエルは四国より少し大きい程度の小さな国です。

核ミサイルを撃ち込まれると、数発で滅びかねない。

だから、近隣諸国の核保有は死活問題となる。

イスラエルはまずイラクの核武装を潰した。その後、サダム・フセインのイラクは、多国籍軍による湾岸戦争と、2003年の米・イラク戦争によって、叩き潰された。

イランは核保有一歩手前まで到達していた

しかし、2002年、今度はイランの核開発計画が公になる。

イスラエルはモサドを使って全力で妨害し、ブッシュ・ジュニアのアメリカも「悪の枢軸」と呼んで叩いたが、それでもイランは粛々と開発を進めた。

しかも、アハマディネジャド大統領はイスラエルを抹殺するなどと公言した。

下の記事にあるように、私自身は、イランとイスラエルはどっちもどっちと考えています。戦前の「日本帝国主義 対 欧米帝国主義」みたいなもので、善悪の対決ではない。

イラン VS イスラエル 近づく宿命の対決
みなさん、こんにちわ。 私は2016年4月に出した本『神々のアジェンダ』の中で、今騒ぎになっているイランの核合意・核開発問題について触れていた。 題して「イラン核合意は大失敗――イスラエルの先制攻撃リスクが高まった」。 この本のメインテーマ...

さて、ウラン濃縮は、「作業量」基準でいうと、濃縮90%以上の兵器級を「1」とするなら、濃縮20%の段階で作業量の「9割」までは行くらしい。つまり、20%まで濃縮したら、あと少しの作業で、一気に90%まで駆け上がることも可能。

で、イランは、2015年7月の核合意以前には、約2万の遠心分離機を用いて、ウランの濃縮を20%まで進めていました。

これであと数ヶ月もあれば核兵器を完成させることができると言われていた。

「イラン核合意」は、このウランの濃縮度を「3・67%」にまで後退させ、かつ貯蔵量は上限300kg、遠心分離機を5千基程度にまで減らす内容でした。

これによって、イランが再び核保有を決断しても、1年はかかるようになりました。

その代わり、欧米諸国はイランに対する経済制裁をどんどん解除しますよ、原油収入も回復して景気が回復しますよと、そういう合意内容だったわけです。

欧米を信じたばかりにイランは戦争の切り札を失った

なるほど、イラン核合意が提起された本当の理由がようやく分かりました。

要するに、経済制裁の解除というエサをぶら下げて、とりあえず、直前まで来ていた核爆弾の完成にストップをかけた

そして、再決断しても完成までに1年はかかるように後退させた。

で、当初は、イスラエルだけが合意に反対しており、同国が国際社会から孤立しているというふうに印象付けた。今にして思えば、核合意を決めたオバマ大統領とネタニヤフの「険悪な関係」は、イランと国際社会をまんまと欺く猿芝居だった可能性があります。

イランはこう思っただろう。

「核兵器保有まであと一歩のところだったけど、アメリカがイスラエルと仲たがいしたし、経済制裁も解除するそうだし、欧米の要求を飲んで正解だったかもしれない」と。

ところが、アメリカは政権が変わった途端、「イラン核合意は失敗だった、ウランの濃縮行為そのものを認めるべきではない」などと言い始め、現実に破棄してしまった。

「イラン核合意などイラン!」というわけです。

イランが怒って、対抗措置に出るのは当然ではないでしょうか。

アメリカが核合意を破棄したなら、本来、イランも同合意に拘束される理由はないのですが、それでも国際社会から悪者との烙印を押されないよう、イランは濃縮率を5%程度にとどめて、合意内容を大きく逸脱しないように配慮している。

少し前、トランプ政権は「イランは世界一のテロ支援国家だ、イラクの米軍が攻撃を受ける可能性がある」などと言い、空母艦隊や爆撃機をホルムズ海峡に派遣した。

その流れの中で、「日本の安倍総理の説得にも関わらず、ハメネイ師が応じなかった」という事実が意味を持ってくる。第三国の仲介努力が失敗したという“実績”です。

そして今現在、イギリスも参入して、挑発合戦の様相を呈している。

ここで「軍事衝突→開戦」という流れになったその時、イランには、本来なら持てたはずの核爆弾がない。対して、イスラエルは以前からフル核武装している。

これで戦略的には、イランはイスラエルと対等な立場にたつことができない。

イランは今頃、「騙された」と気づいているはず。

おそらく、最初から米・イスラエルが戦争でイランを叩き潰す計画になっていたのでしょう。それを前提にした上で、イラン核合意とやらは、その戦争の際にイランの核開発が間に合わないようにすることが、本当の目的だった。

オバマ政権の時からそれは決まっていた。そして、次の政権の時に合意を引っくり返し、相手を挑発し、揚げ足をとって、開戦に持ち込むことも。

オバマはあえてネタニヤフと仲たがいを演じてみせた。

すべてはイランと世界を騙すための芝居だった。

なにしろ、イスラエルに対する合計4兆円もの史上最大規模の軍事援助も、オバマ時代に決まっていたのだから。

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