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アメリカの狙いは「リメンバー・ロナルド・レーガン」か

USS Ronald Reagan (CVN-76).jpg From Wikimedia Commons

わずかここ2年の間に第三次世界大戦の火種が出揃った現実は「今度の戦争はヒロシマ・ナガサキから始まる」紹介したが、果たしてそれらはすべて偶然だろうか。その中の多くは、実は大戦の勃発を意図して計画的に作られたものと推測することはできないだろうか。

と言うと、「陰謀論だ」と反発する人もいるだろう。

「ウクライナのヤヌコビッチ政権に対する暴力革命や最高指導者バグダディとISの活動の背後に西側諜報機関がいるという指摘ならまだしも、南シナ海の軍事基地建設と現在の緊張状態については全面的に中国の拡張主義に責任があるではないか」と。

もちろん、私もそう思う。中国の身勝手で侵略的な行動は、日米だけでなく、ベトナムやフィリピンなどの周辺国の怒りも買っているし、G7サミットでも二年連続指摘されている。ただ、このように、どこかの国が「100%の絶対悪」との見方が喧伝されている時には、注意が必要なことも確かだ。何か不自然な点がないか、その“常識”を疑ってみることも時には必要ではないだろうか。

そういうわけで、私なりに検証してみたい。

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なぜアメリカは2年間も中国の人工島建設を放置してきたのか?

私が一つ引っ掛かっていることがある。

中国が南シナ海の浅瀬を埋め立て始めたのは2013年5月頃からだ。すぐにフィリピン政府が問題にしたので周知の事実となった。中国は当初、軍事目的ではないなどと嘘をついていたが、基地化を視野に入れているのは素人目にも明らかだった。中国は2015年6月に埋め立てがほぼ終わる頃になって、「実は民間・軍事目的だ」と開き直った。

不可解なのは、中国がせっせと人工島を造成している間、アメリカが強硬な抗議を控えていたことだ。事実上、2年間も放置していたのである。そして、ほとんど完成してから、さも昨晩気づきましたと言わんばかりに、国防総省が世界中のメディアを集めて記者会見を開いた。「完成すれば3千メートル級の滑走路を有する複数の軍事拠点となる!」などと危機感をあらわにしながら衛星写真を示す様子は、まさにプレゼンの見本だった。そして、この段になってオバマ大統領も中国を厳しく批判した。

むろん、武力を背景にして一方的に公海上に自国の影響力を拡大しようとする中国が悪いのは確かだ。そのせいで周辺諸国と摩擦を引き起こし、地域の緊張と軍拡を招いている。また、「チェンバレン外交の轍を踏んだ民主党政権と野中広務氏ら」で述べたように、そのような傍若無人な振る舞いは、2010年と12年の領海侵犯と官製反日暴動に対する当時の日本側の融和的な対応に、部分的な責任があるのも確かだろう。

ただ、中国が悪いからといって、アメリカが正しいとは限らないのもまた事実だと思う。人間はえてして善悪二元論的な見方をしがちだが、複雑な国家間のゲームにこのフレームを単純に当てはめるのは危険である。

アメリカの態度も不自然と言うか、変に計算じみたところが感じられる。そんなに中国の軍事基地が問題なら、なぜもっと前に騒ぎ立てないのか。なぜ2年間も見て見ぬふりをしていたのか。自衛隊と米軍は中国軍の交信を常時傍受して分析している。中国の“平和目的”の埋め立てが、実際は軍による拠点作りであることは、当初から百も承知だったのである。つまり、暴露のタイミングに、明らかな政治的意図が感じられるのだ。

一つの仮説は「中国が政治的にあとに引けなくなるのを待っていたのではないか」というものだ。

ほとんど基地が出来上がってしまえば、中国としても執着せざるをえなくなる。なにしろ、巨大な投資である。「はい分かりました」と素直に放棄できるわけがない。中国の政治文化で言えば、「ここで引いたら人民大衆の前で習政権と軍の面子が潰れる」という危機感もあるだろう。

だとすると、アメリカの真意は何なのか。それこそ「戦争の発火点づくり」とは推測できないか。つまり、当初は中国が南シナ海で増長するにまかせるが、足が抜けられなくなった頃合を見計らって騒ぎ立てて、自分たちが大義名分を有する戦いへと持ち込む、という算段だ。「まさかそこまで用意周到であるはずがない」と私も最初は疑ったが、今起きている状況を見ると、そうとしか思えないのも確かなのである。

■アメリカの豹変と米中軍事行動のエスカレート

事実、2015年5月の国防総省による“暴露”以降、事態はとんとん拍子で進んでいる。翌6月には早くもG7サミットで、中国が「力による現状変更」を行っているとして、ロシアによるクリミア占領のケースと同列に置かれ、非難声明が採択された。

一方の中国の反発も凄まじい。翌7月、南シナ海で百隻以上の軍艦を動員して中国海軍史上、最大規模の軍事演習を行った。そして9月、首都北京で「抗日戦争勝利70周年軍事パレード」を敢行する。この際、米空母や米本土を直接攻撃できる最新のミサイル戦力が誇示された。同じ頃、中国軍は五隻の艦隊をアラスカ沖に送った。しかも、出没海域は、かつて旧日本軍が侵攻した米本土であるアッツ島とキスカ島の近辺だ。さらにオバマ大統領がアラスカを訪問するタイミングをわざわざ狙うという念の入れようだ。これは「中国はアメリカに屈しない」という政治的なメッセージだと思われる。

この挑発に対して、10月、アメリカは原子力空母ロナルド・レーガンを横須賀基地に派遣。南シナ海の人工島の領海内(12カイリ=約22km内)で“巡視活動”を行う「航行の自由作戦」を開始した。

ただ、日本の安保関連法案が通った直後に、3・11後の「トモダチ作戦」に参加した「ロナルド・レーガン」がやって来るというのも、なんだか話が出来すぎている気がするのは私だけか。仮に同空母が攻撃されれば、日本人もエモーショナルになり、進んで米軍に協力してくれるだろう、という算段なのだろうか。

むろん、中国も猛反発している。人民日報系の環球時報は米海軍が中国の“領海”内を航行した場合は、「挑発の程度に応じて必ず報復する」と啖呵をきった。実際、中国軍は「ロナルド・レーガン」に対して巡航ミサイルによる模擬攻撃を試験したという。

11月、アメリカは核兵器搭載可能なB52戦略爆撃機2機を人工島の近くで飛ばす示威行動をとった。その後も繰り返し軍艦を派遣し続け、翌2016年3月にはB2ステルス爆撃機を太平洋方面に配備し、原子力空母ステニスを旗艦とする空母打撃群を同海域に送り込んだ。対する中国もまた、人工島の軍事基地化を加速し、戦闘機・爆撃機・対艦ミサイルを設置するなど、対決の構えを強める一方だ。2016年内には軍事基地を完成させるという。

■「航行の自由作戦」の隠れた狙いは「先制攻撃」を誘うことか?

このように、両者の対立がどんどんエスカレートしているのが分かる。ただし、「どっちもどっち」ではなく、世界の目から見た「善悪」は極めてはっきりしている。

アメリカ側は「わが国は武力による現状変更を認めず、あくまで公海の航行の自由と国際秩序を守る」という大義名分を掲げている。実際、「航行の自由作戦」というのは、いかにもアメリカ人が好きそうな正義然としたネーミングだ。対して、中国は南シナ海の全域を「自国の領海」と強弁し、「わが国の主権であり、人工島建設は合法」という声明を繰り返している。中国が喚けば喚くほど「強欲な悪者」との印象が広まっていく。

しかも、2016年7月、国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は、南シナ海に関する中国の領有権主張を退ける判決を下した。これでますます、誰が見ても「正義がアメリカで、悪が中国」という図式となる。

だから、大義名分と世界最強の軍事力を有するアメリカは、遠慮なく中国の人工島に異常接近を繰り返すことができる。イージス艦、潜水艦、空母「ロナルド・レーガン」や「ステニス」、B52爆撃機・・・と、次から次へと送りたい放題である。国際法廷の判断が下ったことで、これからはもっとやれよう。

まるで「さあ、攻撃してこい」と言わんばかりではないか。実際、私は中国軍に先制攻撃させるのが狙いではないかと疑っている。今のところ、よほど中央軍事委員会から現場への厳命が行き届いているのか、思いのほか中国軍の忍耐は強いようだ。だが、いずれ挑発に耐えかねて、現場の軍人が中央の統制に反する可能性がある。また、両軍の集中が強まるにつれ、偶発的な軍事衝突の危険性も高まっている。

アメリカは、すでに大義名分を有する上、仮に先制攻撃を受けたとあっては、二重の意味で「正義の旗」を掲げることが可能になる。真珠湾攻撃を受けた時のように、開戦に対する国民の支持も強いに違いない。

私は挑発に乗ってこない中国に痺れを切らしたアメリカのほうから先制攻撃する可能性も考慮しておかねばならないと思っている。むろん、それは「中国軍の先制攻撃」として喧伝されるだろう。その程度の情報操作は朝飯前である。「まさか?」と思うかもしれないが、あいにくアメリカについては「よくある話」なのだ。

■またしても「リメンバーXXX!」か

これまでもアメリカは「リメンバーXXX!」をスローガンにして戦争を始めてきた。たとえば、「アラモ」「メイン号」「ルシタニア号」「パールハーバー」などだ。その他、トンキン湾事件、911テロ事件、フセインの大量破壊兵器保有などもでっち上げてきた。もしかすると、米空母もその列に加えるために、最初から「生贄」として派遣されているのではないか。たとえば「リメンバー・空母ロナルド・レーガン」という具合に。こういう「でっち上げ→大義名分作り」はアメリカが昔から得意中の得意とするところである。

低い確率ながら、中国軍の強硬派が「超音速対艦ミサイル」や対艦弾道ミサイル「DF-21D」「DF-26」などを米艦隊に使用する暴挙に打って出る可能性も皆無ではない。仮に米空母が「轟沈」すれば即、米中全面戦争になる。しかも、核弾頭搭載可能なため、実際に核を積んでいようがいまいが、アメリカは核攻撃を受けたと見なす可能性がある。おそらく、日本近海のミサイル原潜からの報復攻撃により、中国軍はその日のうちに壊滅するだろう。下手すれば、中国の無関係な、何億人もの市民が大量虐殺されかねない。

しかも、アメリカとしては、戦争で圧勝するだけでなく、資産凍結法により、中国の官民が持つ莫大なドル・米国債・米企業の株・不動産などの対米資産をすべてチャラ又は没収できる。その上、戦後は賠償金をむしり取らなかったとしても、中国にGHQを置き、復興を主導することで、巨大な利権を獲得することもできよう。逆にいえば、これから中国との軍拡競争に付き合う経済的余裕はないので、将来のライバルを潰すには、相手がまだ弱いうちに決着をつけるほかないとも考えられる。言葉は悪いが「対中戦争は今がお買い得」というわけだ。

このように、アメリカ目線で見てみると、対中戦勝のメリットはあまりに大きい。だから、南シナ海問題をうまく利用して中国軍の暴発を誘う罠に仕立て上げたという見方も捨てるべきではない。中国もワルなら、アメリカはそれ以上のワルであることは周知だ。

穿った見方をするなら、シリアとウクライナで第三次世界大戦を引き起こすことに失敗した戦争屋の勢力が、「ならば南シナ海で」と策動しているのかもしれない。

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