中国は戦争さえしなければ十年以内に世界一の国になれるのだが

オピニオン・提言系
抑止力の必要性を訴える画像です。




みなさん、こんにちわ。

そして、明けまして、おめでとうございます。

しかし、今年は本当に「おめでとう」なのか。

中台戦争近し、とも思える今だからこそ、書き残しておきたい。

「中国は戦争さえしなければ十年以内に世界一の国になれるのに」と。

そう考えると、他国ごとながら愚かであるし、まことに惜しい。



世界一になれるポテンシャルがあるのに台湾侵攻で台無し

私は中国が努力して正当な手段で世界一の国になることに関しては何の異議もない。

たしかに、中国は、知的所有権の無視など、不正なこともたくさんやって来たが、しかし、彼の国の高度経済成長の根本にあったのは「普通の中国人が一生懸命に働いた」という事実である。したがって豊かになるのは当然の権利である。

今でも対日でむかつくパクリがあるが、それでも中国が世界の工場となり、モノづくり大国・技術大国を目指して、普通の中国人たちが努力していることは間違いない。

 

例えば、日本ではまだ電気自動車に対する拒絶反応が強く、事実、急速充電機のインフラが不十分だが、中国はというと、国策で「原子力・自然エネと電気自動車」というコンビを推進しており、今や世界最大のEV普及国家となり、脱石油化も進めている。

日本では揶揄する向きがあるが、私はこれが戦略的に正しいと考える。

中国の電子マネー・システムの先進性はよく言われるが、こういった点でも中国は一歩進んでいる。小型ドローンや乗用ドローンの技術でも中国は世界一ではないだろうか。

中国がこのまま経済建設中心で行き、なおかつ今とは真逆により自由で国際的な国を目指すならば、たとえ人口構造的に日本の少子高齢化の後追いをするとしても、衰退するまでには、間違いなくアメリカを抜いて世界一の大国になれるはずである。

 

しかしながら、惜しい事に(あるいは偏狭な日本民族主義の視点から言えば“ありがたい”ことに)、中国は愚かな指導者によって再び地獄に誘導されようとしている。

中国軍は現在、台湾およびその周辺で戦うための実践訓練と準備を始めている。

対して、台湾軍もそれを迎え撃つ準備をしている。

おそらく、この後、中東又は朝鮮半島で紛争が起こり、米軍がそちらの方面に割かれるような事態になれば、習近平は「好機」と決意するだろう、台湾侵攻の。

それは2023年中に起こっても全然不思議ではない。

正しい事の反対をやる愚かな指導者・習近平

習近平は、戦争によって、ここ40年ほど中国人が努力して積み上げた経済的社会的成果を最終的に台無しにしかねない馬鹿者である。

ご存じの通り、現代中国は稀にみる警察国家・監視国家だが、胡錦涛・温家宝時代には、言論統制はあったものの、一般市民が、かなり自由にモノが言えた時代だった。

おそらく、胡錦涛時代は、戦後中国において「もっとも自由で明るかった時代」として記憶され、再評価される時が来るだろう。

 

実は、戦後中国において、明確に民主化を実践したのが胡耀邦であり、又、戦後の日中関係がもっとも良好だったのが「胡耀邦・中曽根時代」だったが、その胡耀邦なミームを一定継承してきたのが、意外にも共産党エリートの共青団(団派)だった。

彼らは、日本や西側からは理解されないかもしれないが、長期的な視点から中国の風土にあった「中国式の民主化」を目指してきたのである。

 

だから、彼らは多党制もちゃんと研究して、将来的には、中国を、日本的な民主政治を修正したシステムに軟着陸させることも視野に入れていた。

だから、中国人のエリートを舐めてはいけないのである。

日本の保守言論人にしばしば見られるが、中国人だから、儒教圏だから、独裁体制しかありえないんだよ、というのは、まったくの偏見でしかない。

だいたい、香港人や台湾人は、日本人とほとんど違わない。

 

しかし、習近平の10年間に、中国は民主化とは正反対の方向へ行き、今や世界一のデジタルファシズム社会になってしまった。

人々は「社会信用スコア」のごとき悪夢のシステムによって人生を支配されている。いや、もはや支配されていることすら分からないほど飼い慣らされつつある。

習近平は、そうやって国民を統制するばかりか、独裁防止のための任期制をも廃し、今や「終身主席」という本物の独裁者になった。

しかし、これに関しては、2022年10月の三期スタートを見ても分かるように、政治的な反対派がいるし、しかも国民の中にも「おかしい」という抗議の声が上がり始めた。

民主化・国際化こそが正解だったが、ダンマリの日本の親中派もゴミ過ぎる

こんな時、独裁者の考えることは、いつも同じである。

それは国民の視線又は不満の矛先を外部に向けさせる、ということだ。

特に中国においては、これは常套手段であり、実際に天安門事件以降、江沢民はメディア・教育を使って徹底的に反日を焚きつけ、国民が日本を憎悪するように仕向けた。

今度やるのが「戦争」というわけだ。

独裁者になった直後からのヒトラーの領土拡張行動と同じである。

独裁者といえども国民の手前、目に見える成果を上げなければならない。

自国の領土が増えたという軍事的成果ほど、分かり易いものはない。

しかも、台湾侵略に関しては、ほぼ全国民の支持が得られる確信もある。それくらい、中国人は、幼少期から徹底的に「台湾は中国領土」を刷り込まれている。

こうして習近平の中国は、日本などの周辺国家も地獄へ道連れにしつつ、暴走していくだろう。

もし、習近平が「真の指導者」ならば、本来、真逆を行くはずだ。

つまり、独裁的権力を得たのを好機として、むしろ、台湾の蒋経国と李登輝が国民党独裁をゆっくりと自殺に導いた先例に倣う。すなわち民主化である。

そして、戦争はやらず、経済建設路線一本で行く。

元来、大唐帝国のように、自由で国際的であればあるほど、中国人は潜在能力を発揮する。唐の王朝では、能力さえあれば、日本人、新羅人、ソグド人、アラブ人、ペルシア人なども登用された。世界の中心国家・中心文明とはそのようなものである。

しかし、今の中国は、精神面では偏狭な愛国主義に支配された下等な国だ。

「愛国教育」など、時代錯誤も甚だしい。その結果が、愚劣極まりない「反日ドラマ」が量産されるような、劣悪な大衆文化の状況である。

 

また、日本の親中派も、本当にそうなら、以上のようなアドバイスや諫言を堂々と習近平にしなければならない。それでこそ真の政治家であり親中派である。

そういう意味で、日本の親中派とは、ただ独裁者の靴を舐めて、ご機嫌をとって、ご馳走を食べて帰るだけで、哲学も歴史観もない。本当の意味での親中派がいない。

嘆かわしいことに、日本の国政には、アメリカの手先、中国の手先、南北朝鮮の手先、ロシアの手先・・こんな者ばかり。

私は、以上に挙げた国を、公正かつオールラウンドに批判する人しか信用できない。

台湾有事に介入したら日本は大きな戦争被害を受ける

さて、最後に、現実の台湾有事に対して言えば、ガイドライン上、日米は介入することになっている。だから、中国も日米相手の海洋戦をシミュレーションしている。

実に馬鹿な話だと思う。あんまり口に出して言いたくないが、日本はその際、台湾を見殺しにしたほうがいい。私も他の人も、日本人はみんな台湾が大好きだが、それでも火の粉を被ってまで助ける義理はない。こういうのは、口先だけ中国を激烈に批判して、実体としては小さな経済制裁程度でお茶を濁すのが正解であると思う。

なぜなら、本気で事を構えたら、日本が負けるからである。

 

日本は核兵器を持たない。私は一貫して核武装すべきだ論者だが、結局、日本は現実無視と外部謀略的な平和論によって、核武装しないままここまで来てしまった。

よくある「国連の敵国条項」云々もただのナンセンスで、それを主張する者は、日本が核武装したら中国やロシアが戦争を仕掛けてくるとでも本気で信じているのだろうか。

もしそう信じているとしたら馬鹿だが、要はそれを防ぐ手段でもあるのが核武装であり、抑止力の意味である。これもたぶん中国朝鮮あたりが発信源ではないか。

先日、山本太郎が「抑止力として核を持ち戦争になった場合に勝てる?」と街頭演説していたが、抑止力の目的は「勝つ事」ではなく「相手に攻撃を思い止まらせる事」であり、その目的を達成する上でもっとも有効な手段こそが核兵器の保有である。

 

しかし、日本は結局、核を保有しないまま、今まで来てしまった。

であるから、中国軍とは根本的に対等な立場ではないのである。アメリカが高圧的な外交をできるのは、いざという時、核兵器で中国をせん滅できるからである。

日本が真似していい道理はない。核兵器のない日本は、中国と戦争したら、最後は核攻撃を受けて、惨めに降伏するしか道のない国である。

仮に日本の都市部が中国軍から核攻撃を受ける事態が起きたとして、ではアメリカが代わりに中国の都市部に核ミサイルを撃ち込んでくれるかというと、そんな保証はどこにもない。その際の在日米軍基地の被害状況も関係するだろうが、アメリカの都市部が今度は報復核攻撃にさらされる、又は米中で核の撃ち合いになるリスクを思えば、撃ち込まない可能性のほうが高い。つまり、日米安保が機能するのは実質通常戦まで、という可能性も大いに考えられる。

 

要は、アメリカの核の「抑止力」だの「傘」だの「日米安保」だのは、しょせんは「他人の力」であり、「他人の都合次第」で運用されるものであって、それゆえ全面的に信用するとか、全面的に自己の運命を委ねるというのは、ナイーブの極みである。

だから「日米安保があるから絶対大丈夫」とタカをくくる親米派は、自分がヤクザにレイプされたら彼氏が殴り込んでくれると信じて疑わない女学生と同じである(差別発言か・笑)。

無法がまかり通る国際社会においては、(冒頭画像のように)女学生自身が大剣を持たねばならないのである。

あくまで参考画像

だいたい、相手が東京湾に核を落として「降伏せよ」と迫ってきたら、日本はそれだけで「負けた」と思い知らされるであろう。

だから、日本が核を持たない以上、中国軍とは最初から対等に戦えないわけで、台湾は見殺しにする他ない。残念ではあるが。ガイドラインなんか政治判断で無視する。アメリカとの国際公約とか、そんなものが国民の生命と引き換えになるか。

残念だが、尖閣はあえて奪わせる。死守するだけの戦略的価値は少ない。

こういう「忍従政策」でないと、日本の生存がきっと危うくなるだろう。

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