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北朝鮮の独裁体制を延命させた張本人(前半)

出典:The New York Times The 'Axis of Evil' Speech 2002

先日、レックス・ティラーソン米国務長官は「北朝鮮を非核化しようとする20年間の努力は失敗に終わった」と述べ、対北朝鮮政策の大転換を示唆した。

しかし、日本にも同じように対北政策における15年間の失敗」がある。

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アメリカの対北朝鮮攻撃に「待った」をかけた意外な人物

2001年、「9・11同時多発テロ」が発生すると、当時の米国は国防方針を根底から見直した。そして2002年1月、ブッシュ大統領は一般教書演説においてイラク・イラン・北朝鮮の三カ国を名指しして、「悪の枢軸 axis of evil」の烙印を押した。

米国内では、一般教書演説の数ヶ月も前から、これらの国々に対する武力行使が公然と議論されるようになった。攻撃リストの一番目として当初から名前が挙がっていたのがイラクである。そして二番目が北朝鮮だった。

2003年3月、ブッシュ政権はイラクを攻撃し、約1か月で全土を制圧した。ちなみに、戦争は国連決議抜きであり、フセインを狙った先制空爆攻撃で幕を開けた。

こうして、あっという間にフセイン政権を打倒した後、当時、政権の安全保障戦略を担っていた国防政策諮問委員会のリチャード・パール委員長は、はっきりと「次は北朝鮮」と公言した。つまり、この時点で北朝鮮は打倒される予定だった。

ネオコンを代表する人物の一人だったリチャード・パール

ところが、そのブッシュ政権に「待った」をかけた人物がいた。

それが当時の小泉純一郎総理だったのである。

彼は「私を信頼して任せてほしい」と、ブッシュ大統領を説得した。要するに自分が北朝鮮の核開発を放棄させてみせる、というのである。

ちなみに、当時韓国大統領だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏も止めた。彼は「親北派」どころか「北朝鮮のエージェント」とまで疑われていたので、これはある意味、予見通りの行動だった。ただ、どこまでブッシュ政権の政策に対して影響力を及ぼせたかは疑問だ。

それに対して、当時の小泉氏とブッシュ氏の間柄は「親友」に近かった。なにしろ小泉氏は米国のイラク侵攻を真っ先に全面支持した大国の長と言われている。

いずれにしても、当時の小泉総理は、同時多発テロ後のイケイケの方針だった米国の標的から、いったん北朝鮮を切り離すことに関して、主導的役割を果たした。

以下に述べるように、今にして思えば、小泉氏は北朝鮮の金正日体制をかばうために動いていたのではないか、という疑惑すらも考えられる。

いったい、当時の小泉氏は何を考えていたのか。日本国内で何が起こっていたのか。そのヒントになるのが「北朝鮮による日本人拉致問題」である。

米国の攻撃をかわすために日本を利用することにした北朝鮮

「9・11同時多発テロ」後、米国内で「独裁国家を順番に打倒してやる」という議論が起こり始め、北朝鮮の名前も頻繁にリストに上がるようになった。

すると、日本国内で「ある動き」が始まった。当時、外務省アジア大洋州局長の田中均が北朝鮮側の「ミスターK」なる人物と頻繁に会合するようになった。

その正体はのちに北朝鮮の情報工作機関の幹部ではないかと言われる。

出典:日本記者クラブ 現在「日本総研国際戦略研究所理事長」の田中均

のちに「田中氏がうまく北朝鮮側を水面下の交渉に引きずり出して日朝首脳会談を成功に導いた」という美談というか、手柄話に化けたが、私がある筋から聞いた話によると、どうやら事実はまったく逆さまというのが真相らしい。

実際は、交渉を持ちかけたのも北朝鮮側からで、田中氏のほうは乗せられただけという。つまり、北朝鮮のほうが生き残りのために日本を利用したのだ。

大方、北朝鮮側が「日朝首脳会談を演出して日朝国交正常化を実現すれば、あなたも外交官としてこれ以上ない名声を残せるじゃないですか」などと暗に吹き込んで、彼が欲に駆られるよう仕向けたというのが、本当のところではないか。

要するに、当時の北朝鮮としては、なんとしても米国の攻撃を回避したかった。そのために彼らが捻り出した解決策こそが、拉致問題の解決と国交正常化をエサにして日本を取り込み、米国に働きかけさせる作戦だったらしいのである。

事実、北朝鮮はそれまでも日本の政治家や官僚を懐柔し、利用することに成功し続けてきた。与野党には北朝鮮から裏金を貰ったり、女性接待を受けたりして、すっかり弱味を握られている者が少なくない。その中には自民党の大物議員もいる。

しかも、贈収賄だけがコントロールの手段ではなかった。日朝国交正常化によって日本の与野党の大物政治家にも莫大な利権が生じる仕組みになっていた。

まず当初の「戦後賠償」だか「支援」だかで、数兆円のプレゼントが北に行く。その5%が日本の政界にキックバックされる暗黙のルールがあった。さらに日朝間で輸出入が始まり、ゼネコンや漁業企業などが単独また合弁でビジネスを始めると、北朝鮮との窓口役である政治団体にマージン(献金)がいく仕組みが回転し始める。

つまり、何も「国交を回復した」という“歴史的名声”だけではないのだ。むしろ、その後の利権に、とくに自民党の大物政治家ほど目が眩んでいたようだ。当然、北朝鮮はそのことを熟知していた。だから、この一番弱いポイントを狙ったのである。

だが、何のことはない、北朝鮮からすれば、米国の軍事攻撃を逃れるだけでなく、あわよくば日本に憑り付いて、金をたかってやろうという卑しい戦略でしかない。

で、そのために北朝鮮が利用したのが拉致問題だった。この作戦にまんまと乗せられたのが小泉・田中氏だったのである。だから「手柄」どころか、ただ単に利用されたにすぎない。ある意味、当時の総理大臣とアジア大洋州局長が日本で一番頭の弱い、担ぎやすい人物だと見切ったからこそ、北朝鮮の工作もうまく運んだのかもしれない。

(中半へつづく)

*というわけで、犯人はブッシュさんではありません。誤解させるアイキャッチでごめんなさい・・・。(´;ω;`)

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