加計学園問題が世間を賑わしていますが、まず私はこの問題に関して全くの門外漢であることを前置きしておきます。その上で現時点の私の考えを述べる。
これは「安倍総理の縁故政治」(の疑い)の可能性が高い。
ただし、まだ明確な証拠はないし、証明は難しいかもしれないが、獣医学部新設の経緯とその周辺の人間関係という「状況証拠」から考えて、私は「クロ」だと思う。
ちなみに、前川元事務次官の「出会い系バー通い」は、また別個の問題になる。そして、こちらも本来なら公人の大きなスキャンダルだが、別の記事に回したい。
ただ、この疑惑が公益の観点から見てどうかとなると、さらに判断が難しくなる。そこで何気なくウィキペディア「獣医学部」を開いたら、とても参考になった。
ぜひとも議論するうえで参照したらどうかと思う。
というわけで、分かり易いように、順番の入れ替えや改行、省略などを筆者のほうで行いましたが、紹介させていただきたいと思う(ぜひ原文を参照あれ)。
以下、ウィキペディア「獣医学部」より引用。
獣医学部(獣医学科)がある日本の大学(国公私立)
北海道地方
- 北海道大学(獣医学部共同獣医学課程。2012年度から帯広畜産大学との共同教育課程に改組):獣医学科の単年度定員40名
- 帯広畜産大学(畜産学部共同獣医学課程。2012年度から北海道大学との共同教育課程に改組):同40名
- 酪農学園大学:同120名
東北地方
- 岩手大学(農学部共同獣医学科。獣医学科を2012年度から東京農工大学との共同学科に改組):同30名
- 北里大学(2007年度より獣医畜産学部獣医学科から名称変更、十和田キャンパス):同120名
関東地方
- 東京大学(農学部獣医学課程):同30名
- 東京農工大学(農学部共同獣医学科。獣医学科を2012年度から岩手大学との共同学科に改組):同35名
- 麻布大学(獣医学部獣医学科):同120名
- 日本大学(生物資源科学部獣医学科):同120名
- 日本獣医生命科学大学(2006年度より日本獣医畜産大学から名称変更):同80名
中部地方
- 岐阜大学(応用生物科学部獣医学課程。獣医学課程を2013年度から鳥取大学との共同学科に改組):同30名
近畿地方
- 大阪府立大学(生命環境科学部獣医学科):同40名
中国地方
- 鳥取大学(農学部獣医学科。獣医学科を2013年度から岐阜大学との共同学科に改組):同35名
- 山口大学(共同獣医学部。農学部獣医学科を2012年度から鹿児島大学との共同学部に改組):同30名
九州地方
- 宮崎大学(農学部獣医学科):同30名
- 鹿児島大学(共同獣医学部。農学部獣医学科を2013年度から山口大学との共同学部に改組):同30名
地域や進路の偏り
獣医師の資格を得ながら毎年2割の卒業生が獣医師以外の進路へ進むため研究獣医師が不足している。毎年約1000人いる獣医学系大学の卒業生の4割ほどが犬、猫などのペットを診る小動物獣医師になる。
その一方、小動物獣医師を希望する人が年々増加していることもあり、家畜臨床や公衆衛生の教員などの獣医師資格者の不足の状態が続いている。
1986年と比べて2008年の獣医師数は小動物が2.6倍に増えたが、地方公務員獣医師・小規模畜産農家・大型の産業動物を診る獣医師は減り続けている。
毎年約1000人の獣医学新卒者の地方自治体勤務の希望者は約1 ~2割で他は動物関連の病院や診療所、各大学、研究機関、民間企業、農業共済組合連合会、JA等関連団体に就職するため、平成22年度(2010年)の全国の地方自治体の300人以上の募集を例に需要と比較して100以上不足している現状を訴えている。
獣医師養成課程の入学定員は、東日本が735名(国立175名、公立0名、私立560名)であるのに対し、西日本は195名(国立155名、公立40名、私立0名)であり、地域的な偏りも指摘されている。
朝日新聞は2010年6月に宮崎県で家畜伝染病・口蹄疫の被害が広がる中、地方自治体で自治体職員として家畜の防疫対策・食肉衛生検査に必要な公務員獣医師の不足が深刻化していて、口蹄疫の対処に39都道府県の公務員獣医師の支援を受けて漸く処理している窮状を報道した。多くの地方自治体は伝染病対策に遅れが出てはいけないとして獣医学部卒業生の確保を求めているが公務員獣医師希望者の定員割れが続いている調査結果を伝えた[5]。(略)
2013年に私立獣医科大学協会は、公務員獣医師への就職者の地域偏在や分野(産業、小動物)の偏りは問題であるとしている。その偏在是正のために医学部が導入している 「地域枠」の獣医版入学者選抜を実施すること、不足している自治体は予算を増やして公務員獣医師の給与を上げて待遇をよくすることを解決策の例として挙げている。また、今後深刻になるであろう人口減少、縮小経済は都市部における伴侶動物飼育数の減少を引き起こし獣医師の過多を招くと説明がなされている[6]。日本を代表する鳥インフルエンザ研究者である喜田宏教授も「獣医師の数だけ増やしても産業動物や伝染病対策に関わる人は増えない」家畜を扱う獣医師の待遇を改善し人材の偏りを解消するのが問題解決になると指摘している。[7]
獣医学部の新設
安倍首相は主導する国家戦略特区の第25回諮問会議(2016年11月9日)で、獣医学部の設置については「広域的に獣医師の養成大学等の存在しない地域に限り、獣医学部の新設を可能にするための関係制度の改正を直ちに行う」と決定した[8]。
日本獣医師会の藏内勇夫会長や日本獣医師政治連盟委員長の北村直人など幹部らがこの決定に対して「決定撤回もしくは1校のみ」を求めて獣医師会の意向を関係大臣らに伝えて働きかけた。
広島県・今治市国家戦略特別区域区域において、学校法人加計学園が獣医学部の設置の認可を受けた上で、愛媛県今治市において、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するための獣医学部を新設する計画[9]が存在している。
ただし、新たに取り組むべき分野とされているライフサイエンス分野において、大阪府立大学の山手教授は定員の20人増を国に求めたが、全国の獣医の容量規制があることで難しいのではないかということで控えたと語っている。[10]
内閣府と文部科学省は、2017年1月4日付で「(国家戦略特別区域区域内に)1校に限り」と修正された改正告示[11]を公布。同日から11日までの約1週間、特定事業(獣医師の養成に係る大学設置事業)を行うと見込まれる者の公募を行った。
1月12日に「広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限り新設を可能とする」との方針により、獣医師養成課程が存在しない四国地方の今治市に獣医学部の新設を計画している学校法人加計学園を、特定事業を行うと見込まれる者として広島県・今治市国家戦略特別区域会議の構成員に加えることを決定した[12][13]。
日本獣医師会の蔵内勇夫会長は同年1月30日配信のメールマガジン「会長短信 春夏秋冬」の中で「粘り強い要請活動が実り、関係大臣のご理解を得て、何とか『1校限り』と修正された」と述べている[14]。
岡山理科大学(学校法人加計学園)が愛媛県今治市に獣医学部の新設を計画しており、許認可等が順調に行けば2018年4月設置予定である[15]。(略)
日本獣医師会の蔵内会長は「総理官邸の主導による既定路線とは言え、十分な検証もなく、論理性に欠けた余りにも早過ぎる矛盾だらけの決定」「(計画されている)学部の獣医学科には、専任教員を70人配置し、学生定員は160人ということですが、既存の国公立大学30~40人、私立大学80~120人の定員と比較しても法外なもので、驚くばかり」「このような国家戦略特区による獣医学部の新設は、文部科学省をはじめ関係機関による獣医学教育の国際水準達成に向けた長年の努力と教育改革に全く逆行するものであり、本会としては引き続き特区による獣医学部の新設には反対してまいります」(2017年1月30日「会長短信」)と述べ、引き続き早急な新設に反対している[17]。
(以上、ウィキペディア「獣医学部」より引用させていただきました。ありがとうございました)
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