朝鮮半島有事は2018年3月以降か

テロ・紛争・戦争・崩壊




みなさん、こんにちわ。

北朝鮮との「2017年12月開戦説」は間違いでしたね。

トランプも金正恩もクリスマスには自制していた。これに関しては、明確に私の誤りでした。ただ、「戦争の危機は去ったのか?」というと、そんなことはありません。

第一に、関係国・関係者が総じて懸念している。

私が「朝鮮半島核戦争危機説」と言い始めた頃には、様々なレッテルと嘲笑が押し寄せたものですが、今では中国・ロシアまでが戦争になる確率が高いといい、しかも大惨事になると警告している。ペンタゴンやCIAや米シンクタンクなども軍事衝突の可能性を訴えている。共和党大物のグラム上院議員などは「在韓米人を帰国させろ」と喚いている。戦争になるぞ派を指して「危機を煽るな」などと嘲笑する側だった朝日新聞までが、昨年10~11月あたりから急に論調を変え、核戦争を本気で心配し始めた。

「日本が核攻撃を受け、大量の死者が出るかもしれない」と私が言うと嘲笑していた左派系の皆さんは、欧米の権威筋が同じことを言い始めると、態度を180度ターン。今では、最初からそれを心配していたという顔で、「だから安倍は対話せよ」と言っている。

第二位、依然として危機の本質は温存された状態です。

私自身は広義の意味での戦争はすでに始まっていると考えている。

まず、昨年の「9・11制裁」から、北朝鮮に対する本格的な兵糧攻めが開始された。これにより、北朝鮮は輸出収入9割減という制裁を食らっている。

そして、「12・23追加制裁」の駄目押しが来た。北朝鮮への石油精製品の輸出を90%削減して50万バレル以下に制限する等の制裁で、アメリカは過去最高の制裁と自画自賛している。北朝鮮がいっそう困窮することが予想されている。

安保理、北朝鮮への追加制裁決議を全会一致で採択 2017年12月23日

(前略)NKニュースのコラムニスト、ピーター・ワード氏は、石油製品の輸入制限で北朝鮮の運搬業のほか、発電機に依存している一般家庭、生産現場、国営企業などが壊滅的な打撃を受けるとの見方を示した。

ただし、周辺の海上で物資を積み替えする「瀬取り式」の密輸が行われているようだ。しかし、この抜け道とて外貨あってのもので、外貨を稼ぐ手段をほとんど封じられた以上、いずれ北朝鮮国内の現ナマも枯渇してしまうだろう。

誤解している人もいるようだが、以上はすべて国連安全保障理事会としての制裁決議。しかも、中ロも賛成した全会一致の採択によるもの。国際社会に反して安倍政権だけが厳しい対応をとっているかのようなデマを言う者が少なくないので注意が必要です。

いずれにしても、北朝鮮が日に日に衰弱していく立場に追いやられたことには変わりない。そしてその生き地獄は、非核化を決断しない限り、ずっと継続される。



1月初旬を乗り越えたら次は一挙に3月か?

しかし、北朝鮮は核放棄に応じるつもりなんかさらさらない。

金正恩は1日、「新年の辞」を述べた。彼は次のように対米けん制した。

「米本土全域がわれわれの核攻撃の射程圏内にあり、核のボタンが私の机の上に常に置かれていること、これは決して威嚇ではなく、現実だということを理解せよ」

そして核弾頭と弾道ミサイルの量産・実戦配備を急ぐように指示した。

つまり、非核化どころか、急いで対米決戦兵器を準備している。

というわけで、危機は少しも去っていない。むしろ日に日に高まっている。

私はクーデターなどで金正恩政権が自壊しない限り、絶対的といっていいほど戦争になると、同じことを繰り返し言ってきました。

やはり、戦争は時間の問題と思われます。私は昨年の12月に戦争になる可能性があると記事にしたので、時期を推測することには慎重でなければならない。

ただ、状況は常に変化するし、戦争は“生きもの”とも言われる。最新の状況を追っていけば、なんとなく危ない時期も見えてきたりする。

まず、1月8日の金正恩の誕生日とその直後のリスクが高い。1984年生まれだから、まだ30代前半というわけだ。

最近、ICBMの発射準備が進められていることが報じられている。前回と同じ発射場で活動が確認されているということは、やはり、全米を照準に収めるという液体燃料方式・射程1万3千キロの「火星15」なのだろうか。日本列島越えは規定路線として、問題はどの「方角」へ飛ばすか。グアムだったら戦争になる可能性がある。しかも、ちょうどその頃にクリスマスで一時帰国していた在韓アメリカ人も帰国を余儀なくされる。

したがって1月初旬が一つの「機」だが、それを逃せばいったん何ヶ月か先延ばしになる。

2月9日から平昌冬季五輪が開幕する。

北朝鮮はうまい具合に冬季五輪への代表団参加を提案し、韓国の文政権も乗った。これに関して南北は協議を行う予定だが、たぶん前向きな結果の可能性が高い。

そもそも「平昌冬季五輪中は何がなんでも軍事行動を控えてくれ」と、韓国側がアメリカに対して強く要望したようだ。その期間中は韓国としても米軍と行動を共にできないと強くごねたというか、ほとんど恫喝したのではないかと、背景が察せられる。

平昌冬季五輪組織委員会の公式ホームページの世界地図。朝鮮半島を巨大化して故意に日本を消したことで問題になった。

ということは、1月初旬の「機」を無事越せば、次に危機が再燃するのは3月以降と考えられる。ちょうどこの頃、史上最大規模の米韓の大規模軍事演習が行われる予定だ。

また、「9・11制裁」から半年後が3月11日になる。ちょうど、厳しい冬を越したばかり。燃料事情が悪化しているから、一番弱っているところともいえる。

奇しくも(?)昨年末、元海将の香田洋二(こうだようじ)氏が『北朝鮮がアメリカと戦争する日』を上梓されたが、香田氏は3月や4月といった時期を想定している。

彼は絶対に戦争になると明言している人だ。彼は深夜にいきなり米軍が奇襲攻撃をやるだろうと想定している。私もこの1月初旬を越せば、当然その時期だろうと思う。

そういえば、イラク戦争の時も今日のようなダラダラ感があった。

当時のブッシュ政権がイラクとの戦争を決断したのが同時多発テロ直後。つまり、2001年9月。そして、2002年冒頭の一般教書演説で、イラク・イラン・北朝鮮を堂々と「悪の枢軸」に認定し、事実上の打倒を宣言した。それから今日のような互いの非難の応酬が続き、結局開戦したのは2003年3月。つまり1年半もかかった。

やはり、本格戦争となると、それくらいの準備が掛かるのかもしれない。

あるいは、対日戦方式をモデルにしているとしたら、アメリカはひたすら相手側の先制攻撃や何らかの死者の出るテロ攻撃を待っているのかもしれない。

というわけで無事に2018年の幕を明けたが、朝鮮半島の危機はむしろこれからが本番というふうに考えられるのではないだろうか。

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