イラン VS イスラエル 近づく宿命の対決

テロ・紛争・戦争・崩壊




みなさん、こんにちわ。

私は2016年4月に出した本『神々のアジェンダ』の中で、今騒ぎになっているイランの核合意・核開発問題について触れていた。

題して「イラン核合意は大失敗――イスラエルの先制攻撃リスクが高まった」

この本のメインテーマ自体は、2000年前の「イエス予言」である。

イエスは、「Xデー」の日、

「そのときには、世界の初めから今までになく、今後も決してないほどの大きな苦難が来る」

と予言した。

この予言に関しては、私自身は、ほぼ解明したと信じている。

端的にいえば、2030年代の前半に、突如として、ある地球的な災害が起きるだろうというふうに、推測している。その後、1年は365日でなくなるだろう。

これに関しては、今までいろんな機会に話してきた。

しかし、今回紹介したいのは、今中東で進行中の出来事に関係する内容である。

今読み返してみれば、現在の私の考えと違うところも少なくない。

しかし、かなり予測を当てている面もあるので、以下に紹介したい。

神々のアジェンダ

(以下、本からの引用。赤字は現在の筆者による)



イラン核合意は大失敗――イスラエルの先制攻撃リスクが高まった

むろん、中東戦争の火種は「IS問題(シリア・イラクの内戦)」と「エルサレム第三神殿建設問題」だけではない。

もっと根深い、伝統的な国家間の対立がある。

それがイスラエルとイランの対立である。そして、15年7月、「イラン核協議の合意」により、それがさらに火種として勢いを増したと観測されている。

これについて簡単に経緯を説明しよう。

イランの極秘の核兵器開発が暴露されたのが2002年頃であり、以来、核武装させまいとする欧米・イスラエル側と対立が生じた。

当時のブッシュ政権はイランを「悪の枢軸」と名指しし、経済制裁を始めた。

一方のイラン側も激しく反発し、一時はタカ派のアハマディネジャド大統領が対決姿勢を強めた。

この両者の緊迫した駆け引きが、えんえん十年以上にも渡って続いていた。

ところが、13年8月に対話路線を掲げるロウハニ政権が発足すると、両者の歩み寄りが始まる。長期間の交渉決裂を嫌気した欧米側も、イランの核開発自体を認めないとする従来姿勢を柔軟に改めた。

こうして、イラン側が厳しい監視や査察を受け入れることを条件として、欧米側が経済制裁を順次撤廃し、核の平和利用(一定レベルのウラン濃縮)を認めるとする合意が両者の間で成立したのである。

欧米にしてみれば、このままイランを追い込んでパキスタンのような核保有国にしてしまうよりも、国際社会の監視をつけて簡単に核保有できないようにしたほうがマシという思惑である。

当然ながら、国際社会はこの合意を歓迎している。

以前は「イランがウランを濃縮する行為自体が許せない」という話だったが、その権利が正式に認められ、制裁も撤廃されることで、イラン側も歓迎している。

唯一、「歴史的な過ち」として猛反発しているのがイスラエルだ。

彼らはイランが核開発能力を持つこと自体に反対している。

また、イランと宗派・民族上の対立があるサウジアラビアも、今回の合意に危機感を募らせている。

今後、この合意は米上下両院の承認を待つが、イランの核兵器疑惑が払拭されないと考えるイスラエルとそのロビーは、承認阻止に向けて議会工作を始めている。米議会でもとくに共和党員が反対しており、完全合意の成立にはまだ予断を許さない段階だ。

さて、私個人の考えを言えば、今回の合意は失敗だと思う。おそらく、国際社会の思惑とは裏腹に、将来、中東戦争へと発展するリスクが高まったのではないか。

この合意によってイランが核保有を放棄するという御伽噺を信じるほど、イスラエルはナイーブではない。モサドはイラン人核科学者たちを暗殺し続け、イラン情報部と地下で壮絶な死闘を繰り広げてきた。

だいたい、穏健派のロウハニ大統領に代わったというが、真に全権を掌握しているのは最高指導者ハメネイである。彼こそがイランの核開発の陰の推進者であり、ロウハニは操り人形にすぎないと言われる。

だからイスラエルは「ハメネイは絶対に核兵器開発を諦めない」と確信している。

そして、たぶんそれは正しい。

イランは極秘裏に核開発を進めてきた前科があるし、極東に悪しき前例もある。

北朝鮮は核放棄を約束して国際社会から援助を貰いながら、地下で核開発を続けた。結局、世界を騙した挙句、核弾頭とICBMの準保有国になってしまった。

イランも、とりあえず経済制裁だけは終わらせて、あとは極秘の核兵器開発を進めるつもりではないか。こんな連中の“善意”を信じて何度も騙される国際社会のほうが馬鹿と言わざるをえない。

かつてアハマディネジャドは「イスラエルを抹殺する」と公言していた。

イスラエルには「第二のホロコーストだけは何が何でも防ぐ」という絶対的な国是がある。滅ぶときは、自国の核ミサイルを発射し尽くして、敵国をすべて道連れにするつもりである。

しかも、ユダヤ人たちには、これまでの歴史的経験から、国が滅んでも民族は滅ばないとの確信がある。

このイスラエルの「覚悟」を分かっていない人が多い。

しかも、現ネタニヤフ政権はゴリゴリのユダヤ民族主義者集団だ。

イスラエルはホロコーストに繋がるいかなるリスクも事前に除去する。

1981年にはイラクの建設中の原子炉を空爆し、完璧に破壊した。

イランに対しても、単独での先制攻撃も辞さないと警告してきた。

イスラエルを甘く見てはいけない。イラン核合意が完全に成立し、政治交渉が終結することは、国際社会の期待とはまったく逆に、おそらく「戦争の確定」を意味する。

だが、イスラエルは秘密裏にバンカーバスター(地中貫通爆弾)を持つとは言え、大深度・多重防壁のイランの核関連施設を完全に破壊することは難しい。それができれば、もっと前にイランと開戦していたかもしれない。

そこで単独ではなく、なんとかアメリカや西側諸国を巻き込もうと画策するだろう。

しかも、最近、パレスチナ側がイスラエルの戦争犯罪問題を国際司法裁判所に提訴すると言い始めた。この件に関しては、アラブ諸国だけでなく、ヨーロッパのリベラル派も極めて厳しい視線を向けている。

つまり、現在、極右のネタニヤフ政権は、二重の意味で追い詰められているのだ。

ただし、イスラエルがイランを攻撃するとしても、おそらく2017年までは待つはずだ。その頃、アメリカで新大統領が誕生するが、おそらく「戦争政権」となる。

そして、ある日、突然「イスラエル空軍がバンカーバスターでイランの複数の原爆開発拠点を攻撃した」というニュースが世界中を駆け巡るわけだ。

(以上、引用終わり)

イランとイスラエルはどっちもどっち、加害者と被害者の関係ではない

どうだろうか。

『神々のアジェンダ』は2016年4月に出版したが、原稿自体は2015年末までに完成していた。上の文章もその中に含まれる。

『神々の予定表 アジェンダ』

言ったように、現在の私の考えと少し違う部分はある。

ただ、イラン核合意が失敗であり中東戦争へと発展するリスクが高まること、イスラエルとイランの対立が激化すること、イスラエルが対イランで単独ではく欧米を巻き込もうとすること、2017年の米新大統領の誕生を待つこと、などは的中している。

しかし、その私も、まさかトランプという、「イスラエルを愛している、イランは世界一のテロ支援国家だ」などと公言するキチ○イが大統領になるとは思っていなかった。

今にして思えば、トランプはかなり前から“用意”されていたのだろう。

ちなみに、イランとイスラエルがどっちもどっちと考えている点は、今でも変わりない。なにしろ、本文中にもあるように、かつてアハマディネジャド大統領は、イスラエルを抹殺するなどと公言していた。ホロコーストを経験したユダヤ人が絶対に許せないと思うのも道理だ。だからイスラエルがキチでも、イランが正しいとは限らないのである。

イラン核合意に関しても同様。

私は最近、この核合意の「ペテンの意味」に気づいたので、後日記事にする。

端的にいえば、イランは、米・イスラエルからまんまと騙されていた。

しかし、イランが正直者の一方的な被害者かというと、そうとも思えない。

私はそもそもイランが、米を始めとする西側諸国とIAEA(国際原子力機関)に対して、核物質や核施設の全容を開示したとは信じていない。

この点ではイスラエルの見方と同じ。

現在知られているイランの核関連施設

つまり、イランもまた国際社会を騙している可能性がある。私は、あの、イランの妙に余裕のある態度を見て、前々から引っ掛かっているのである。

広大な国土があれば、いくらでも隠しようがあるのだ。

現に北朝鮮はウラン濃縮施設をうまく隠し通していた。

偵察衛星から判明するとか、そんな単純な話ではないのである。

イランの場合、モサッドが深くまで浸透してスパイしているので、北朝鮮よりは困難かもしれない。また、プルトニウム製造のための増殖炉は隠し通すことが難しい。

しかし、ウラン濃縮施設ならば、地下深くに設置し、人・モノの出入と排水施設の目隠し、電力などの問題を解決すれば、隠蔽も決して不可能ではない。

核合意前、イランはすでに20%まで濃縮したウランを大量に保持していたが、ここから兵器級までは作業的に一挙に行ける。90%級が既製造でも不思議ではない。

なにしろ、グレープフルーツ程度の「金属製の球」である。大統領官邸や革命防衛隊基地の地下室にでも入れて、密閉しておけば、外部の人間には探知不可能だ。

そもそも、イランは北朝鮮と密に連携していたわけだから、北朝鮮がイランの代理も兼ねてウラン濃縮や核爆発実験をやっていた可能性も十分にあるわけだ。

私は上の本文で、イランが「経済制裁だけは終わらせて、あとは極秘の核兵器開発を進めるつもりではないか」と予想していたが、この疑いも表面化した。

「イランが核開発の極秘計画」、証拠を入手とイスラエル首相 2018.05.01

(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は4月30日、テルアビブの国防省で演説を行い、核兵器を追求しないというイラン当局者の言葉は「真っ赤なうそ」だったと主張、イランは秘密の場所で「核アーカイブ」を保持し続けていると語った。一方、イラン側はこうした指摘を否定している。

ネタニヤフ首相はイランについて、2015年に国際社会と合意を交わしたにもかかわらず、核兵器開発の追求継続を計画していると述べ、イスラエル情報機関の歴史的成果として、その裏付けと主張するファイルを提示した。

どうもこれは資料的・ノウハウ的なもので、物的・施設的な証拠ではないようだ。

だが、言ったように、イランがすでに兵器級核物質を所有しており、それを完璧に隠していたなら、イスラエルの情報機関といえども探知するのは困難なはずだ。

そして、近く大きな戦争に発展する可能性が高いと私は思っている。

(*イエス・キリストとは何者だったのか? 彼は何を予言したのか? その予言は何を意味していたのか? それはいつ起きるのか? そしてイエスの再臨の本当の意味とは・・?)

神々のアジェンダ

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