最近、新型コロナによる日本人の死亡率の低さはBCGのおかげではないか、という話が急激に拡散しています。今現在、日本の死者数は60人台です。
しかも、日本株、ソ連株、デンマーク株などの種類があり、前二者が有効であると。
たしかにBCGの日本株組である台湾、タイ、イラクなども同様に低い。
「BCG」はウィキペディアによると、「仏: Bacille de Calmette et Guérin の略、カルメット・ゲラン桿菌」のこと。
で、このバチルス・カルメット・ゲランですが、弱毒性の結核菌だそうです。
ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)の実験室培養を繰り返して作製された細菌、および、それを利用した結核に対する生ワクチン(BCGワクチン)のこと[1]。
(中略)BCGは、実験室で長期間培養を繰り返すうちに、ヒトに対する毒性が失われて抗原性だけが残った結核菌であり、BCGワクチンはBCGを人為的にヒトに接種して感染させることで、結核に罹患することなく、結核菌に対する免疫を獲得させることを目的としたものである。
現在一般社会では、BCGが結核予防ワクチンそのものの用語として使用されています。
しかも、生きている菌を打つ「生ワクチン」なんですね。
これにはどういう特徴があるのか。ウィキを続けます。
弱毒生菌ワクチン(生ワクチン)には、他のタイプのワクチン(死菌ワクチンや成分ワクチン)とは異なり、
- 弱毒性の微生物が体内に定着しうる
- ウイルスや細胞内寄生体が実際に細胞内に感染を起こしうる
という特徴がある。このため、
- 効果が半永久的に持続する
- 死菌ワクチンでは誘導できない細胞性免疫(マクロファージや細胞傷害性T細胞などによる免疫。細胞内感染の排除に必要)が誘導可能である
という利点がある。結核菌は細胞内寄生体であり、特に活性化マクロファージによる細胞性免疫が感染防御に重要であることから、死菌ワクチンや成分ワクチンでは十分な免疫が得られないため、弱毒生菌ワクチンが必要である。
つまり、私たちの身体の中に弱い結核菌が生きていて、それによって別途、免疫が誘導されているということらしい。
だから、対結核だけでなく、他の病原菌やウイルスに対しても、時として抑制効果を発揮することもあるようです。
これは私の素人感想ですが、2018年の世界的なインフルエンザの猛威の時も、アメリカでは約6万人の死者が出たのに、日本では3300人程度に抑えられましたが、もしかするとBCG接種による基礎免疫力のおかげなのかもしれません。
つまり、日本株BCGが直接的にコロナに作用しているわけじゃないんですね。
予防接種によって免疫機能が活性化され続けていて、日本人も他国の人と同様にウイルスに感染しているけども、それによって重症化が抑制されている、ということのようです。
もう一つ、今見たところですが、池田信夫氏が次のような仮説も述べている。
L型とS型の遺伝子配列の違いはアミノ酸1個だけだが、L型は武漢で分離株の96%を占め、その変異したS型は武漢以外で38%を占めたという。ここから弱毒性のS型が早い時期に日本に入って(L型に対しても)免疫ができ、症状の強いL型が(免疫のない)欧米に入ったという推測も成り立つ。これも実証研究が始まっている。
この辺がはっきりするのはまだ時間が必要でしょう。
いずれにしても、日本の場合、この投稿時、感染者数が約2千人で死者が60人強。
人口100万人あたりの死亡率は1人以下で、イタリア・スペインとはケタが3つ違う。
これから感染及び死亡比率が上昇していったとしても、国民の大半が感染してはっきりと集団免疫を獲得した頃の状況は、2018年のインフルエンザレベルかもしれない。
つまり、今年の新型コロナによる死者は数千人くらいの予想。
すると、今のイベント禁止や外出自粛によってサービス業や飲食業、旅行業などが打撃を受けて確実に経済が悪化するわけですが、むしろこの「景気後退による死者の増加」(*健康悪化や自殺率と経済の悪化が比例するのはご存知の通り)のほうが「国民の命」にとってハイリスクの可能性も十分あるわけです。
もちろん、蔓延すれば、肺炎患者や高齢者にとってはハイリスクになります。
要は、1億2千万人基準でどちらの選択がベターかという問題です。
今は何が何でも新型コロナの感染拡大を阻止することが政治的にも社会的にも正義になっているので、こういう雰囲気だと、冷静にリスクを評価すると過剰対策をやっている可能性があるとは、なかなか言いづらいものがあります。
ちょうど志村けん(70)さんの死亡で益々人々が感情的になっている時期なので。
しかも、マスコミの扇動がものすごい。この世の終わりではないかと思うほど。
しかしながら、BCGとの因果関係が科学的に証明されれば、一転してそういう声が出始めるのではないかと思います。
世界各国の感染の最新情報はこちらから(↓)
スポンサーリンク