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中国共産党の本質は暴力そのものであり、また戦いに戻る(後編)

出典:sputniknews.com

さて、話が脇道に反れた(前編は以下)。

中国共産党の本質は暴力そのものであり、また戦いに戻る(前編)
国共内戦、朝鮮戦争、中ソ紛争、中越戦争、そして天安門事件。 これらを見ると、中国共産党とは、軍隊であり暴力そのものである事実が分かる。 毛沢東は「革命は銃口から生まれる」と言った。 軍略家である毛は、日本軍と国民党軍を戦わせ、漁夫の利をさら...

当時の中国に急進的な自由化を警戒する空気が生まれていたのも事実。

だから朝日新聞と田邊誠がうまく中国の守旧派を扇動できたともいえる。毛沢東時代の反動で堂々と政府を批判したり、民主化を掲げたりする真似は時期尚早というわけだ。

その胡耀邦は失脚して亡くなり、学生が悲憤して、あの天安門事件へと繋がる。

前回言ったように、野戦軍を指揮していた元将軍の鄧小平は容赦なく武力鎮圧した。

人民解放軍はあくまで「党」の軍隊ナチスの突撃隊と同じ

天安門事件は、親日でちょっと猫を被っていた中国が、その本性をむき出しにした瞬間だったと言えよう。同時に鎮圧に反対した“軟弱派”が排除された契機でもあった。



鄧小平が江沢民と胡錦濤を指名したわけ

しかし、鄧小平は一方ですごい慧眼の持ち主でもあった。

あえて軍歴のない者を「次の時代」の指導者に選んだのである。

それが江沢民と胡錦濤だった。

江沢民・・・第5代国家主席 1993年3月27日~2003年3月15日

胡錦濤・・・第6代国家主席 2003年3月15日~2013年3月14日

江沢民が主席になってから、中国は「反日」へと急旋回した。

しかし、その話はこの稿の趣旨ではない。

大事なのは、鄧小平がエンジニアを選んだということ。その心は?

これからの時代が「経済建設による富国」であることを見抜いていたからだろう。

つまり、二人を後継者に選んだのは「これからの20年は経済でいけ」という、全中国に向けた鄧小平のメッセージだったのである。

その考えが正しかったことは、その間の中国の凄まじい発展で証明された。

そして、今の日本人が「よく知っている中国」とは、その間の中国である。

私たちはついそれを「当たり前」と思ってしまっているが、むしろ中国共産党的には「例外」だった時代ではないか、というのが私の説である。

言ったように、中国共産党の本質は軍隊そのもの。

そして、習近平でまた「先祖がえり」を始めたというのが私の見方である。

では、この習近平なる人物は、いったい誰が何の理由で選んだのだろうか。

胡錦濤時代に二階級特進で政治局常務委員入りした頃から決まっていたようだ。

この頃は上海閥が隆盛を誇っていたから、江沢民の意向抜きには、ありえない。

しかし、江沢民・上海閥は「これからの中国を託せるのはこの人物しかいない」という真摯な想いで、推したのだろうか。とてもそうは思えないが・・。

実は「習近平もまた鄧小平が選んだ」説がある。この辺の真相は私にも分からない。

中国共産党はまた元の姿に戻り、習近平時代に必ず世は乱れる

いずれにしても、中国共産党の「先祖がえり」は習近平の台頭と見事に一致する。

習近平が国家副主席に選出されたのが2008年3月。これで次の指導者に就任することは確定的となった。そして、彼は軍部に強い影響力を持つようになる。

この時期、2010年9月には「尖閣諸島中国漁船衝突事件」、2012年9月には「官製反日暴動事件」が起きている。日本人は改めて中国の異常な攻撃性を思い知った。

これは胡錦濤の指示ではないとの見方が一般的だ。つまり、黒幕は習近平だろう。

そして、習近平はいよいよ国家主席に就任するが、その直前、中国研究者の遠藤誉氏によると、まず軍内世論を固めにかかったそうだ。

なんと軍人一家と次々と個別に面談して、支持を取り付けた。

そして政権一期目。習近平は汚職摘発を熱心にやった。

これで政敵を排除すると同時に、うまく国民の間で人気を高めた。大衆の支持も必要と考える点は新しい。また、胡錦濤の共青団と江沢民の上海閥の影響力も低下した。

さらに軍服を着て閲兵するなど、自身が軍事指導者のごとく振る舞い始めた。

また、南シナ海をすっかり軍事基地化してしまった。

次に政権二期目。彼は全世界を驚かせたというか、不快にさせた。

2018年3月、二期目の発足にあたり、なんと国家主席の任期制を排した

つまり、事実上の終身主席。習近平が個人独裁強化に走ったことは中国内でも批判が上がっているが、政権はそれを罰則・統制強化で封じ込めようとしている。

この前に、逆神「鳩ポッポ」が習近平をべた褒めし、自称リベラル派たちが靴を舐めかねない勢いでヨイショしていたので、私は悪い予感がしていたのだが・・。

しかも、国内の批判が強まったところへ、アメリカが「中国打倒政策」を隠さなくなり、うまく「外敵役」を買って出てくれた格好。悪運が強い。

だから、経済的には困っても、政治的にはむしろ救われた格好かもしれない。

習近平は軍に対して自分を最高司令官として崇めるように促している。

前にも触れたが、今年10月は人民中国建国70周年であり、彼は「目に見える成果」を欲しているのではないか。しかも、歴史的に独裁者がいつも欲しがる成果だ。

それこそが「軍事的勝利」である。又それによって英雄になることだ。

米ペンタゴンも「中国が台湾侵攻を計画している」と警鐘を鳴らすようになった。

このタイミングで、おそらくアメリカはイランとの戦争を始めるつもり。

当然、習近平はイランを背後から支え、泥沼化を目論むだろう。

その時、この男は動くだろう。台湾を取りに。

私は習近平が必ず戦争をやると確信している。なぜなら、国家副主席に就任した辺りから、彼の「軍事指向」は一貫しているからである。

習近平は自分で軍隊を指揮して、戦いたいのだ。そのことは私からすると分かり易いほどだが、その一貫性に気づいている人が日本にどれだけいるだろうか。

結局、中国共産党のミームは変えられないのである。

Takaaki Yamada: