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米軍の超ハイテク戦こそバノンの言う「方程式の解」だ

私は素人だが、なんとなく第二次朝鮮戦争は前代未聞の戦いになるのではないか、という気がしている。文字通り、歴史上類のない、特異な戦争である。

それは主に二つの特徴がある。

まずは一つ目から。

北朝鮮との戦争では、前々から一つの懸念があった。先ごろ首席補佐官を解任されたスティーブン・バノンは“電話インタビュー”で次のように本音を語った。

「(北朝鮮の核の脅威への)軍事的解決策はない、忘れるんだ。ソウルの1000万人が通常兵器によって最初の30分内に死なない方法を提示してくれるという方程式部分を誰かが解決するまで、私はあなたが何を話しているのか分からないし、軍事的な解決法はない」

このことは1990年代の第一次朝鮮半島核危機の頃から懸念されていた。

下が韓国と北朝鮮との「国境」だが、厳密には「軍事境界線」になるらしい。近いものでソウルからわずか30キロほど北側のところにある。

改めて以下を確認したい。

  • 現在、南北コリアは「休戦」であって、講和していない。
  • 北朝鮮は2013年3月、その休戦協定の破棄を一方的に宣言した。
  • 北朝鮮は約70万の兵力を休戦ラインのそばに配置し、電撃戦に備えている。

この軍事境界線の南北4キロの幅が非武装地帯(DMZ)であり、東西約245キロも続いている。北朝鮮はそのすぐ北側に長大な地下陣地を築いている。そこに1万から1万数千とも言われる大量の野砲・ロケット砲を配備している。

たとえば、170ミリの長距離砲は射程40キロと言われている。

また、240ミリの多連装ロケット砲は射程60キロと言われている。300ミリの新型は200キロ飛ぶともいうが、まだそれほど実戦配備されていないらしい。

開戦時には、こういった長距離砲やロケット砲が地下や坑道から出てきて、ソウルに向けて一斉に火を噴く。ソウル首都圏には人口の3分の1以上が集中するという。

1万基以上からの一斉射撃・・・ソウルが「火の海」と化すのも頷けよう。

出典ロイター:https://jp.reuters.com/topics/northkorea-threats 地下砲撃拠点に配備されたこれらの兵器の最大射程距離と、首都ソウル地区へ理論上到達可能な範囲を描画したもの

従来の常識では、米軍の空爆によって戦争が始まると、このような地下拠点に隠された重火器からの大量報復を招き、最終的には米韓軍が大規模な地上戦を行って、これらの兵器や地下施設を制圧しなければならないとされていた。

1994年の第一核危機では、ペンタゴンによって「最初の90日間で米軍5・2万、韓国軍49万が死傷、民間人含め100万以上が死亡」と見積もられた。

一般には、この想定が当時のクリントン政権をして攻撃を断念させたと言われている(ちなみに、これは要因の一つであって主因は別にあると私は考えている)。当時、カーター元大統領が訪朝して金日成とトップ会談した。北朝鮮が核兵器開発をやめる代わりに軽水炉・重油などのエネルギーを支援するとの合意が米朝間で交わされた。

こうして戦争は回避されたが、のちに北朝鮮が秘密裏に核開発を続けていることが発覚して、ブッシュ政権時代にまた仕切りなおし。今日の状況へと繋がっている。



前代未聞の精密誘導兵器による大量爆撃

さて、このような膨大な犠牲をどうするのか、出さずに戦争する方法はあるのかと、バノン氏は反対していたわけだ。これは関係者がみな頭を抱える難問だった。

ところが、9月18日、マティス国防長官が突破口の存在を臭わせた。

(前略)韓国の首都ソウルを北朝鮮の報復で「重大な危険」に陥らせることのない軍事的手段があると記者団に明かした。作戦の詳細について言及することは控えた。

出典:http://www.sankei.com/world/news/170919/wor1709190053-n1.html

果たして、これは「ハッタリ」なのだろうか。

私はそうは思わない。おそらく、主観的には、一定の自信があるのだと思う。

では、ソウルを大きく破壊されることなく、上記の難問をクリアする軍事作戦とはどのようなものだろうか。再度、素人と断った上で、私のイメージを述べたい。

おそらく、それは現代のハイテクだから可能な、史上空前の戦力の集中・精密誘導兵器の一挙投入作戦ではないかと思う。

言ったように、ソウルを狙っている長距離砲やロケット砲は、米韓軍からの空爆・砲撃対策のため、地下ないし山や丘の坑道に設置されいる。

これは日本を狙っているスカッドやノドンなどの弾道ミサイル発射基も同じだ。

だから、表に出てこない兵器本体を叩くことは至難の業かもしれないが、その代わり「出入り口」を破壊することによって一時的に使用不能にすることは可能だ。

グーグルアースでそれらしき出入り口を発見することができた。ちょっと分かりにくいが、矢印の先は日本で見られる地下駐車場の出入り口のようなものだろう。

わざわざ北側に向いているのは、韓国側からの砲撃対策のためらしい。

こういった出入り口、またその真ん前を正確に爆撃することによって、移動砲や大型車両が出られないようにする。

普通に考えれば、山の斜面を掘った先にある、奥まった出入り口をどうやって爆撃するのかと疑問に思うかもしれないが、そこまでミサイルが潜り込んで破壊する。

今ではミサイルがそういう生き物のような動きをする攻撃も可能らしい。ただし、事前にプログラムする必要があるので、膨大な手間がかかる。

もちろん、バンカーバスターなどを多用して、できるだけ地下施設そのものを破壊しようとするだろう。小型核搭載の「B61-12」にとって格好の実戦テストとなる。

1991年の湾岸戦争では、初めて本格的なハイテク兵器が登場したが、実際には一部で使われただけだった。しかも、当時はネットワークも未発達だった。

今度の戦争は、ある意味、当時の「芽」が大木となった姿――完成形だ。

むろん、把握していない出入り口もあるだろう。しかし、米情報関係者から時折漏れる「それがたくさんある」という話は北朝鮮を油断させるためのディスインフォメーションであり、8~9割方は把握しているというのが真相ではないだろうか。あるいは過去はそうだったかもしれないが、今では洗い出しをほぼ終えているのではないだろうか。

たとえば出入り口である以上、平時においても人間や車両が必ず出入りする。である以上、たとえそこが山の斜面の横穴であっても、存在を推測することは可能だ。

今までアメリカが開戦を引き伸ばしてきたのは、そういった軍事用の出入り口を可能な限り特定するためだったのではないか。また、そこに命中させるための膨大な巡航ミサイルのプログラムに手間取っていたのかもしれない。しかし、マティス国防長官の言葉からすると、どうやらその作業も終わりに近づきつつあるようだ。(つづく)

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