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なぜ東京五輪開催時には北朝鮮という国は存在しないのか

アイキャッチ画像および文中画像は、2015年10月2日NHKニュース「ネタニヤフ首相の国連総会演説」から

5ヶ月前、私が『ヒロシマ、ナガサキ、そしてカナガワ』『「局外中立」ならそもそも北の核ミサイルは飛んで来ない』(*いずれも当時「アゴラ」掲載)等の記事で主張したことが、ようやく専門家の間でも真剣に議論されるようになりました。ただ、いつも何か事が起こった後で、しれっと“リアクション評論”や“後出しジャンケン評論”をするのは、あまり感心しません。

もとより、専門家やプロが意外と当てにならないことは、福島第一原発事故前の彼らの姿勢を振り返ってみればよく分かります。戦前も、他の誰でもない、軍事のプロ中のプロであるはずの陸軍大学校卒のエリートたちが、戦略的に間違った戦争指導をして日本を破滅させました。しかも、机上の空論とは一線を画す“現場のプロ”ならば危機の本質を見抜き、的確に予測できるのかというと、必ずしもそうとは限りません。事実、米・イラク戦争の際、そう自負するジャーナリストたちの中には、戦争目的が中東の地下資源にあるという“素人の見方”を嘲笑していた人もいました。要は、専門家やプロだからといって、その人が本当に自身の専門分野を正しく分析するとは限らないということです。

そもそも「日米韓3カ国の連携を強化しなければならない」とか、「自分たちが滅びることが分かっているのに北朝鮮が核兵器を使うはずがない」といった、ある種の常識や前提を疑いもしない硬直した思考姿勢からして問題です。とりわけ、安倍政権や与党の面々だけでなく、左派的なメディアまでもが常に「日韓の連携強化」という結論に落ち着くのはなぜなのか。それは実際にはただの思い込みであり、偏見や先入観の類いにすぎません。その種の固定観念から自由になるだけでも、対策のレパートリーはぐっと増えます。

だから、私はこれからも「素人」と断った上で、堂々自分の考えを述べます。

◆ユダヤという要因も勘案しないと極東情勢は分からない

さて、前置きはこれくらいにして、今回は、専門家とメディアの議論からは未だに表面に出てこない要素を取り上げたい。

それは二つありますが、今回はその一つです。それが日米韓の対北包囲網の背後に隠れているユダヤの存在であり、彼らの意志です。

彼らがいかにして19世紀後半からイスラエルを建国したか(教科書的な歴史ではシオニズムが本格スタートしたのはテオドール・ヘルツェルたちが1897年にスイスのバーゼルで第1回世界シオニスト会議を開催して以降と言われているが)。また、第二次大戦後、イスラエルはいかにして4度もの中東戦争をくぐり抜けてきたか。当時の状況を見れば、いずれも絶対に不可能としか思えないことです。それを彼らはやり遂げてのけた。知恵・情報・資金・人脈・戦略など、ありとあらゆる手段を駆使して。どれだけ恐ろしい、驚嘆すべき能力をもつ民族であるかがよく分かります。

要は、内外のユダヤ人たちが、そうまでして必死の思いで支え続けてきたのが、祖国イスラエルということです。彼らの凄まじい執念と情報力、戦略性は今も衰えていません。それは周辺仮想敵国が次々と没落していった事実からも分かります。とても偶然とは思えません。彼らは祖国と民族の生存のためには、事前にあらゆる脅威やリスクを予測し、排除しようとします。それがユダヤの生存戦略なのです。表から見ると分かりませんが、昨今の極東情勢にもそれが裏で介在していると想定しなければなりません。

◆ユダヤにとってホロコーストを再現する武器とは?

実は、その彼らの目線でいえば、北朝鮮が完全にレッドラインを超えたのが、今年4月と8月の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験成功だったわけです。

イスラエルの立場でいえば、過去の中東戦争における敵国であったイラク・シリア・エジプトについては、当面心配いりません。残る仮想敵国はイランだけです。イスラエルの空軍基地には戦術核装填のバンカーバスターが保管してあり、命令があり次第、いつでもイランの地下核開発施設に対して使用する準備を整えています。最近のニュースですが、パウエル元国務長官の漏洩メールによると、イスラエルは200発もの核兵器を持つそうです。つまり、相手を滅ぼすだけの報復能力も所有しているわけです。

しかし、イスラエルとイランとの間に「恐怖の均衡」が成り立つか否かは未確定です。それは経験則に過ぎません。しかも、宗教的な相手は必ずしも合理的に動くとは限りません。天国に行けると信じて自爆テロをやる人間もいるわけです。

当然、イスラエルなら「現実に核を撃ち合う戦いもありえる」と想定し、生存戦略を練っているはずです。

そのイスラエルにとって最大の脅威が、潜水艦からの核ミサイル攻撃なわけです。いくら不可能を可能にする民族であっても、潜水艦からいきなり核ミサイルを撃たれたら防ぎようがありません。どこに潜っているか、いつ発射するか、事前に察知することは無理だからです。つまり、ユダヤ目線でいえば、SLBMはかつてのホロコーストを再現しかねない最大最悪の脅威ともいえます。

◆北朝鮮から大量破壊兵器とその技術が拡散するリスク

イランと北朝鮮は事実上、地下で同盟を結んでいます。これまでも北朝鮮はイランに対して弾道ミサイルとその技術を売ってきました。だからイランが核開発を停止しても、北朝鮮が代理でそれをやっているという見方もできるわけです。

2015年10月2日NHKニュース

しかも、西側諸国の監視下にあっても、北朝鮮はそれを容易に輸出することができます。たとえば、イランに対して設計図と技術者だけを送る手もあります。大半の部品や機械は現地調達可能です。不可欠な部品があれば、いったん中国やロシアなどの第三国に持ち込んで、そこから送る手もあります。いつ、どの港から、どんな方法で輸出されるか、西側情報機関にもほとんど追跡不可能です。密輸ルートや大使館ルートだけでなく、重要な部品を日本で製造して送る方法もあります。実際、ミサイルの頭脳部分はほとんど日本製だと聞いたことがあります。日本とイランの間にパキスタンを挟めばいいわけです。

ですから、北朝鮮を放置していたら、イランが自国の潜水艦を改造したり、又新造したりして、潜水艦発射弾道ミサイルの実戦配備に漕ぎ着けることは「時間の問題」というふうにユダヤ側は考えるわけです。しかも、イランだけでなく、あらゆる反シオニズム国家や組織へと拡散していく事態も予想されます。北朝鮮は外貨に飢えており、国際社会から孤立していますから、逆にいえば生きるためには何でもやる必要があるわけです。

◆「トランプなら朝鮮半島で戦争をやらない」は大間違い

興味深いことに、同じ懸念は、そっくりそのままアメリカにも当てはまります。反米闘争の一環として北朝鮮が世界中の反米国家・組織にそれをばら撒いたら、もはや手がつけられなくなります。そのようなリスクはコントロールできません。その上、北朝鮮は首都ワシントンを直接狙える長距離核ミサイルの開発に取り組んでおり、完成は時間の問題とも考えられます。だから、自国の安全保障上、これ以上、北朝鮮を放置できません。

このように、「可及的速やかに北朝鮮を処断しなければならない」という点において、アメリカとイスラエルの利害が完全に一致しています。そこで「なぜ2017年以降、朝鮮半島の戦争リスクが急激に高まるのか?」という記事を書いたわけですが、つい先日の読売新聞(電子版9月18日付)にその推測を裏付けるニュースが掲載されました。

米の北朝鮮空爆も…次期政権に政策研究機関提言 読売新聞 918

【ワシントン=小川聡】米政策研究機関「外交問題評議会」は16日、北朝鮮政策の見直しに関する次期政権への提言を発表した。北朝鮮が米本土を攻撃できる核ミサイルを開発するのを阻止するため、最終的には北朝鮮への空爆も排除しないなど圧力を強化する内容だ。北朝鮮が核兵器の小型化と弾道ミサイルの技術を向上させていることに対する米専門家の強い危機感が反映されている。提言は、マレン元米統合参謀本部議長とサム・ナン元上院議員が議長を務める専門委員会がまとめた。北朝鮮の核放棄を明記した2005年9月の6か国協議共同声明の順守などを条件に、08年12月を最後に途絶えている同協議など交渉の再開を提案すべきだとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160917-00050110-yom-int

米「奥の院」直轄であるCFRが「次期政権への提言」を行った・・・これは規定路線のようなものでしょう。当然、ヒラリー政権ならスムーズにそのまま「第二次ネオコン政権」になります。では、トランプが大統領に選ばれた場合、どうなるのでしょうか。

私は「結局は同じ」と考えています。トランプ候補は「なぜ朝鮮半島の戦争にわれわれが巻き込まれねばならないのか」と疑問を呈し、在韓米軍の撤退を示唆しています。しかし、彼が大統領に就任すると、すぐさま「北朝鮮はアメリカの安全保障にとって重大な脅威である」というレクチャーが繰り返され、信じ込むように仕向けられるでしょう。そして、いったんそう認識すれば、彼はむしろヒラリー以上に北朝鮮を滅ぼしに掛かるはずです。彼はあくまでロシアとのデスマッチを避けたいと考えている人物だと思います。

というわけで、2017年の米新政権の発足から事態は急に進展するに違いありません。米・ユダヤにしてみれば、もはや北朝鮮を生かしておくことはできないのです。北朝鮮を処断しなければ「我が身が危ない」段階に入ったのです。繰り返しますが、とくにユダヤにとって、先の潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験の成功は、レッドラインを超えた“決定打”となりました。しかも、アメリカ目線でいえば、「長距離核ミサイルの技術が完成安定化するまで」というリミットがあります。それらを勘案すると、対北攻撃は2017年から数年以内に実施されると考えて間違いないと思われます。つまり、2020年に東京オリンピックが開催される(として)頃には、北朝鮮という国は存在しない可能性が高い。

しかし、米・ユダヤ目線では「自分たちへの脅威さえ取り除くことができれば、それでよし」であることを忘れてはいけません。そのために、ソウルや、在日米軍基地を有する日本のどこかの都市が、断末魔の独裁者によって報復核攻撃されても構わないわけです。アメリカからすると、我が身の一部を刺される苦痛でしょうが、「本体」を守るためにはやむをえない犠牲と映るでしょう。だが、ユダヤからすると、一向に差し支えのない、何ら気に病むことのない出来事なのです。日米韓の裏で画策するそんな彼らの動きが、専門家の視野からは完全に抜け落ちていることを、私はここに指摘しておきます。




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Takaaki Yamada: