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朝日新聞の“愛国ポルノ的ヘイト社説”

2016年7月、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は、南シナ海に関する中国の領有権主張を退ける判決を下しました。これを受けて翌日、朝日新聞は「中国は法秩序を守れ」という、目を疑うような記事を掲載しました。同紙いわく、

中国政府は裁判に参加せず、判決に従わない旨を明言してきた。領有権を当然視する一方、こうした問題は当事者間で協議すべきだと主張した。しかし、そもそもフィリピンによる提訴は、ルソン島西方沖の岩礁の支配権を、中国が公船を繰り出して奪い取ったのがきっかけだ。実力を行使しておいて、当事者間で話し合おうというのは身勝手にすぎる。

こう批判した上で、次のような説教で締めくくった。

中国による周辺海域への軍事的進出や一方的な資源採掘に、近隣国は懸念を強めている。国際秩序の枠組みから逸脱した国に長期的な発展はない。国際協調がもたらす重い価値を、習政権は熟考すべきだろう。

何を今さらこんな当たり前のことを、上から目線でしれっと言い始めるのか、と唖然としました。だいたい、これでは産経新聞や右派と言葉遣いまでそっくりです。

それにしてもおかしな話ですね。たしか朝日新聞系列は「嫌韓・嫌中書籍はヘイトだ、愛国ポルノだ」と盛んに主張してきたはずです。しかも、それは内容が事実か否かという基準ではなく、批判者に一律のレッテル貼りをする――つまり「相手の人格を攻撃して悪魔化する」という政治的手法に等しいものでした。ところが、そう主張してきた当事者が臆面もなく「嫌中社説」を掲げるわけです。

すると、朝日自身の論理によると、この社説は「愛国ポルノ的ヘイト社説」ということになるのではないだろうか。

しかし、問題はそんなところにあるのではありません。私はこの豹変にある種の「転換点」を見出しています。次回に述べます。