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トランプ次期政権はやはり北朝鮮を殺る!

出典:Newsweek

これまで散々、トランプさんが極端にイスラエル寄りの人であることは説明してきました。それゆえ、彼が米大統領としてイスラエルをバックアップするので、近い将来、イスラエルとイランとの戦争は不可避である、と。

このことは、たぶん、2017年の半ばくらいになったら、世間でも騒がれると思います。それで、とんでもない人物を大統領に選んじゃった、まだヒラリーのほうがマシだったんじゃないか、とまで懸念されるようになると思います。

すでに2019年から米がイスラエルに対して史上最大の軍事援助を行うことが決まっているので、戦争の時期としてはこの頃が怪しいですね。

では、朝鮮半島のほうはどうなるのでしょうか。



第二次朝鮮戦争の予定に変更はなし

私の考えは以前と同じです。以下の記事の中で、「『トランプなら朝鮮半島で戦争をやらない』は大間違い」という中見出しをつけて、次のように記しました。

なぜ東京五輪開催時には北朝鮮という国は存在しないのか
5ヶ月前、私が『ヒロシマ、ナガサキ、そしてカナガワ』や『「局外中立」ならそもそも北の核ミサイルは飛んで来ない』(*いずれも当時「アゴラ」掲載)等の記事で主張したことが、ようやく専門家の間でも真剣に議論されるようになりました。ただ、いつも何か...

当然、ヒラリー政権ならスムーズにそのまま「第二次ネオコン政権」になります。では、トランプが大統領に選ばれた場合、どうなるのでしょうか。

私は「結局は同じ」と考えています。トランプ候補は「なぜ朝鮮半島の戦争にわれわれが巻き込まれねばならないのか」と疑問を呈し、在韓米軍の撤退を示唆しています。しかし、彼が大統領に就任すると、すぐさま「北朝鮮はアメリカの安全保障にとって重大な脅威である」というレクチャーが繰り返され、信じ込むように仕向けられるでしょう。そして、いったんそう認識すれば、彼はむしろヒラリー以上に北朝鮮を滅ぼしに掛かるはずです。彼はあくまでロシアとのデスマッチを避けたいと考えている人物だと思います。

というわけで、2017年の米新政権の発足から事態は急に進展するに違いありません。米・ユダヤにしてみれば、もはや北朝鮮を生かしておくことはできないのです。北朝鮮を処断しなければ「我が身が危ない」段階に入ったのです。

(*赤字・傍線は現在の筆者)

米・イスラエルの安全保障上の利益が完璧に一致!

アメリカは二つの点で、もはや北朝鮮を容認できません。

第一に、北朝鮮の長距離弾道ミサイルが全米を射程圏内に入れるのは「時間の問題」です。2016年2月に北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイルの射程は1万2千キロ。米東海岸に届く距離です。あとは、ミサイルの発射飛行を安定化させ、核弾頭を装備すればいい。これは純粋に技術問題であり、いずれクリアできます。

第二に、北朝鮮は世界中の反米国家・反米勢力と連携しているため、同国を放置していれば、その兵器と技術が拡散するリスクがあります。北朝鮮としても、政治的にも、また外貨稼ぎのためにも、そうしたいはずです。不特定多数への拡散は、アメリカにとってもコントロール不能なリスクです。彼らはこれを一番嫌います。

次にイスラエル目線ですが、やはり北朝鮮を容認できません。

まず反米国家・反米勢力と、反シオニズムのそれは、かなりの割合で一致します。よってアメリカの第二の懸念は、そのままイスラエルの懸念でもあるわけです。

また、とりわけイスラエルが脅威に感じるのは、北朝鮮の潜水艦発射型の弾道ミサイル(SLBM)です。これをイランなどの反イスラエル国家が持てば、ホロコーストの再現になります。2016年8月、北朝鮮ははっきりと発射実験に成功しました。これで彼らの目線でいえば、北朝鮮は完全にレッドラインを超えたわけです。

以上のように、北朝鮮を潰すということに関して、米・イスラエルの安全保障上の利害はかくも一致しています。

トランプ政権が他律的にも自律的にも対北戦争に踏み切るワケ

出典:The Korean Times

しかも、そうすべきだと、CFR(外交問題評議会)が「次期政権への提言」を行っています。CFRは表向き「外交問題を研究提言する非営利の団体」ということになっていますが、設立以来、米政権はCFRのメンバーで占められてきました。これは陰謀論になりますが、CFRは「見えざる政府」The Invisible Governmentの下部機関なんですね。「雲の上」が立てた方針を具体化して落とし込むための組織です。

しかし、私はそういった「雲の上」の規定路線以上に、むしろトランプ自身が自主的に攻撃積極派に転じると見ています。

選挙中、トランプ候補はこう言ってきました。

「日韓から米軍を撤収するぞ、それが嫌なら分担金をもっと支払え」

「アメリカがなんで日韓を守ってやらねばならんのか?」

「アメリカが攻撃されても日本人は何もせずに家でソニー製のテレビを見ている」

散々な言いようですね(笑)。しかも、これは全部本音でしょう。

果たして、このような考えが180度も覆るのでしょうか。

答えはイエスです。彼はもともと外交・安全保障問題に関してはド素人ですので、大統領の職に就く少し前から専門家のレクチャーを受けることになります。安保担当補佐官、ペンタゴン、CIA、国務省、シンクタンク、等など。

いかに北朝鮮がアメリカの安全保障にとって脅威か、このまま放置していては将来に禍根を残すか・・・みんな寄ってたかって彼を洗脳します。官僚や学者は専門家ですから、昔から政治家を丸め込むことにかけては天才です。

「潜水艦からいきなり核ミサイルを撃たれたら、わが国もイスラエルも滅亡しますよ」と忠告されれば、トランプはすぐに考えを改めるでしょう。ましてや、彼の一族も、婿の一族も、東部の不動産王です。だから、ロシアとの核戦争は絶対にしたくない。同じ理由で北朝鮮の長距離核ミサイルの完成を座視することもありえない。

というわけで、彼は早期に「アメリカとイスラエルを守るためには何としても北朝鮮の現政権を打倒しなければならない」と信じ込まされると思います。

また、この戦争は軍産複合体にとって最高のボーナスになります。トランプが実体経済と工業生産を重視する以上、開戦は極めて魅力的な政策に映ります。

さらに、彼は南シナ海へと進出する中国をかなり嫌っています。よって北朝鮮を殴りつけることは、中国に対するけん制にもなると算段するでしょう。

以上のことから、トランプは国防方針の継続性を理解する以上に、むしろ彼自身の考え・方針として、積極的に北朝鮮を刺しにかかると思われます。

第二次朝鮮戦争は短期決戦型、エアシーバトルにほぼ限定、韓国に被核攻撃のリスク、そして日本に後始末の押し付け・・・

むろん、トランプにも懸念はあります。彼は米兵の死者を大量に出すことに対しては強く反発するでしょう。逆にいえば、その課題さえクリアされれば、ゴーサインです。

そういうわけで、米軍の介入は、エアシーバトルにほぼ限定されるでしょう。

もう一つは、対イラク戦争の時のような、戦後統治の泥沼化。しかし、これも心配ありません。戦争の後始末は、北を吸収合併する韓国がやってくれるし、それで(財政的に)足りなければ、日本にやらせればいいわけです。「日本の安全保障上の最大の脅威を取り除いてやったぞ」という論理で、いくらでも恩に着せることができます。

かくして、日韓の米軍基地と、周辺海域に展開した空母艦隊から、北朝鮮に対して大規模な爆撃が行われることになります。言ったように、最初の空爆で、北朝鮮の核関連施設と長距離ミサイル関連施設を破壊し、先んず米本土への脅威を除去するでしょう。

たぶん、初期の空爆で北朝鮮の軍事力はほとんど壊滅します。しかし、自分が死ぬときには、金正恩は敵を道連れにしようとします。彼は韓国に対して核ミサイルの発射を命じるのではないでしょうか。「同じ民族の南に対しては使わない」は希望的観測です。日本も神奈川や沖縄等が核攻撃されるかもしれません。

このように、トランプ政権の誕生で、米ロ対決の時期はひとまず遠のいたかもしれませんが、対北朝鮮戦争の方針に関しては以前と変わらないというのが私の見立てです。

米・イスラエルの安全保障のため、軍産複合体へのボーナスのため、海洋進出する中国をけん制するため・・・こんなことのために、普通の暮らしをしているまったく無関係な人々が大量虐殺されるかもしれない・・・本当に反吐が出ます。

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新世界より From The New World
By 山田高明 Takaaki Yamada
Takaaki Yamada: