北朝鮮が日本に向けて(核)ミサイルを発射すれば、一般の日本人が犠牲になる。
同じ犠牲者でも、市民と軍人では政治的意味が違ってきます。
また、北朝鮮の工作員が何百人か、何千人か分かりませんが、日本に潜伏済みです。有事の後方かく乱などのテロ攻撃要員は間違いなく存在しています。
戦争になれば彼らが生物化学兵器などを使用する可能性は十分あります。
私はもちろん戦争になど絶対になってほしくないが、もはや事態は米朝のトップと、あと中国などの影響力のある国の判断にゆだねられている感があります。
「事」が起きれば、私たちはなぜそんな事になったのか、誰に責任があるのか、追求しなければならなくなる。そのために役立つのが金昌烈(キム・チャンヨル)氏の『朝鮮総聯の大罪 許されざる、その人びと』(宝島社)という本です。
朝鮮総聯の大罪 許されざる、その人びと
以下は、またこの本からの引用です(*赤字は筆者による)。
今回がラストです。これまでも貴重な情報が満載でしたが、最後は今までにも増して、ものすごい内容に満ちている。
核・ミサイル・生物兵器などの開発に必要な機器とはどのようなものか。
在日系企業がどのようにしてそれを密輸してきたのか。
密輸の巧妙化・国際化の実態とは。
北朝鮮が兵器開発に必要な頭脳・人材をどのようにして集めたのか。
日本から移転された技術が核・ミサイルなどの開発にどのように役立ったのか。
そして、万景峰号とは何だったのか。
その驚くべき実態が以下に語られている。
(以下引用P146~158)
世界に広がる北朝鮮の密輸網
さらに最近では北朝鮮の弾道ミサイルに対する危機感の高まりとともに、より徹底した摘発が進められている。
二〇〇三(平成一五)年五月八日、東京大田区の貿易商社「明伸」が警視庁公安部の家宅捜索を受けた。核・ミサイル開発に転用可能な「直流安定化装置」を、香港・タイを通じて、北朝鮮に不正輸出しようとした疑いだった。
さらに公安・通関当局の調べで、同月一八日には、「明伸」を含む在日朝鮮人系企業六社がミサイル、核・生物・化学兵器の製造・開発に転用の恐れがある装置や原材料の発注を受けていたことが明らかになった。すべて朝鮮総聯と関係の深い企業だ。
具体的には次のようなものが発注されていた。
- ミサイル関連
直流安定化装置、直交流併用パルスTIG溶接機、電子天秤、ステンレス鋼、水銀
- 核閱連
直流安定化装置、電子天秤、ガスクロ分析器
- 生物兵器関連
真空凍結乾燥機、恒温培養槽、電子天秤
- 化学兵器関連
電子天科、ガスクロ分析器
これらは九○年代後半以降に受注されていた。
例えば、TIG溶接機は電子制御で金属の精密な溶接加工ができる。
特に、高度の耐酸性を要するウラン廃液用のパイプやタンクの溶接が容易になる。ミサイルの機体の加工に使えば命中精度を向上させることができる。
また、真空凍結乾燥機はいわゆるフリーズドライの装置だが、生物兵器の製造、保管や弾頭への充填の際に利用できるため、輸出が規制されている。(略)
この他にも、中小の業者で、規制の網の目をくぐって兵器開発に転用できる機器・資材を北朝鮮に輸出する在日系商社が後を絶たない。これらの商社も、一本釣りされた「在日朝鮮人工作員」同様、北朝鮮にいる家族・親族を人質にとられている。だから、あえて法を犯してでも、北朝鮮の要求に応じて軍事関連物資を輸出しようとするのだ。(略)
この「明伸」の例で重要なのは、香港・タイなど第三国ルートを利用していることだ。例えば、タイには先端機器を対象とした厳格な輸出規制がない。このため、ココム違反の軍需物資を北朝鮮に持ち込む際の中継地点として使われる。また、タイに限らず、東南アジアは長らく北朝鮮のスパイの温床となってきた。香港も同様だ。(略)
こうした北朝鮮の密輸組織網はすでに全世界規模に及んでいる。
万景峰号の日本入港を差し止めても密輸の方法はいくらでもある(*筆者題付け)
二○○三(平成一五)年四月、地中海をスエズ運河に向かって進むフランス船籍の貨物船ビ ル・ド・ビルゴ号に、仏当局から緊急連絡が入った。
同船がドイツのハンブルク港で積み込んだアルミ管二二トンが北朝鮮のウラン濃縮装置に不正転用される恐れがあるというのだ。
書類上は、輸出先は中国の航空機メーカーだった。しかし、北朝鮮の会社が仲介業者として名を連ねていた。これを目にしたドイツの情報機関が、フランス政府を通じて、コンテナの引き渡しを求めた。その結果、この緊急連絡となったのだった。(略)
二か月後、ドイツ検察当局は次のような恐ろしい発表をした。
「二二トンの輸出はリハーサルに過ぎなかった。これが成功したら、二○○トンのアルミ管を北朝鮮に不正輸出する計画が建てられていた」
年に核爆弾四~五個分の高濃縮ウランの製造設備に相当する量だった。忘れてはいけない。 その核ミサイルは日本を最重要目標としているのだ。
北朝鮮の密輸網の国際化に伴う問題の深刻化はこれにとどまらない。(略)
北朝鮮は万景峰号の日本入港を差し止められても、すでに痛くもかゆくもないと言う。中国など第三国の船で日本から軍事物資を密輸するようになっているからだ。
そもそも北朝鮮船籍が日本で問題にされるのであれば、船籍をリベリアなどの「便宜置籍国」に換えればそれで済む。こうした業務を引き受けている国々は、手数料と引き換えに保険や税金を支払ったり、海難事故をはじめとするトラブルの処理を代行してくれたりする。(略)
北朝鮮はすでにこうした制度を密輸に悪用している。また、中国と互いに船籍を入れ替えて日本の当局からの監視の目を逃れている。北朝鮮船に対する監視が厳しくなると、北朝鮮の船は船籍を中国に換える。そして、中国船に対する監視の日が厳しくなったら、リベリアなどに船籍を引き受けてもらうという具合だ。(略)
北朝鮮に流出する日本の頭脳
北朝鮮の産業スパイはすでに述べたように、自分が何をしているか、はっきりした自覚がないままに協力している場合が少なくない。
しかし、その背後にはもちろん大きな組織の影がある。そうした組織の一つが在日朝鮮人の「科協」と言われる「在日本朝鮮人科学技術協会」だ。
朝鮮大学校では理科系の学部は少ないし、学問的水準も高いとは言えない。そこで在日朝鮮人の中で日本の理工系大学出身者や大学研究者をスカウトして、調査研究部門をつくった。これが科協の始まりだ。
科協は機械、コンピュータ、建築や土木工学、化学などの各分野に分かれている。もともは北朝鮮の民生技術の発展を日的としていた。
ところが、金正日の指令で北朝鮮が核・ミサイルの開発を中心に、軍事技術の強化に力を入れ始めると、科協の役割も軍事技術の習得に重点が置かれるようになった。
ミサイルを飛ばすには、燃料の研究から姿勢制御、材料工学など、多くの先端技術が必要だ。核開発のための燃料の再処理や原子力発電所の運用も同じだ。
そこで、企業に潜入させた工作員に必要な技術や情報を習得させ、リポートにして提出させ たのである。当人にその自覚があるかないかに関係なく、在日朝鮮人の技術者を総動員してスパイ活動を繰り広げたのだ。
それでも、核やミサイル開発の中核となる技術については、末端の工作員にはつかめない。 そうした場合、先端企業・研究所の日本人研究者の協力を求める。大金を払って、密かに北朝鮮に入国させ、技術協力を依頼するのだ。
とくに、ミサイル基地をはじめとする地下軍事施設の建設には、日本から移転された技術の役割が大きかった。
地下工場の建設には土木技術がが役に立つ。備蓄用の食品の保存・加工には、食品企業の技術が役に立つ。こうして、日本で一定の技術を身につけた在日朝鮮人には本国から帰国命令が出ることがあった。
彼らは万景峰号で凱旋するように「帰国」し、最初は英雄扱いされるが、やがてとてつもない困難に直面させられる。(略)そうして、二度と日本に戻ってこれないケースが多かった。
また、こうしたエリート技術者は比較的裕福な家庭の子弟であることが多かったから、人質という意味も併せもっていたようだ。このように、万景峰号は、物資に加えて、日本の先端技術を習得した人材まで、北朝鮮に送っていたのである。(略)
万景峰号とは本当は何だったのか(*筆者題付け)
こうした技術情報や電子部品などを密かに北朝鮮に運んでいるとみられるのが、日本と北朝鮮を結ぶ貨客船「万景峰92号」(九六七二トン)だ。
約二〇〇トンの貨物と二五〇~三〇〇名ほどの人員を運ぶことができる。(略)新潟―元山間を一泊二日で航行できる。
万景峰号は多いときには年二○~三○回往来し、在日朝鮮人の祖国訪問や物資輸送に利用されてきた。北朝鮮の統一戦線部に所属しており、対日工作や現金の輸送にも使われている事実が指摘されてきた。
一九五九(昭和三四)年から始まった在日朝鮮人の帰国運動により、新潟港と北朝鮮の清津港の間に準定期航路が結ばれた。この航路を通じて、六七(昭和四二)年一二月までに八万八六一一人が北朝鮮に「帰国」した。
実際のところ、その大半は南朝鮮=韓国出身者であったが、日朝両政府や朝鮮総聯、そして日本共産党などの左翼勢力の宣伝や後押しによって、北朝鮮を「地上の楽園」と信じ、旅立っていったのだった。
その後、帰国船の運航は一時中断されたが、七一(昭和四六)年に再開された。このとき、 初代万景峰号が登場した。(略)
その背後では対南(韓国・日本)工作活動の具体的な指令も任務としていた。韓国の朴正熙大統領夫人を狙撃した文世光も万景峰号を訪問している。この他、日本を震城させた多くの工作員がこの船で指令を受け任務を遂行した。
万景峰号には船の運転などを指揮する普通の意味の船長の他に、「指導船長」という者が乗船しており、この人物が工作活動をはじめとする万景峰号の活動を指揮している。
指導船長をはじめ、万景峰号の乗員のほとんどは、船員とは名ばかりで、実体は秘密警察やスパイ、そして第二経済委員会の密輸工作員だ。
韓国の朴正熙大統領は「万景峰号を撃沈せよ」と指令し、この情報を受けた北朝鮮は以後、初代万景峰号に潜水艦二隻を護衛につけるようになったと言う。日本に入港すると、万景峰号は完全に朝鮮総聯中央の管理下に置かれ、末端の商工会のメンバーなどにとっては、近づくのも畏れ多い場所だったと言う。(略)
一九九二(平成四)年四月、収容人数三○○人規模の大型貨客船・万景峰92号が就航する。 朝鮮総聯が資金と技術者を北朝鮮に送って建造した船だ。使われている部品、材料、工作用の機材などもほとんどが朝鮮総聯が日本から送ったものである。(略)
万景峰号とは軍艦でありスパイ船だった(*筆者題付け)
実際、万景峰号ただ一隻が、金王朝の北朝鮮支配、対日戦略になした貢献ははかりしれない。朝鮮総聯による北朝鮮への送金はもちろん、北朝鮮への戦略物資の密輸に使われているのは、もはや公然の秘密と言っても過言ではない。
万景峰92号は船底に軍事用のソナー(音響探知機)を装備している。(略)
万景峰号のソナーは二つの機能を持っている。一つはアクティブソナーによる探知機能で、 日本海の海底の地形を調査して北朝鮮の潜水艦の活動を助けるためのものだ。
これによって北朝鮮の潜水艦はやすやすと海上自衛隊や米海軍などの目を逃れ、あるいはこれを撹乱して、日本海を我が物顔に動き回ることができる。
日本人拉致や密輸をはじめとする工作活動のための潜入経路も万景峰号によって事前調査されていたわけだ。もちろん、日本やアメリカの潜水艦を探知することもできる。
もう一つは水中通信機能で、北朝鮮の潜水艦との連携作戦に使われる。
繰り返すが、万景峰号は北朝鮮のスパイ組織三号庁舎の一機関である「統一戦線部」に所属している。このことから考えても、万景峰号はある種の「軍艦」であり、スパイ船であると考えなければならない。
にもかかわらず、軍事用ソナーを装備しているという理由で、万景峰号を取り締まったり、入港を拒んだりすることはできないというのが、日本の現状だ。
しかも、この巨大な工作船はほぼ毎年、塗装やエンジン調整などのために広島県内の造船所にドック入りしている。
つまり日本は、奇妙なことに日本へのテロ活動、日本を標的とした大量殺戮兵器開発に使われている北朝鮮の工作船の補修作業まで請け負っているのだ。
これらは北朝鮮のコントロールが日本政府・公安機関などの中枢にまで及んでいるからこそ可能になる。
万景峰号は北朝鮮という病原体に侵された日本国家の腐敗の象徴だ。(後略)
(以上引用終わり)
後日、責任者を追及するために
どうだろうか。
ぞっとするエピソードの連続です。
日本を破滅に追いやる工作船である万景峰号を、当の日本の造船所が修理して来たというエピソードに至っては、目眩すら起きる。
以下がこれまで紹介した金昌烈(キム・チャンヨル)氏の情報です。
私たちは長年、北朝鮮が日本を利用して大量破壊兵器を開発することを見過ごしてきた。それが当の日本に向けられているにも関わらず。
その行為には朝鮮総連と多数の在日コリアン、そして日本人の裏切り者たちが関わっている。日本の大物政治家までが関わっている。
以下、その参考記事です。
冒頭で述べたように、すでに事態は私たちの手を離れている。
米朝が戦争を始めて、日本がそれに巻き込まれる可能性は非常に高い。その時、北朝鮮は核兵器を使用して、大勢の人々を虐殺するかもしれない。
言ったように、私は日本に核ミサイルが着弾する可能性は五分五分と見ている。韓国の場合はもっと可能性が高い。本当に悲惨な話だ。
上の資料は、その後の責任者追及に少しは役立つかもしれません。
朝鮮総聯の大罪 許されざる、その人びと