“シオニスト”トランプの暴走で地獄に引きずりこまれる日本

テロ・紛争・戦争・崩壊




先日、イスラエル議会の選挙があり、ネタニヤフ率いる「リクード」が僅差で勝利した。この少し前には、トランプがゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めた。

ゴラン高原は、1967年の第三次中東戦争で、イスラエルがシリアから奪った土地だ。当然、国連もイスラエル領土とは認めていない。それを正式に認めるという。

タイミング的に言うと、トランプがネタニヤフの選挙を援護射撃したに等しい。

安倍さんも「巨額の税金を投じてイージス・アショアなどの米国製兵器を購入したのだから、今度の選挙の直前に、竹島が日本領であることを公式に認めてほしい」くらい要求したらどうか。というか、そもそも領土問題でアメリカが態度をはっきりさせないこと自体がおかしい。政治家なら「何のための日米安保か?」くらい主張してほしい。

それはそうと、これでG7は、領土問題で中ロを批判する資格を失った。

実際、トランプの決定に対して、中ロは「シリアにおける領土の支配権と一体性」を訴えている。笑えるのは、これが、ロシアのクリミア侵略と、中国の南シナ海侵略に対して、G7が行った非難声明とそっくりなことだ。つまり、西側諸国が中ロに対して行ってきた批判のロジックを、中ロがそのまま逆用して皮肉っているのである。

しかも、中ロに対してこれまでやってきた批判の論理が破綻しただけではない。

アメリカはイスラエルに対して史上最大規模の軍事援助を公約している。

また、エルサレムをイスラエルの首都と正式に認め、大使館の移転も決めた。

さらに、国際合意として決まったはずのイラン核合意も破棄した。

すべてトランプが大統領になってからの話だ。

そして、とうとう、常識では考えられないようなイスラエル贔屓の決定を下した。

なんと、イランの革命防衛隊を「テロ組織」認定するというのだ。ホメイニ体制を守るための組織がそうだと言うのは、現代イランの国体を「悪」と定義するようなもの。

並行してトランプ政権はイランの石油収入を潰そうとしている。

米歴代政権の中でもここまで一方的にイスラエルを贔屓した例はない。

まるでトランプは“シオニスト”であり、その立場にたって、ネタニヤフと二人三脚の中東外交をしているかのようだ。

ただし、トランプがイスラエルを偏愛していると言っても、イスラエル(ユダヤ)側もまたトランプに「票と金」という見返りを与えている。

そうすると、トランプ当選当初にロシアが流したテレビ番組は本当だったのかもしれない。下の記事でも触れたが、ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワMaria Zakharova女史は、トランプの勝利を「ユダヤの献金のおかげ」と公然と言い放った。

米大統領選は「金融資産系 VS 実物資産系」シオニストの代理戦争か?
みなさん、こんにちわ。 「櫻井ジャーナル」のほうで、「露外務省の広報担当が米大統領選でトランプが勝利した理由をユダヤ系資金が原因だと示唆した 2016.11.19」と題する興味深い記事が掲載されていた。 11月13日に放送された番組の中でロ...

むろん、ロシア政府の見解と異なる主張をする自由はないから、これは事実上、ロシアの公式発表だろう。もっと言えば、プーチンが、自分で言うとマズいから、部下に言わせたという見方もできる。

「我がロシアはトランプ新大統領の背後にいるユダヤ・パワーの存在をキッチリと認識しており、今後とも監視していくぞ」というけん制なのかもしれない。

さらに、トランプの場合、婿のクシュナーがユダヤ教徒で、娘が改宗したことから、「票と金」だけでなく「血」もまたユダヤに取り込まれたという見方もできよう。



イラン、北朝鮮、そして中国まで連携する悪夢

さて、かくして事実上のシオニストたるトランプ大統領だが、目下、イランを異常なほど敵視している。イランに対する敵意と偏見はネタニヤフに勝るとも劣らない。

アメリカは以前ほど中東の戦争――自身の参戦を含め――に対する恐れがない。というのも、いわゆるシェール革命の進展により、2018年の時点で、アメリカはサウジやロシアを抜いて世界最大の産油国へと躍り出た。シェール層のオイルの掘削は、原油安でいったん採算割れしたが、さらなる技術革新により、生産コストの削減に成功し、急激に生産量を増しつつある。反対に、中東の戦略的価値は低下の一途だ。

また、もう一つ私が引っ掛かるのは、2月末に第二回の米朝首脳会談が破綻した後に、イランの革命防衛隊を「テロ組織」認定するという流れである。

周知の通り、北朝鮮とイランは以前から弾道ミサイル開発などで地下連携していたが、現在、両国とも崖っ淵へと追い込まれつつある。よって今後は表立って反米で手を組む可能性がある。このことは相手の目線に立てばよく分かる。もし個別に動いたら、巨大な米軍に各個撃破されることが分かりきっている。したがって少しでも戦略状況を有利に持っていくためには、できるだけ同時に動いて、米軍の戦力を分散させる以外ない。

“奇しくも”安倍政権は自衛隊のシナイ半島派遣を決定した。イスラエル・エジプト両軍の停戦監視団に加わるためだ。エジプトは今混乱しているが、大戦後の独立当初は反イスラエル連合の中核に位置していた。流れ次第では、また反イスラエル政権が誕生する可能性がある。そうなると、陸自のいる場所は「前線」に逆戻りするだろう。

言ったように、アメリカは中東の石油にさして依存しなくなったが、逆に日本は極端な中東依存が続いたままである。イランは以前から「イスラエルやサウジと戦争になったらホルムズ海峡を封鎖する」と宣言している。

日本は再び石油ショックに見舞われるだろう。

「石油供給トラブルで困るのはわが国ではなく日本だ、それなのに中東地域の安全保障のために何ら義務を果たさない。日本のためにアメリカの若者に血を流せというのか?」

その時、アメリカからこんなふうに正論で畳み掛けられたらどうするのか。半ばアメリカにケツを叩かれ、半ば自責の念で、中東での戦争に赴く自衛隊・・・。

繰り返すが、トランプのイスラエル贔屓・イラン叩きは異常で、石油供給の制約の少なくなったアメリカは、以前ほど中東での戦争を躊躇しなくてすむ。

また、狙われる側のイランは、北朝鮮と手を組んで、同時決起する可能性がある。

そして、もう一つ、勘案しなければならないのが中国の動向。少し前、習近平と金正恩がとうとうアメリカという共通の敵で結ばれる可能性があると記したばかり。

史上初、習近平と金正恩が反米で結束する!【新中朝反米同盟・前半】

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今は嵐の前の静けさだが、動く時は、事が連動してドドッと動くだろう。

トランプの暴走のせいで、その時、日本はとんでもない国際的トラブルに巻き込まれたり、本質的に戦う必要のない相手と戦わされたりする可能性がある・・・。

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