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トランプは史上最強の「反中国・北朝鮮」大統領となる!(中国編)

出典:Reuters

金正恩が「新年の辞」で「ICBM発射実験の準備が最終段階に入った」と自慢すると、それを挑発と受け止めたトランプが「させてたまるか!」とツイートした、というのが前回の話。それも含めて、米「奥の院」および表のトランプ政権が今後どう出るか? 1950年のアチソンラインの事例を参考に、私の推測を述べてきました。

以下の記事がその最新版です。

1月6日、日本政府はついに韓国への対抗措置をとった。市民団体による日本総領事館前の慰安婦像設置に対して、韓国政府が認めるような真似をしたためだ。もともと「日韓で慰安婦問題に関する合意をしたところで、どうせ韓国は裏切るに決まっている」という声

つまり、米の方針変更を反映したのが、慰安婦問題における先の日本政府の対韓外交だったのではないか、という推測です。それはともかく、このツイートの直後ですが、トランプ氏は、今度は中国に対して次のような文言を放ちました。

「中国は一方的な貿易によってアメリカから莫大な金と富を持ち去っているが、しかし北朝鮮の件では助けようとしない。素晴らしいね!」

むろん、中国の身勝手ぶりを皮肉っているわけです。しかし、トランプが苛立っているのは、北朝鮮に対する中国の無責任な態度だけではありません。

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あらゆる面で中国と対立する史上初の米大統領

トランプ氏はすでに大統領就任前から中国と衝突しています。

第一に、従来の「一つの中国」に束縛されない姿勢。台湾の蔡英文総統と電話会談しました。むろん、中国は猛反発。しかし、もともと「一つの中国」などという概念は、共産党独裁政権の掲げる勝手な願望でしかありません。そんな戯言に、いちいち配慮している日本の政治家とマスコミのほうがおかしいのです。それはともかく、トランプがもともと台湾に関心があるとは思えないので、これは誰かの入れ知恵だと思います。

第二に、通貨・貿易問題。中国が不当に人民元を安く抑え、不公正な貿易をしているというのがトランプ側の主張。これはかつて日本が米の対日強硬派から言われてきたことそのまんまですね。というか、トランプは8~90年代の日本に対して、まさにこれを咎めてきたわけでしょう。ある種、言いがかり的な側面があるのは確か。

どうも、トランプは、中国が嫌いというより、東アジア人自体があまり好きではないらしい。かつては日本叩きの急先鋒だったし、わざわざ血を流してまで韓国なんか守りたくもないと思っている。彼はメキシコ人やイスラム教徒といった「異質」な存在に対しては極めて冷淡であるが、その中に東アジア人もしっかり入っているということ。これは田舎のアメリカ白人の典型的なメンタリティなのかもしれない。

第三に、南シナ海問題や安全保障の分野。トランプは中国が南シナ海へ軍事進出し、勝手に領海を広げていることに対して、「われわれは相談されていない、許可した覚えはない」という意味の発言をしています。つまり、中国の海洋進出に対して、強い不快感を覚えていることは明らか。そこへ起こったのが、中国による米海軍の無人潜水艇ドロボー。トランプはこれを強い調子で批判しました。中国のSLBM戦力は対米抑止力の要の一つと言われています。しかし、東シナ海では深さに欠け、又完全に海上自衛隊の監視下に置かれている。南シナ海は潜伏先として是非とも確保しておきたい。だから、中国海軍はそこを内海化し、データを収集する米の無人潜水艇に敏感になっている。

かつてなく中国・北朝鮮に対して厳しい政権が誕生する

米中の安全保障関連では、他に注意しておくことがあります。それは、中国が北朝鮮の対米核ミサイル開発を事実上放置していること以上に、フィリピンを取り込んだことで一挙に西太平洋へのアクセスを容易にしたことです。なぜなら、これで西太平洋の米領グアムと直に対峙することになるからです。これでチョークポイントである日本の南西諸島のライン(第一列島線)を無理に突破しなくとも、フィリピンからいわゆる第二列島線や西太平洋へと進出することが可能になります。

かくして、価値観、経済政策、安全保障などのあらゆる分野で、近未来の米中衝突は不可避と考えても差し支えないでしょう。

これは歴史的に見れば興味深い。というのも、米の太平洋進出は、近代日本の勃興と期を一にしていたため、おおむね「親中反日」が米指導層の潜在スタンスだったからです。FDRなんかは中国幻想に取り付かれていた典型かもしれません。

しかし、トランプは中国に対して何の幻想も持っていないどころか、「中国異質論」の急先鋒とすらいえる人物です。かつて日本に向けた異質論の矛先を、彼は今度、中国に対して向けるでしょう。そしてそこに北朝鮮も含まれる格好になるわけです。

強いアメリカ、強い指導者・・それを「対中国」でアピールするトランプ

トランプはロシアとの対決を避けたい人物です。プーチンにも一定の敬意を払っています。だからプーチンと知己のあるエクソンモービルCEOのレックス・ティラーソンを国務長官に抜擢しました。他方で、彼は「強いアメリカ」を取り戻すと明言しています。そうやって自ら強力なリーダーであることをアピールしたいと願っています。

だから、どこかに「敵」が必要なわけです。それがロシアでない以上、必然的に中国になります。また、彼は白人主義者的なところがあり、かつて日本経済が日の出の勢いであったころ、物凄く日本を嫌っていました。どうやら台頭する有色人種や異教徒の国家には強い嫌悪感を覚えるらしい。だから、かつての敵・日本の代わりに、今度は中国というわけです。このように、彼は二重の意味で中国と対決したがっています。

中国からの資本流出は報道でも伝えられていますが、トランプによる「強いアメリカ」政策がスタートすると、利上げとの相乗効果もあり、中国から米国への資金逃避が加速するかもしれません。つまり、中国叩きは、比較的即効性のある経済政策ともなります。

ウォーゲームとプレイヤーの準備が整った今・・・

もっとも、私が『アメリカの狙いは「リメンバー・ロナルド・レーガン」か?』で述べたように、戦争で中国を打ち負かせば、中国の官民が持つ莫大なドル資産を没収し、又ドル債権をチャラにできます。これは米にとって史上空前の「戦利品」です。

折りしも、まるでトランプの米大統領就任を狙ったかのようなタイミングで、「カール・ビンソン」を中心とした米空母艦隊が南シナ海入りしようとしています。

他方、中国も、あのオンボロ改装空母「遼寧」を南シナ海に繰り出し、J15戦闘機の発着訓練や戦闘演習を行っています。もっとも、勝負になりませんが・・。

出典:Seesaa Wiki 「遼寧」上のJ-15

出典:Seesaa Wiki 「遼寧」艦首のスキージャンプ部から発艦するJ-15

私はつい昨日、こんな陰謀系の記事を書きました。

中国による南シナ海侵略問題について、私は二つのオリジナル説を唱えました。一つは、2010年と12年の中国による領海侵犯と官製反日暴動に対する、当時民主党政権の宥和外交の過ち。それが中国をして増長させ、南シナ海での侵略の加速を招いたのではない

まあ、中国を戦争で打ち負かすというのは、すでに「影の政府」が前々から決めた方針だという話です。調べると、そういう流れがあるとしか思えない。

で、その流れの中で、対中強硬派のトランプが大統領になった・・果たして、これがすべて偶然かという疑問ですね。

アメリカ大統領のもっとも重要な職務・・・それが「戦争指導」です。日本では拒否反応すら起こる話ですが、最高司令官として国家を戦勝に導くことが最大の仕事です。

トランプは「偉大なアメリカ」を取り戻したいと望んでいる。それを手っ取り早く演出する方法が、戦争に勝利することです。それで歴史に名声を残せます。

ゲームはすでにお膳立てされているかもしれません。あとはゲームをプレイする人物が必要なだけでした。そして「彼」が現れました。

「彼」はそのお膳立てに大いに乗るでしょう。

石平氏最新刊!

トランプvs.中国は歴史の必然である 近現代史で読み解く米中衝突

(付記:リンク先で以下の島が埋め立てられる様子が見れます)

出典:The New York Times

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