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アメリカが北朝鮮の核保有を認めるという主張ほど、アメリカを理解していないものはない

9月22日、トランプ大統領は次のようなツイートをした。

北朝鮮の金正恩は明らかな狂人だ、国民を飢えさせたり殺したりすることをなんとも思わない、かつてなかったほど試されることになろう。

もちろん、金正恩を“テスト”するのが米軍であることは言うまでもない。

19日のトランプの国連演説を受けて、今度は北朝鮮のリ・ヨンホ外相が反発した。

「我々のロケットが米国全土に向かうのを避けられなくなる過ちを犯した」

「米国やその配下の勢力が我々の指導部に斬首作戦や軍事行動の兆候を示した場合、無慈悲な先制攻撃で予防的措置をとる」

この発言にあるように、仮に北朝鮮が自殺的な先制攻撃作戦に踏み切ったとしたら、実はかなり厄介なことになるのだが、それはまた別の記事で触れたい。

これに対して、9月24日、トランプ大統領はまたも軍事行動を示唆する発言を行った。

今ちょうど北朝鮮の外相の国連での発言を聞いた。もしやつがリトル・ロケットマンの考えを繰り返しているなら、やつらはそう長くうろつけないだろう。

果たして、大統領はすでに軍事オプションを予定しているのだろうか。

それとも、一部の日本人が言うように、トランプ大統領は内心では戦争する気はなく、ただ単にハッタリをかましているだけなのだろうか。



もはやアメリカにとって北朝鮮の核保有はISやアルカイダの核保有と同じだ

実際、こういう見方は当初から根強くある。

たしかに、核不拡散などの条件を呑めば、インドやパキスタンと同じように、北朝鮮の核保有を認めるべきとする意見は米国でも出ている。しかし、容認論は米国の民主国家としての百家争鳴を表しているにすぎず、決して主流とは言えない。

印パは米国と敵対したり、米国を脅したりしていない。だから「ISやアルカイダの核保有を認めるか否か」のほうが例えとしてふさわしいと思われる(*ちなみに、それらのイスラム系テロ組織の真のオーナーは誰かといった陰謀論は横に置いておく)。

もちろん、米国が彼らの核保有を認めるわけがない。これと同じ意味で、米国を公然と脅す北朝鮮の核保有を、米国が認めることなどありえない。

だいたい、トランプ大統領はすでに北朝鮮に対して「ならず者国家」のレッテルを貼った。仮に、北の核保有を認めてしまったら、「米国はならず者国家の脅迫に屈した」という事実を作ってしまう。おそらく、米国にとって、これほどの恥辱はない。

当然、米国の威信は地に落ちる。そして他の独裁国家やテロ組織は、北朝鮮に倣い、同じように核武装して、公然と米国を核兵器で脅せばいい、と考えるだろう。

なぜアメリカは北朝鮮の指導部を破壊し尽くすのか?

それは世界のリーダーを自負する米国にとって、もっとも耐え難い、あってはならない状況だ。このような恥辱を経験するくらいなら、戦って死んだほうがマシだと、まともな米国人なら考えるだろう。ならず者の脅しには決して屈しない・・これこそ米国の暗黙の国是だ。この拠って立つ国是を捨てたら、米国は米国ではなくなる。

今現在、米国を率いているのが誰かを見なければならない。

あのトランプ大統領と、マティス国防長官、ジョン・ケリー首席補佐官、マクマスター国家安全保障担当補佐官という三人の軍人だ。

三人ともついこの前まで戦場で指揮を取っていたバリバリの軍人だ。日本の内閣に実戦経験のある軍人が複数入閣していたのは、いつの頃だっただろうか。

それを思うと、トランプ政権は太平洋戦争中の東条英機内閣とそれほど違わない。

このように、今の米国は稀に見る軍事政権である。彼らが、祖国が北朝鮮というならず者の脅しに屈したという印象を世界に与えることを、良しとするだろうか。

政治学者たちがナンセンスなことを吹聴しようが、彼らのアメリカン・スピリットからすると、北の核保有の容認どころか、それとは正反対の行動を取るはずだ。

つまり、米国は想像以上に苛烈な軍事行動をとるだろうと私は予測する。

「わが国を脅迫したものがどんな末路を辿るか、見ていろ」というわけだ。

いわば、一罰百戒であり、他の反米国家やテロ組織に対する「見せしめ」でもある。

しかも、遠慮はいらなくなった。トランプの国連演説やツイッターを見ても分かるように、北朝鮮はもはや「単なる敵」ではない。公然と米国や周辺諸国を脅迫した上に、自国民を飢えさせて殺している「道徳的悪者」なのだ。

すでにナチスと同じ扱いなのだ。トランプ政権は一切遠慮しないだろう。

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