みなさん、こんにちわ。
先日の「キム&ムン」の首脳漫才を見て、「これで平和が到来した、日本は蚊帳の外だ!」などと狂喜乱舞した者たちが、掃いて捨てるほど現れた。
対して、私は、これは追い詰められた北朝鮮が道化師を演じているだけで、それに半分エージェントの文政権が協力しているのだと喝破した。
やはり、物事の表面しか見ることができないというか、色眼鏡でしかモノを見ることができない人間というのは、一定以上いるらしい。
とくに、日本の左派やリベラル派は、金正恩や習近平よりも安倍さんのほうが独裁者に見えるという「ウルトラ偏向メガネ」をかけている者が多い。
こういう偏見に満ちた者たちだから、北朝鮮は近日中の5月24か25日に豊渓里(プンゲリ)の核実験場の廃棄式典をやる予定になっているが、またぞろ「朝鮮様が核放棄の実行を始めた、見返りをあたえろ」などと、世間に誤解を振りまくだろう。
今、この記事を書いている時点で、すでに米英中ロの国際記者団は、北京から高麗航空で北朝鮮入りをしている。この高麗航空は各地に乗り入れているが、米政府は搭乗員たちを工作員認定しており、一般の空港ではなく軍事基地に降ろさせている。北朝鮮の大使館員と同じで、彼らが麻薬その他の密輸に絡んでいるのは事情通には常識だ。
この件では、北朝鮮が韓国記者団の受け入れを拒否したことで話題になったが、つい先ほど、彼らも取材を認められたようだ。一方、北朝鮮は日本のメディアをシャットアウトしており、一部の者たちは例によって「日本だけが孤立している」と評している。
はっきり言っておくが、こんなものは取材価値ゼロだ。
北朝鮮の意味のないアフォーマンスに二度も騙される馬鹿
私が今回の件ですぐに思い出したのが、2008年6月に行われた、寧辺にある核施設の「原子炉冷却塔爆破パフォーマンス」だ。
少し説明すると、当時、まったく無意味な6カ国協議とやらで、北朝鮮の非核化が合意された。それでブッシュ政権は「見返り」として「テロ支援国指定」を解除した。
例によって、当時のマスコミや知識人は、「米朝が関係改善に向けて歩み始めた。拉致問題にこだわる日本だけが置き去りにされている」と論じた。
ちょうど、今と同じである。彼らは十年前から何の進歩もない。
で、その「核施設の無能力化」として、北朝鮮は廃施設同然の「原子炉冷却塔」を爆破してみせ、それをメディアに大々的に報道させたのである。
で、メディアや知識人は「北朝鮮が非核化の第一歩を踏み出した!」と報じた。
今回の「プンゲリ核実験場廃棄式典」は、それを繰り返そうというものだ。
すでに不要な施設を、あえて盛大に爆破してみせ、各国マスコミに報道させて、自分たちが非核化に向けて何か努力したかのように見せかける邪な魂胆である。
北朝鮮も詐欺師にしてはヤキが回ったというか、手口に進歩のないやつらである(笑)。
問題は、こんな茶番に二度も騙される馬鹿であり、北朝鮮の宣伝に使われるマスコミであり、そして「日本が蚊帳の外だ」などと吹聴する識者たちである。
せめて読者の皆さんだけでも、騙されないようにしてほしい。
北朝鮮が核放棄を実行したわけでもないし、拉致問題を解決し謝罪したわけでもないのに、「金正恩さんはいい人だ、日本は見返りを与えろ」みたいに主張する愚者たち。
この人物のように、残虐な独裁政権に共感を覚えるのは、他人の苦しみや、善悪というものが本当には分からない、想像力の欠落した人間の特徴である。
ウルトラ偏向メガネをかけると、こんなふうに歪んで現実が見えるらしい。
十年前、アメリカは北朝鮮の核開発をわざと黙認した
さて、24か25日に行われるアフォーマンスと、国内の醜い独裁政権の腹話術人形たちに注意しなければならない、という話題はこれくらいにして、十年前の非核化合意に触れたついでに、当時のブッシュ政権の変節の真相について記しておきたい。
これはすでに以下の記事で触れたことである。
一般に、当時、国際社会が北朝鮮の非核化を徹底しなかったことが、今日の朝鮮半島の核危機に繋がっていると言われている。だから、政治家も専門家も、その時の教訓として、「今度こそ完全非核化を成し遂げなければならない」というふうに語りたがる。
私の見方は根本から異なる。
もともと、第一次ブッシュ政権の時は、北朝鮮を軍事力で打倒する予定だった。
その後、ブッシュが馬鹿だったから北朝鮮に甘くなり、「テロ支援国指定」を解除したりして、核開発を続けさせるミスを犯してしまったのだろうか?
私は、これは「ミス」ではなく「意図的」であるとの説を唱えている。
つまり、「アメリカが北朝鮮の核開発をあえて黙認した」ということだ。おそらく、これは今のところ私だけが主張している、どこにもない陰謀説である。
私は当時から、アメリカが北朝鮮の隠し持っているウラン濃縮施設や核物質の追求に消極的になったことから、何か不審というか、異常を察知していた。
ただし、理由を推察できるようになったのは、かなり後になってからだった。
なぜ「影の政府」は北朝鮮に密かに核開発を続けさせたのか?
どうやら、2006年頃に行われたらしい「影の政府」の方針転換が影響していたらしいのである。ブッシュ政権の上のレベルの、「雲の上」の事情である。
私が到達したのは、とうてい信じがたい結論である。
極東における今日の核危機・緊張状態は、なんと「作られたもの」だったのだ。
「影の政府」はあえて北朝鮮の核開発を黙認し、彼らが米本土に到達する核ミサイルの完成に近づくと、今度は一転して騒ぎたてて圧力をかける戦略に転換した。
何のために? その理由は、近い将来、極東で軍事的緊張状態を高めて、戦争を引き起こすためである。しかも、これは本番(対ロシア戦)前の予行演習と思われる。
彼らは、日本や韓国相手なら、北朝鮮が核兵器を使用しても構わないと考えている。
戦争の引き金を引くのは難しくない。旧日本軍相手の成功体験がある。
それがハルノートである。今回はトランプノートか、ポンペオノートか分からないが、いずれにしても相手に無血開城・全面降伏を強いれば、暴発リスクは高められよう。
私はジョン・ボルトンが帰ってきたことで、ますます確信した。彼は第一次ブッシュ政権の時にネオコンのメンバーとして対北攻撃を主張した側近の一人だった。
「影の政府」の方針転換で、ネオコンはいったんパージされた。つまり、ボルトンが復帰したということは、戦争策に戻ったという意志表示である、雲の上の。
人が陥りやすい無意識的な錯覚の一つとして「悪と敵対する側が善である」というものが挙げられる。しかし、現実はそうとは限らない。
むしろ、「悪VS悪」「不正VS不正」の戦いのほうが多いかもしれない。
つまり、北朝鮮が異常だからといって、アメリカが正常とは限らないということだ。
「影の政府」の方針である以上、近いうちに戦争になるだろう。そして、北朝鮮は断末魔で核兵器を使用すると、私はずっと言ってきた。
しかも、中国が北朝鮮を支援する可能性も出てきた。そうなると、第一次の朝鮮戦争のように、朝鮮半島を舞台にして米中が激突することもありえるのである。
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