最近の異常な酷暑と熱中症等の問題から学校へのエアコンの導入が提起されていますが、根性論・精神論に拠る反対論は論外として、私は合理的に考えて不要であると思います。
ちなみに、ここでいう「学校」とは全国平均的な小中高校のことであり、日本の南北の端っこなどの局地的な例外まで含めるものではありません。
学校にエアコンを導入する場合、校舎は「セントラル空調」にするか、それとも教室ごとの「個別空調」にするか、専門家の判断が必要ですが、どちらにしても莫大な導入費になります。個別方式でも教室サイズだと業務用になります。全体空調だと大型施設用の巨大な冷温水発生機が必要です。これは一個空間の容積が巨大な体育館でも同じことです。当然、稼動した場合のエネルギー費も膨大です。
しかし、新たに大型機械を据え、校舎中にダクトを巡らせたとしても、学校という施設の性質上、それほど頻用することになるとは思えません。
学校は、例年でいえば、梅雨明け頃から「夏休み」に入り、それが8月末まで続きます。つまり、本格的に冷房が必要な期間は1か月程度ではないでしょうか。
しかも、通年のケースからして、もっとも暑い時期は避けられる格好です。
むしろ、暖房期間のほうが長いでしょうが、その場合は昔からガスストーブなどのポータブルな暖房器具で対策しており、二重投資になります。それに、寒さは、暑さとは異なり、個々が「着込む」ことで、ある程度対策できる面もあります。
そうすると、一般的にいう「学校」にエアコンを導入することは「過剰設備」になるのではないでしょうか。費用対効果の上でも、果たして必要でしょうか。
むしろ、その点で問題なく、一時的な暑さ対策になるのは、各教室に扇風機を導入することです。これなら一教室につき1万円程度、電気代も微々たるものです。
また、学校全体へのエアコン導入には反対でも、一部の教室・事務室・部活室・給食室などを対象に個別空調機を入れる柔軟性はあってもいいと思います。
体育館の暑さ問題に対しては、設備以前に、まともに「知恵」が使われていないのではないでしょうか。もっと原始的な方法で外気温より数度は下げられます。
たとえば、屋根に上れる梯子・手すりを付け、安全対策をした上で、ホースで屋根に水を撒きます。まさに体育教師の出番でしょう。また、周囲に打ち水をする。さらに十台くらいの扇風機で館内空間を囲み、その背後にミストの噴霧機も置く。
これで外気温に比べればかなり涼しくなるはずです。
知恵を使わず、根性論を訴える先生や大人は論外です。知恵はいくら使ってもタダ。「足りぬ足りぬは我慢」ではなく、学校関係者の脳ミソではないでしょうか。
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