米軍が北朝鮮に対して予定している今回の軍事作戦は、人類がこれまで見たことがない「究極のエアシーバトル」になるのではないか、と私は予想する。
朝鮮人民軍は、コンピュータを備えた機械に殺戮されていくだろう。
米軍は史上空前の戦力の集中・一挙投入作戦を行うと思われる。
まず電子戦機による電波妨害やサイバー攻撃によるコンピュータの撹乱などを行う。
ほぼ同時に、イージス艦や攻撃型潜水艦から、数千発のトマホークミサイルを発射する。
また、空母、在韓・在日米軍基地、グアム島基地などから数百機の爆撃機・戦闘機が飛び立ち、目標に対して精密誘導爆撃を行う。
それらの大量のミサイルや爆弾は、北朝鮮側の司令部、戦闘指揮所、通信施設、レーダー、対空砲、社会インフラ(水道・電力・石油施設等)などを確実に破壊する。
これにより、北朝鮮側は開戦初期に通信網が麻痺し、指揮系統が混乱して、非常用の電源や水源以外使えず、かつ敵に対して盲目同然となる。
これらの空爆はまた、軍事境界線の北側にある長距離砲やロケット砲の収納庫やその出入り口を確実に破壊していく。たとえ横に掘られた坑道の入り口であっても、巡航ミサイルは正確に命中する。地下施設に対してはバンカーバスターもどんどん使用する。
また、軍事境界線の北側に対しては、韓国側から対砲兵射撃も行われる。
こうして直接、敵の陣地や拠点を叩くだけでなく、重火器が地下や坑道から容易に出て来れないようにする。また、米軍の偵察衛星・航空機は瞬時にそれを察知する。
ただし、北朝鮮側も、その猛烈な砲爆撃をかいくぐって、何百発かの榴弾やロケット弾をソウルに対してぶち込むことに成功するだろう。当然、人命も失われるだろう。
しかし、北朝鮮が1万基以上の長距離砲やロケット砲をソウルに向けて斉射するという、一般的なイメージからすると、実際の砲撃はかなり軽微なものとなる。
(↓よって、実際にはこういう戦争にはならないと思う)
もちろん、米軍は、北朝鮮の核関連施設や弾道ミサイル施設、化学・生物兵器施設に対しても、巡航ミサイルや精密誘導爆弾による空爆を行う。
しかも、こうした攻撃を第二波、第三波と繰り返す。
北朝鮮からすれば、息つく間もないほどの爆撃に次ぐ爆撃の嵐に見舞われる格好だ。だから、地下に潜んで、間隙を縫って反撃する、という形をとらざるをえない。
米軍もすべての地下施設や出入り口を把握しているわけではない。
しかし、米軍は制空権を確保すると同時に、ヘリ部隊や大量の無人機を放つ。従来のプレデターだけでなく、新型のドローン兵器も投入するだろう。
そういったヘリ部隊や無人機が24時間、地上を監視する。何か怪しい動きがあれば、車両だけでなく歩兵に対しても、容赦なくミサイルをぶち込む。
朝鮮人民軍がこそこそと夜間に行動しても無駄。赤外線センサーですべて丸見え。むしろ、夜間のほうが敵の動きが分かりやすいくらい。
つまり、米軍からすれば、北朝鮮の“反撃”は、かえって秘密の出入り口の存在を教えてくれるものですらある。
以上のように、作戦開始以降、朝鮮人民軍側はほとんど反撃らしい反撃もできないまま、米軍の超ハイテク戦法の前に一方的に殺戮されていくだろう。
おそらく、以上が、マティス国防長官が臭わせた、「韓国の首都ソウルを北朝鮮の報復で「重大な危険」に陥らせることのない軍事的手段」ではないかと想像する。
私は軍事の専門家ではないので、細かいところで間違っているかもしれない。しかし、大筋ではだいたい合っているのではないかと思う。
日本に弾道ミサイルは降ってくるのか? そして次なる標的イラン
私たちにとっての最大の関心事である。
上記のように、北朝鮮がソウルに向かって長距離砲を大量に撃ちまくるとか、日本に向けてスカッドやノドンを撃ちまくるといった、一般に喧伝されている類いの攻撃はない。
つまり、懸念されているような「弾道ミサイルの飽和攻撃」はないと思われる。
ただし、彼らは間隙を縫って、数発か、数十発か、撃つことに成功するだろう。
液体燃料式の「火星」型は準備に時間がかかるので、やはりスカッドやノドンがメインになる。何発かは日本の都市部に着弾し、被害をもたらす可能性も考えられる。
核弾頭が搭載されていないことを祈るばかりである。
しかも、あまりに米軍の砲爆撃が激しくて、朝鮮人民軍が撃てないならば、米軍はあえて隙を作って“撃たせる”ことすらやるだろう。米軍はそれくらいの余裕すらある。
私は当初、「世間からどう見られるか」を気にして、このサイトではあまり陰謀論めいたことは言わないようにしてきたが、もう開き直ることにした。
その理由はミサイルディフェンスを実戦テストしなければならないからである。早期警戒衛星やXバンドレーダーも含めた全体システムとして、どう機能するか。何か改善すべき欠点はないか。新たな攻撃方法だけではなくて、ディフェンスの方もテストしなければならない。これは本番(第三次世界大戦)前の貴重な機会なのである。
おそらく、8~9割は迎撃可能なはずだ。しかし、何発かは着弾する可能性がある。それに核弾頭が装備でもされていれば、目も当てられない惨状になる・・。
そのほか、日本にとっての脅威といえば、潜伏済みの工作員によるテロ・破壊活動・後方かく乱などが挙げられる。
主要な標的の一つは、大きな二次被害を誘うエネルギー関連施設だ。
こういった「究極のエアシーバトル」は、第三次世界大戦だけでなく、対イラン戦前のテストも兼ねている。ちょうど、ここへ来て、イラン情勢も緊迫化してきた。
トランプ大統領は、9月の国連総会で、北朝鮮と並んでイランを酷く非難した。
これに対して、イランがトランプ本人に対して「ならず者」と切り替えしたまではよかったものの、イスラエルを仮想敵とする弾道ミサイルを発射するという余計なことをしてしまい、かえってトランプの主張が正しいことを認めてしまった格好だ。
イランがちょうどイスラエルに届く能力のある弾道ミサイルの発射実験を行ったところだ。やつらもまた北朝鮮と一緒に動いているのだ。われわれが結んだ合意は妥当じゃない。
私は前々から当サイトで、北朝鮮とイランが裏で核・ミサイル開発を連携しているため、北朝鮮の同問題の背後にはイスラエル(ユダヤ)もいると指摘してきたが、今回の発射実験を受けて、ついに米大統領自らそれに言及し始めた格好だ。
いずれイラン核合意は破棄される。そして次は中東が戦争の舞台になる。
実は、もともとマティス国防長官やフリンまたその後継者のマクマスター補佐官も、中東戦争のために雇われた人材である。最初からそういう予定になっている。
いずれにしても、私たちは、今度の朝鮮戦争で、米軍の最新テクノロジーを結集した真に21世紀型の驚くべき軍事作戦を目撃することになると思う。
だが、この戦争の「異常さ」は、むしろこの「後」にやってくる・・・。(つづく)