文科省“天下り植民地利権”とそのあまりに酷すぎる実態

人災・天災
出典:文部科学省サイト




今回は引用主体の記事であり、私の出しゃばりは抑えています。

ダイヤモンド・オンラインの記事に「元東大教授と天下り官僚に翻弄される私大の悲惨2017.8.18」という、ぞっとする記事がありました。

前半が元東大系、後半が天下り系の禍を扱っています。

全文は引用できないので、後半の「私大を渡り歩いて5億円を荒稼ぎ! 天下り官僚に食い物にされる私大」のほうを主に引用させていただきたい。

(*次項はその記事の引用文。タイトル赤字強調は筆者による)



何もせずに年棒最低2500万円ならマシなほう。大学を食い物にして私服を肥やすケースも少なくない。

(前略)数百億円の予算を動かしていただけに金銭感覚がズレすぎているという。私大には文科省、経済産業省、財務省など多くの官僚が天下りし、教授の座に収まっている。

「“渡り鳥稼業”の天下り役人は会議の欠席はザラなうえ、仕事の知識もない。仕事は部下に任せてゴロゴロしているだけ。それでも年俸は最低2500万円。さらに5年勤めて退職金が3000万円。これで3~5つの大学を渡り歩いて計5億円は稼ぎます」

もっとも何もしないのならマシな部類で、元官僚と悪徳教授が手を組み、大学を食い物にするケースも多々あるそうだ。

濱野氏がいた都内の女子大では40億円が消えたこともあったという。

「彼らが株式や投資信託を駆使してマネーロンダリングをやったようですが、証拠が出なかった。また、翌年に取り壊しが決定していた校舎の大規模修繕に3億をつぎ込み、さらに塗装で1億2000万円と、計4億2000万円を無駄遣いしたことも。すぐに跡地に新しいビルを建てるところまで計画済みで、旧ビルでどんなインチキがあったのかはウヤムヤになってしまった。巧妙に証拠が残らない工作だけは一流のため、追跡調査もできなかった。もちろん大学の事務職などは真相を知っていましたが、黙殺したまま。ヘタに口にしようものなら簡単に左遷されてしまいますからね」(略)

「もっとひどいのは、研究業績が大学院生ほどもないクズ教授を学長に仕立て、自分は定年のない常務理事のポストに就いた天下り官僚がいました。さらに、部課長などの大学の要職を、仲間や部下で固め、付属の建物の増改築で稼ぐなど好き放題だった。さらに、法人側の私立学校法違反事項を目ざとく見つけると、理事長選で教授会をけしかけ、当主を追い出し自分が理事長の座に座り、そのまま学園を乗っ取ったヤツもいた。都内有数の伝統校でしたが、その後は、学問はそっちのけとなり、今では生徒の確保にも困るほど疲弊してしまいました」(略)

「今時、わざとド田舎にキャンパスを購入し、引っ越さなくてもいい学部の建物まで建てて都内一等地のキャンパスを売却し、その取り壊しとキャンパス移転で数十億を着服する天下りもいました。ゼネコンのリベートで稼いだんです。その大学は生徒集めに窮し、今は中国やベトナムからの留学生で細々と命脈を保っていますが、近々、倒産の噂も聞こえてきます。もちろん、天下り役人はその前にいなくなるでしょうね」(略)

「教授会が天下り官僚は採りたくないと考えていても、彼らは巧妙に法人側の上席ポストを占めてしまう。そうなれば、自動的にかつての役所の部下を雇いこむルートができてしまうんです。大学が悪いのではなく、行列を作って乗っ取りに来る方が悪いんです」

(後略・以上引用終わり。全文はぜひ上記リンクから)

前川氏ら文科官僚の獣医学部新設抑制は「天下り植民地利権」と関係していた

筆者の濱野氏の個人的体験だけでもこれだから、実際は氷山の一角でしょう。

このエピソードを読んで私が思い出したのは、先の7月10日の閉会中審査における平井卓也衆院議員の指摘です。非常に重要な内容だったのに、ほとんど報道されないために知られていない。ちょうど、取り上げるのにいい機会だと思います。

質問に立った平井議員は、前川喜平氏とのやり取りで次のように発言した。

以下は、産経ウェブ記事閉会中審査・詳報(4)2017.7.10の中に含まれるもの。

平井氏「(獣医学部の新設抑制の告示について)なんで告示が53年間も変えられなかったのか。天下りの問題との関係なんですよ。既存の獣医学部のある大学には2008年度以降、中央省庁の管理職員が50人再就職している。2017年1月時点で文科省から36人の現役出向職員がいる。(略)

医学部・歯学部も含めれば、中央省庁の管理職員が計213人、文科省から現役出向者は149人に及ぶ。こうした大学を天下り先や現役出向の植民地にするために告示があるのではないかと思われないよう、きっちり説明責任を果たさなければならない」

平井氏「天下りの問題で引責辞任された前川参考人にお聞きする。天下りなどの確保のために新設を抑制していたのではないかという疑いを、どのように考えるか」

前川氏「文科省の職員の退職者が、大学、私立大学に再就職すると。法令に反しない限り、知識・経験を生かす意味で問題はない。私も現職中に違法な再就職斡旋に関与したということで処分されたし、深く反省しているが、法に触れない形でその知識・経験を生かすことは非難されるべきものではない。」(後略)

とこのように、前川氏の反論だけを読むと、一見もっともに思えてくる。

しかし、ダイヤモンド・オンラインの記事を読んだあとでは、印象はガラリと変わる。

私大には文科省だけでなく複数の省庁の官僚が天下っているが、もっとも多いのは当然、文科省だろうし、第一、教育関連機関への天下りは文科省が仕切っている。

そして、この利権の死守こそが、実は歴代事務次官に課せられた暗黙の使命だったと言われている。そういう意味で、前川氏個人というより、組織的な行為だったわけです。

前川氏は「加計学園ありき」について「あったことをなかったことにはできない」という名言(?)を口にしましたが、この天下り問題では、平井議員からそのブーメランを投げ返されている。仮にこのパートを、前川発言と同じ様にテレビや新聞の報道でトップに持ってくれば蜂の巣を突いた騒ぎになっていたはずだが、不平等な扱いを受けた。

私はこの問題とは無関係な記事で次のように述べました。

勇気ある内部告発者とは一色正春氏のことだ
前川元事務次官を「勇気ある内部告発者」として持ち上げるメディアや人々がいる。関口宏の『サンデーモーニング』は酷かった。それで言わずにはおれなくなった。 私はこの問題に関しては門外漢だが、これまでの情報を総合すると、前川氏は私怨と省益に基づい...

私はこの問題に関しては門外漢だが、これまでの情報を総合すると、前川氏は私怨と省益に基づいて逆襲に出たように思える。自身の古巣内の様々な利権やしがらみについても徹底的に告発しない限り、公益のために安倍政権を告発したという理屈を真に受けることはできない。だいたい質量とも、そちらのほうが告発しがいがあるはずだ。

もし前川氏が、左派・リベラル派が評するように本当に「正義の人」なら、きっと告発してくれるはずだ。

「前川さんを信じよう!」(by左派・リベラル派の皆さん)

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