何度でも言う、北朝鮮との戦争はすでに始まっている

テロ・紛争・戦争・崩壊




私が北朝鮮絡みで何かを書くと、しばらくしてそれが現実化したり、世間でクローズアップされたりするので、たいへん予言的で驚かされるという声が私のところに幾つか届いている。実際のところ、なぜ的中するのかは私にも分からない。

私は特殊なソースから情報を貰っているわけではない。また、専門家の記事は少し参考にする程度で、しかも引用する時は出典を記し、勝手に自分のものにしない。

まあ、私がかなりの部分を直感に頼って勝手に書いていることが優れた予測として参考になるなら、結構なことだし、私のような者でも少しは役に立つということだろう。

逆に言えば、大半の知識人が、誤ったことや後だしジャンケンで適当なことを言い過ぎているのかもしれない。私から見て、軍事の専門家だけは比較的参考になるが・・。



拉致問題が再びクローズアップされた

さて、北朝鮮関係の新たな情報が次々と入っている。

私は9月5日の記事の最後で次のように記した。

拉致問題は今は下火だが、いずれまた大問題として遡上に上がるだろう。

現地時間9月19日、トランプ大統領がNYの国連総会演説で横田めぐみさんのケースを取り上げてくれた。そして、大統領は11月に来日する折、横田さん夫妻と会見するという。大変素晴らしく、また心強い話だ。逆にいえば、オバマやブッシュがいかに日本を軽視していたか、又は時の総理が努力しなかったか、ということだろう。

こうしてメディアが拉致問題を再び大きく取り上げるようになったのも、トランプ大統領と安倍総理のコンビがあったからこそで、私はお二人には心から感謝したい。

ただし、自衛隊による戦時中の救出作戦そのものは投機的すぎるため、慎重に検討したほうがいいと思う。誰がどれだけ誘拐され、どこに収容されているか、といった基本的な情報が不足している。第一、人を救うために自衛隊員をたくさん犠牲にしては意味がない。それに日本は後方支援を担うので、それくらい米軍に要求する権利はある。

(また、拉致問題そのものは一方向からではなく、多面的な方向から見なければならないのも確かだ。しばしば真実は光と陰が同居した複雑なものだからだ。

それゆえ、私は次の蓮池透氏の著作も参考文献として挙げる。

『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』

内容はあまり知られていないことが多く、タイトルで話題性に走ったり、余計な人物との対談をしたりといったマイナス面を補って十分なものとなっている。)

北朝鮮から見ると9月11日が開戦日だ

さて、9月11日、北朝鮮に対する国連安保理の追加制裁決議が可決し、北朝鮮の輸出収入の9割が断たれた。これを指して、私は同16日に次のように記した。

2017年9月11日、北朝鮮との戦争が始まった
奇しくもNY同時多発テロから16年目を迎えた先の9月11日、北朝鮮に対する国連安保理の追加制裁決議が可決した。北朝鮮が9月3日に強行した水爆実験に対するものだから、異例のスピードだ。その3日後には当初案を各国に提示しているから、米国はかなり...

我が身に置き換えれば、たとえ耐久生活に移行しても、1年後くらいには破滅することが予測できるはずだ。例えるなら「ゆっくりとした死」である。(略)

そうすると、9月11日をもって、広義の戦争は始まったということである。あとは「実戦」がいつ来るかだけで、それは時間の問題だ。

つまり、これは昔の言葉でいう「兵糧攻め」であると。秀吉の小田原攻めが戦争でないと言う人がいないように、この行為が戦争でないと思わないほうがいい。制裁を「骨抜きだ」と言う知識人も少なくないが、私は逆に相手を死に追いやる“戦争”と称した。

案の定、つい先日、こんな声が北朝鮮の元幹部から出て来た。

経済制裁で多くの人死ぬだろう~北の元幹部 10/17() 15:45配信

(前略)元幹部が16日、アメリカで講演し、国連安全保障理事会などによる新たな経済制裁について、「北朝鮮が1年もつかわからない。多くの人が死ぬだろう」と指摘した。

李正浩氏は、金委員長の秘密資金の管理や外貨獲得を担う機関「39号室」の元幹部で2014年に韓国に亡命し、現在はアメリカに住んでいる。

(略)李氏は、国連安保理やトランプ政権による新たな経済制裁が「これまでになく厳しいものだ」として、大きな影響が出るとの考えを示した。

(日本テレビニュースは上記アイキャッチ画像から以下へと続く)

彼は金正恩の個人的な資金管理を任されていたくらいだから、内部事情のエキスパートであろう。それゆえ、先の安保理による制裁は、最終的に大量の餓死者が出るほど北朝鮮に対して効き目があるとする彼の意見は、信用できる。

問題は、北朝鮮の立場から見ると、このダメージがどう映るか、どういう意味を持つかということ。大事なことは、私たちの常識を無理に相手に当てはめないことだ。

おそらく「日米が先にわが国を攻撃してきた」と映っているはずだ。

これが事実かどうかは意味がない。重要なのは、北朝鮮の主観であり、視点である。

私はこの兵糧攻めがどんな意味を持つか、同じ記事で次のように例えた。

金正恩の視点でいえば、このまま何もしなければ、ジリ貧で死ぬだけ。

他方で、非核化という“全面降伏”をしたところで、実質「死」と同じ。

座して死ぬか、白旗を掲げて死ぬか、それとも戦って死ぬか・・・もはやこの三つしかない。9月11日の決議によって、彼は「どの死に方がいいか」という選択を突きつけられた格好だ。つまり、外交は終わったということ。

今現在(2017.10.19)の日本人の視点からすると、「ここ一か月ほど北朝鮮はおとなしくしているので、彼らがこのまま何もしなければ戦争にならなくてすむ」とすら思えてくる。私も本当はそうやって胸を撫で下ろしたい。戦争にはなってほしくない。

しかし、これこそ、まさに相手の今の境遇を想像しない、無神経な平和願望なのだ。

やはり同じ記事で私は次のように書いた。

日米はいくらでも待っていられるのである。

対して、北朝鮮はどうなるか。時間が敵になる。

つまり、北朝鮮はすでに、日に日に死んでいく立場へと追い詰められている。

「このまま何も起きなければ平和が保たれる」というのは、見方によってはひどく身勝手な日本人の発想で、相手にしてみればすでに「事が起こっている」のだ。

「おれたちをこんな目に合わせておいて何が対話だ、平和だ!」と、怒髪天を突いているのが、今の北朝鮮の気持ちだろう。言ったように、これは彼らの「主観」であって、正しいか否かは問題ではない。実際、私個人は「自業自得だろ、ざまみろ」と思う。だが、相手のほうは、罰を受けたというより、先制攻撃を受けたと恨んでいる可能性がある。

だから私は「広義の戦争」はもう始まっているという認識だ。

北朝鮮の先制攻撃か、それを察知した米軍による先制攻撃か

私はこれまで、追い詰められた北朝鮮による先制攻撃は十分ありえるという意味のことを何度も記してきた。だいたい、そうやって真珠湾攻撃前の日本のように追い詰めて暴発させるのが、そもそもアメリカ(の奥の院)の狙いではないのかと。

あのプチスターリンのような金正恩の性格を思うと、「どうせ殺されるのだったら、国や人民がどうなろうが、できるだけ大勢の敵を道連れにしてやる」と決意する可能性は十分にありえる。だから「死」を覚悟した「自殺的先制攻撃」も考えられる。

案の定、ここへきてそういう情報が漏れてきた。(*赤字筆者)

「元帥様は先制攻撃を決断」朝鮮労働党幹部が発言との驚愕情報 日本も標的「在日米軍基地を殲滅」とも 2017.10.12 11:30更新

(前略)「北朝鮮が先制攻撃を検討している」「米本土も日本も標的だ」という衝撃情報がある。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。(夕刊フジ・10月5日掲載)

「もはや米朝軍事衝突は、100%避けられない」

私(加賀)は数日前、朝鮮労働党幹部と秘密裏に接触した。彼は緊張した顔でこう語り、驚がく情報を明かした。(略)

元帥様(正恩氏)は先制攻撃を決断している。米国が動く前にやる。『火星14』で、米本土のホワイトハウスと国防総省を核で潰す。司令塔を潰せば、米国は動けない。同時に、グアムを『火星12』で、在日米軍基地(横田、横須賀、岩国など)を弾道ミサイル『ノドン』などで殲滅(せんめつ)する。作戦は展開中だ」(後略)

当然、金正恩は、こんなことをすれば自分も祖国も破滅することを知っている。よって仮に「決断」したとしたら、死を覚悟しているということだ。

そして、これが一番怖い。というのも、自殺的先制攻撃ならば、初弾はEMP攻撃になる可能性があるからだ。そして間髪をいれず「核ミサイル奇襲攻撃」になるだろう。

それで日本の電力・コンピュータインフラが即死しかねないことは以下に記した。

北朝鮮が先制EMP攻撃なら日本終了
私は2017年3月の記事で、チラリと次のようなことを記していた。日本のイージス艦や潜水艦はEMP攻撃に弱いといわれる。だから、そういう核戦術をやられると、あとは一方的にミサイル攻撃される展開になる可能性もある。EMP攻撃というのは電磁パルス...

これまでのような「弾道ミサイル実験」を装って、いきなり本物の核攻撃をされたら、果たして手の打ちようはあるのか。

もしかすると、その先制攻撃を察知したアメリカによる先制攻撃(preemptive war)という形になるかもしれない・・。

やはり開戦すれば神奈川や沖縄の基地周辺は危ない

さて、実戦が始まる時期に関して、私はトランプ大統領の訪中より後と考え、一つの見方として、12月の半ばではないかと言った。

【第二次朝鮮戦争】2017年12月開戦説
安易に「開戦はこの頃だ」と口にすることは慎むべきだろう。ただ、一つの見方を提示したくなったので、この記事を記すことにした。9月11日の制裁決議により、北朝鮮は輸出収入の9割を断たれる見込みになった。これは「兵糧攻め」だ。広義の戦争はこの日を...

すると、田原総一朗氏からこれに近い情報が明かされた。

「米国と北朝鮮の間で火を噴く危険性」 田原総一朗氏が明かす衆院解散「本当の理由」

10/13() 19:12配信 Jキャストニュース

ジャーナリストの田原総一朗氏(83)が2017年10月13日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、野党が「大義」を問題視している衆院解散について、17年末から18年にかけて米国と北朝鮮の間で軍事的緊張が高まり、それまでに「そのための体勢を作る」ためだったとの見方を示した。(略)

米国のトランプ大統領は11月下旬に訪日し、その後は中国に渡って習近平国家主席と会談する見通しだ。この会談について、田原氏は

「色んな情報がある。一番極端な情報は…」と断った上で、トランプ氏が習氏に対して「もしかすると米国が北朝鮮に武力行使する可能性がある。そのとき、中国は黙って見ててくれ」などと打診するとの見方を示した。その上で、防衛省や外務省の幹部が田原氏に対して「今年の年末から来年にかけて米国と北朝鮮の間で火を噴く危険性がある」

と発言し、安倍首相も側近に「それが大変心配だ」と言っている、とした。

外務省はともかく、防衛省が「年末から来年にかけて」と言ったということは、これは米軍経由の情報で間違いない。

今にして思えば、クリスマスと年末年始は兵士にゆっくりと休ませて、1月の仕事始めから「さあやるか」という流れなのかもしれない。

対する北朝鮮の手の内も漏れてきた。以下は「週刊現代」なので脚色されている可能性があるが、それを割り引いても、「やっぱりそうか」と思われる内容ではある。

独占! 北朝鮮高官の証言「我々は日本海側の原発を狙う」 1016

(前略)北朝鮮の次なる一手は、太平洋上でのミサイル水爆実験だという。朝鮮労働党幹部の生々しい声を、独占でお伝えする。(略)

そんな中、本誌は北京と平壌を往復する人物に託す形で、朝鮮労働党幹部のホンネを聞いた。(略)

――エスカレートする一方の米朝対立だが、金正恩政権の内部では、アメリカとの対立の激化を、どう捉えているのか?

「(略)トランプが国連総会で行った、あの憎むべき演説で、すべてが変わった。あの演説は、わが国に対する『宣戦布告』に等しい。あの日を機に平壌は、もはや米帝との戦争しか道はないという雰囲気に一変した。(略)」

――日本に対しては、どこに狙いを定めているのか?

第一に首都圏の横須賀基地、第二にわが国への攻撃に利用される在日米軍基地、そして第三に、日本海側に広がる原発だ。日本が、全面的に米帝と一心同体だと言って加担するなら、われわれは日本を米帝の一部とみなし、日本にもミサイルの雨を降らせるだろう」

上の第一と第二からすると、やはり私が散々言ってきたように、地域としては下記がもっともリスクが高いことは明白であると思われる。

沖縄や岩国、三沢など、在日米軍の主要基地がある地域はすべて危ない。

田舎ではなしに、そういう地域でこそ、本番に備えたJアラートでの避難訓練を繰り返すべきだと思うのだが・・。

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