みなさん、こんにちは。
今日は少し先の未来について想像してみたいと思います。
「なかなか面白いな」と思いながらある記事を読み進めていると、いきなり次のような表示に出くわし、水を差された経験はないでしょうか?
上は朝日新聞電子版のものですが、類似のものはたくさんあります。
ちょっと集めてみました。
とまあ、新聞や雑誌のサイトでは、実にこのパターンが多い。
しかし、やれ「会員登録が必要」だの「ログイン」だのと示されると、それが有料にしろ無料にしろ、ほとんどの人は「めんどくさい」と感じると思います。
そして、結局は続きを読むことを諦めているのではないでしょうか。
私もそうです。ところが、仮に「この続きは1円で」というふうに掲示してあったら、みなさんはどう反応されるでしょうか。
面倒な会員登録は不要です。ワンクリックで「1円」を支払うだけ。
たとえば、こんなロゴがあって、ぽちっとクリックするだけです。
中には「1円支払うべきか否か」で逡巡する人もいるでしょうが、今度は先とは逆に、たいていの人は続きを読もうとするのではないでしょうか。
このように従来、極めて小額の支払いで、「その記事だけ」が「今」読みたい、という読者のニーズに応えてくれるサービスは、ありそうでありませんでした。
なぜなら、従来でも技術的には可能でしたが、経済的には無意味というよりむしろマイナスだったからです。というのも、オンラインで1円や10円程度の取引を行うことは、従来の銀行システムからすると、手数料的にまったく割に合わないからです。
ところが、この状況を一変させるイノベーションは近づきつつあります。
「MUFGコイン」や「Jコイン」がもたらす衝撃
2017年度中に、三菱UFJ銀行が「MUFGコイン」なる独自の仮想通貨を一般商取引用に発行することは、ニュース等でずいぶん報道されているので、繰り返しません。
つい先日、幕張メッセの家電見本市でデモ公開されました。
上写真の左側の自動販売機はMUFGコイン対応で、スマホをかざすことで飲料が購入できる仕組みです。指紋認証して本人確認したスマホが使用できます。
マシンの上に「デジタル通貨/ブロックチェーン」という文字が見えますね。
これはビットコインと同じくブロックチェーンという技術を使いますが、ビットコインのように公開台帳ではありません(詳しく知りませんが、たぶんそのはず)。
この電子通貨は「1コイン=1円」の固定で、投機の対象にはなりません。スマホアプリ上で預金をいったんコインに変換して取引に使う仕組みです。当然、同じシステムに加入しているお店や個人間で取引が可能です。ですから、それは実質的に「1円」としてインターネット上でやり取りしているのと同じことです。
この「MUFGコイン」の他、みずほFグループやゆうちょ銀行や地銀などが連合して同じ様に円と等価交換できる「Jコイン」という仮想通貨が発行される予定です。
今、世界中の大銀行が同じサービスの構築に乗り出しています。
ですから、MUFGコインが内外の他銀行の類似のサービスと提携していれば、インターネットを通して、邦銀間だけではく、全世界的な取引が可能になります。
つまり、このコインを使えば、世界のどこからでも、「1円」ボタンをワンクリックするだけで、「その記事だけ」を「今」読む、ということが可能になるわけです。
まあ、銀行はシステムの維持費用がありますので、実際のところ送金コストがどこまで抑えられるか、またコインを使った商取引にマージンをとるのか等など、まだ試行錯誤の段階ではあります。ただ、ポテンシャルは破壊的です。
別途記事にしますが、これは爆発的に普及するでしょう。断言できます。
そういえば去年の今頃、こんな記事を書いていました。
私は「MUFGコインはプレグローバル通貨である」と述べました。
また詳しく述べますが、「スマホを使う」「1コイン=1円の固定」「小売店に急速に端末が普及する」などの理由から、ビットコインを圧倒して実用化が進展するでしょう。
従来のクレジットカードやATMの未来は・・・まあ、暗いでしょうね。
コンテンツ・クリエイターの黄金時代がやって来る?
対して、私のようなサイト運営者にとっては、黄金時代がやって来ます。
たとえば、ですが、当サイトの中の良記事は「この続きは1円で」形式にする。読者の皆さんはクリックして1コイン(1円)を支払う必要があります。
10記事を読んでも、10円です。それほど支払いに悩む金額でしょうか。
コンテンツは何も「読み物」に限りません。写真でも、漫画でも、動画でもOK。
また、「一記事1円」という価格設定も、単なる一例であって、いくらが妥当かは最終的には市場が決めていくでしょう。
たとえば、ポップミュージックだと2円、30ページのマンガだと5円、約30分の映像作品だと2~30円、という価格設定も考えられる。
このシステムの普及によって、相当数のコンテンツ創造者が自営できるようになる可能性があります。とくに大手メディアには属さないが、有益な情報を発信する独立系のジャーナリストやライターにとっては、救いの神となるかもしれません。
スター執筆者のレベルだと、従来は月刊誌に掲載していた硬派な社会記事を「10円」という価格でサイトにアップできるかもしれない。
読者からすれば、要は値段とクオリティが見合っていればいいわけです。それで十万人を集客できれば、一挙に100万円の収入を得られます。
記事を一本書いてこれだけの収入を得られるなら、「次も良質の記事を書こう」という動機付けになるでしょう。実際、このレベルだと、月に一本を書けば十分だから、取材と考察にじっくり集中できる。こうして益々「プロ」に磨きがかかるというわけです。
まあ、このレベルに到達できる人は少ないでしょうが。
仮に自分でサイトを運営しない又運営は苦手という人であっても、全然大丈夫。そういう執筆者はサイト運営者と契約すればいい。
たとえば、収益を半々で別ける、という契約が考えられる。優良ライターなら複数のサイトと契約できるかもしれない。だからネットが苦手な人でも大丈夫。
とくに漫画家さんなどは、世界中を相手にビジネスができる。同人誌を世界に向けて発行する形とでもいうのでしょうか。何万というクリエイターの暮らしが成り立ちます。
むろん、パクリコンテンツや無内容コンテンツによる詐欺的集金が横行するなど、様々な問題も考えられますが、それでも展望自体は明るいと言えるでしょう。
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