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トランプは朝鮮半島を中国に売ったのではないか【前半・北朝鮮編】

2017年11月8日から10日にかけてトランプ大統領が訪中しました。

習近平政権の二期目――しかも新指導部は習派がメイン――発足の直後に米大統領がやって来るという形式は、中国史に詳しい人なら隠れた意味が分かると思います。

中国の歴代王朝は、新皇帝が誕生すると、属国の使節をお膝元まで「あいさつ」に来させていたんですね。だから中国的な世界観からすると、「将来世界1位になる国の帝王のところへ、2位に転落する予定の帝王がおもねりにやって来た」となる(笑)。

江戸時代の参勤交代制も同種の含意がありました。しかも、国内の大名だけでなく、琉球や朝鮮の使節も徳川家の将軍のところに挨拶に来させていたんですね。

韓国人的には「朝鮮通信使は文化後進国の日本に文化を教えてやる使節だった」と脳内変換されているようですが、実際は新将軍就任を祝うための慶賀使節でした。

で、習近平はトランプを故宮に案内した。

上の画像を見てください。真ん中の中心線を挟んで、二者が立っている。

実際行くと分かりますが、この敷石は巨大な大理石です。昔は皇帝だけがこの敷石の真ん中を歩く(あるいは御輿で進む)ことを許された。

つまり、「すでに米中二カ国で世界の支配権を対等に分け合っている」という含意す。暗にそういうメッセージを込めて、この写真を撮らせ、発信したわけです。

中国政府はしばしば自分たちの暗黙の了解に基づいてこういうことやる。過去には天皇陛下に印鑑(≒国璽)をプレゼントしようしたくらい。河野、孫崎、丹羽、二階、野中と、媚中派には事欠きませんから、日本も気をつけないと駄目です。



トランプ訪中後どんどん追い詰められていく北朝鮮

さて、米中首脳会談のメインはやはり北朝鮮問題だったといわれています。

アメリカは以前から中国に対して、北朝鮮への経済制裁を強めるよう圧力をかけて来ました。この辺ではやはり中国にも矜持があって、ある面では応じるが、ある面では頑として応じない外交をしています。たとえば、依然として地下のパイプラインを通して原油は供給している。しかし、金融や貿易面での対北制裁には応じています。

トランプ帰国後、ばたばたとした動きが起きています。

習近平は中央対外連絡部長の宋濤(そうとう)を特使として北朝鮮のところに派遣しました。この宋濤は安倍総理のところにも来る人物です。政治局員ではないので序列は低いですが、かえってトップの意向を相手に直接伝えるメッセンジャーとして適任です。

しかし、報道の通り、金正恩と会談することもできなかったという。

その直後、11月20日、トランプ政権は北朝鮮を「テロ支援国家」(State Sponsors of Terrorism)に再指定しました。

「え、支援国というより、テロ国家そのものじゃないのか!?」という反応が巷間に満ちていましたが、私も同感です。北は物理的なテロ国家で、南は精神的文化的なテロ国家というのが大方の日本人の見方ではないでしょうか。

もともとレーガン政権時代に大韓航空機爆破テロを受けて指定されたものを、ブッシュ政権が二期目に解除しちゃたんですね。前も言いましたが、あの時ほど日本の保守派が惨めだったことはなかった。なにしろブッシュ政権のイラク戦争を全面支持していたんですからね。しかしアメリカは己の都合で拉致問題をあっさりと切り捨てた。

あの当時、第一次の安倍総理は「再チャレンジ」というスローガンをしきりに唱えていたが、今にして思えば、再チャレンジしているのは安倍さん本人ではないかと。

さて、案の定、北朝鮮は「重大な挑発だ」と反発し、核開発を加速させると宣言しました。

一方、非常にタイミングよく、22日にはソウルの国連軍司令部(UNC)が、北朝鮮兵士の1人が南北軍事境界線を越えた時の事件映像を公開しました。

この亡命銃撃事件そのものは11月13日に発生していたものです。重要なことは、国連軍司令部側が、公式に北朝鮮が休戦協定に違反したと発表したことです。なんでも、朝鮮人民軍側が亡命する兵士に対して軍事境界線を越えて発砲していたとか。

また、時期を同じくして、北朝鮮船舶が国連安保理の制裁決議に違反して、石油らしき物資を受け渡ししている様子の写真も公開されました。

この画像が証拠となり、北朝鮮船舶は追加制裁の対象に指定されるという。これはもしかして偵察衛星から監視しているのでしょうか。

そして同じ頃、トランプ政権は、国連安保理の決議とは別に、新たな追加制裁を発表しました。中国遼寧省の丹東市の貿易会社などが名指しで制裁です。米国内の資産凍結や米国との取引禁止といった処置で、中国企業狙い撃ちに対して中国側も怒っています。

丹東というのは北朝鮮のすぐ向かい側にある都市ですね。

両国の境界線になっているのが「鴨緑江」(おうりょっこう)です。

ここによくニュースに出て来る「中朝友誼橋」というのが掛かっています。

From Wikimedia Commons

ここが中朝間の最大の動脈で、貿易の7割が通過するといいます。

11月24日、中国は補修工事名目で10日間ほどこの橋を閉鎖しました。一時的な措置なので、制裁のつもりかどうか分かりませんが、時期が時期だけに憶測を呼びます。北朝鮮に対する政治的なメッセージなのかもしれません。

以上のように、テロ支援国家指定、休戦協定違反、国連制裁決議違反、新追加制裁、中朝友誼橋閉鎖・・と、数日の間に怒涛のごとく北朝鮮絡みのイベントが続いています。

やはり、こういった動きは、軍事衝突の前触れだと思われます。

李承晩というアジア史に例のない人間のクズ

このように、トランプ訪中・米中首脳会談後に、ばたばたと事態が加速しています。

前回言ったように、トランプの韓国国会演説は明らかに北朝鮮への「最後通牒」(もしくはそれに近い通告)だったんですね。

では、その直後に行われた米中首脳会の協議とは何だったのか?

私は、金正恩体制を打倒した後にどういう秩序を作るか、その最終調整だったのだと信じています。つまり「新朝鮮半島秩序」策定のための詰めというわけです。

これまでも米中はその「新秩序」をずっと話し合ってきました。

むろん、韓国の頭越しです。

なんで“当事者”の韓国が蚊帳の外かというと、資格がないと見なされているからです。というのも、1950年の朝鮮戦争は実質的に「米中戦争」でした。

趣旨ではないので詳細は省きますが、韓国人朝鮮人が主役だったのは最初の数ヶ月間で、あとは米軍と中国軍がメインの戦いへと移行しています。

案の定、自分たちにとって都合の悪い歴史は黙殺してなかったことにする韓国の歴史教育を受けてきた韓国人たちは知りませんが、韓国軍の大半は役立たずでした。

だいたい、全軍司令官の李承晩自身が開戦当初に首都を逃げ出しています。しかも、北朝鮮軍が追って来づらいように自分がソウルの漢江(ハンガン)を渡り終えると橋を爆破しました。大勢の市民が渡っている途中であることを承知で。

それで李承晩は韓国南部に逃げて、北朝鮮軍が迫ってくると、今度は日本の九州に逃げようとしたんですね。それで韓国の臨時政府を九州に置かせろと。

ちょっと前まで「対馬は韓国領だ、だから侵攻して奪還するぞ」と公式宣言していた人物です。にもかかわらず、自分の命が危なくなると、日本に逃げようとする。

で、マッカーサーの仁川上陸作戦が成功して、国連軍は再び首都を奪還します。それでまた安全になると、李承晩は首都に戻って、竹島を侵略しました。

当時、日本は兵站基地となって米韓軍を後方支援していたんですね。しかも掃海艇を派遣して死傷者を出しながらも地味に戦いに貢献していた。いわば準同盟国。

李承晩はその恩を仇で返した。ま、戦争前も戦時中も自分に反対する市民に「共産主義者」の烙印を押して大量虐殺していた独裁者ですから、何も驚きませんが。

私に言わせれば、金正日や金正恩よりも、この李承晩のほうが100倍悪い。

本当は、当時の韓国人は「日帝時代のほうがずっとよかった、いったいこれのどこが解放なんだ!?」と不満を爆発させていた。李承晩時代を経験した韓国人にとってそれは本物の暗黒時代でした。だから李承晩にしてみれば、自分の前の日帝時代を、それ以上の暗黒時代に見せかけなければ政治的に辻褄が合わなくなりました。

それでメディアと公教育を使って徹底的に戦後世代の洗脳を始めました。

だから韓国人がこの「李承晩の真実」を直視できない限り、日韓の歴史観の共有など永遠にありえないわけです。

誰も語らないトランプ訪中の本質

話が反れてしまいましたが、このように朝鮮戦争は実質「米中戦争」でした。

現代の朝鮮半島情勢はその「戦後秩序」として国連(むろん中でもとく米中)主導で決められたものです。その両国が新たな秩序について話し合った、ということです。

連合国の一員として自力で日本から独立して、メインプレーヤーとして朝鮮戦争を戦い抜いた、と集団錯覚をしている韓国人には、とうてい分からない力学です。

ただ、日本もあまり人のことを言えたものではないのもたしかです。大きな視点で見れば、かつての大日本帝国が複数の国に分割され、超大国の道具として互いに争わされているとも言えるわけです。むろん、操られている中には日本も含まれます。

問題は両大国の話し合いの中身です。

トランプと習近平は何を話し合ったのか? そして何を決めたのか?

まず中国が米軍の軍事行動を容認したことは間違いない。

すると、両国の協議直後の、対外連絡部・宋濤(そうとう)特使の派遣は、戦争になる前に「中国としてもやれることはやった」という実績作りなのかもしれない。ちょうど、ティラーソンやマティスがえんえんと「対話」や「外交努力」を訴えるのと同じ。「中国は最後まで外交がんばりました」というアピールです。

日本の左派・リベラル派系のメディアを見ていると、こういう米中の三文芝居に振り回されているケースが多い。「ほら見ろ、米朝は対話する、安倍は戦争を煽るな」とか言っているが、安倍総理や日本の存在を過大評価しているのはむしろ彼らかもしれない。

米中は「金正恩政権の排除」と「北朝鮮の非核化」、および「米軍の対北攻撃」の三点で合意したのは間違いないが、では今の独裁体制を打倒した後に「誰」を新統治者として据えて、「どんなふうに北朝鮮を統治するか」という“戦後課題”が残っている。

そして、ここがアメリカとしても厄介なところ。というのも、対イラク戦争でサダム・フセインを倒したものの、戦後の統治で散々苦しんだ経験がトラウマだからです。

ここを中国が引き受けよう、という話し合いだったのではないか。

平たく言えば、アメリカとしては、「戦後の北朝鮮は中国が好きなように料理してくれたまえ」ということ。「君たちの戦利品を犯すつもりはないよ」と。

ただ、これならば、とくにサプライズというほどのことはありません。

もしかすると、「この際だから、うちの戦利品の面倒も見てくれ」・・・そういう話になっているのではないか。もちろん、それは韓国のことです。(後半へつづく)

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