先日、「次世代テレビは韓国の勝ちだ」という記事を書きましたが、有機EL関係でもう一丁、書いておきたいと思います。
LG 55V型 有機ELテレビ 曲面型 外付けHDD録画対応(裏録対応) OLED 55EG9100
日本の家電メーカーにとって、これからサムソン以上にLGが脅威になってくると思うし、マスコミも特集を組むなど、LGの動向に注目していくでしょう。
実は「LGが怖い」のは、有機ELが単に一般的なテレビのデバイスに留まらないからなんですね。いくつか他の用途を挙げてみたいと思います。
1・照明器具
有機ELは液晶と違って電圧をかけると素子が自ら発光します。「面発光」する有機ELの照明器具は、数年前から市場に出回り始めましたが、主にコストや発光効率の問題があって普及が進んでいません。しかし、ポテンシャルはLED以上ともいえる。
いったい、この世界に、蛍光灯や電球、LED照明がどれくらいあるでしょうか。一つの住宅だけで、20や30の照明器具はあるでしょう。それを思うと、照明市場はテレビに優るとも劣らない巨大な市場と言えます。しかも、コストや発光効率の点で、またしても先頭に立っているのがLG化学なんですね。
2・ポスター
壁にぺたりと張り付ける「あれ」です。ちょっとしたICだけで、紙のポスターとは比較にならないほどの高機能な広告表示媒体へと変身します。
たとえば、ダウンロード等で表示内容を変えられるので、貼り替えの手間が不要。時間帯や曜日によって表示内容を変えることも可能。動画や音声も可能。あるいは「個人」を識別して、その人にマッチした広告を表示することも可能になるかもしれません。
トム・クルーズの映画『マイノリティ・リポート』には、そういう未来型ポスターが登場していましたね。当然、お店や商業施設の外看板や広告として普及します。
また、ポスターを多用する行政機関でも重宝されると思います。たとえば、総務省なら担当者のボタン一つで全国の自治体のポスターを一斉に切り替えることもできます。警察庁だと、各警察署や交番のポスターを自在にコントロールできます。
「この顔にピンときたら110番!」の指名手配犯広告も、動画や音声付が可能になります(*すぐ次項にもっと怖い方法を掲載)。行政は従来のポスター地獄から解放されるでしょう。
3・電子式新聞・雑誌
これもすでに映画『マイノリティ・リポート』に登場していたと思います。たとえば、二つ折りにしてカバンに入るシート状のモノが登場すれば、たちまちスタンダードになるかもしれません。で、画面内のショップで、新聞や雑誌の種類を選ぶわけですね。動画や音声も入りますから、旧新聞・雑誌は敗北するでしょう。
しかも、別途記事にしますが、おそらく今年は「MUFJコイン」の登場で「電子通貨元年」になるはずなので、わざわざ「有料会員」の「定期購読者」にならなくとも、その場で電子コインのボタンをクリックするだけで単品購入できるようになります。
ちなみに、私見では、電子新聞は一般紙サイズよりも夕刊紙(タブロイド)サイズのほうが妥当です。やはり、テレビやスマホと同じように、この表示装置も最終的に一人一枚(?)は普及するのでは?
4・大画面収納式モバイル
「大画面」というのは、そのモバイルに比較して、という意味です。ペーパーディスプレイが実現すれば、巻き取り収納も可能になります。というか、試作品では十年くらい前から出来ています。当然、これを搭載したスマホは「スクロールホン」(*私の自作のダサい絵です)へと進化します。スマホとしての万能性・利便性もさらにアップ。モバイルでのテレビ視聴やゲームプレイがもっと楽しくなると思います。
当然、電子ブックとしても本命です。くどいようですが、画面サイズは幅20センチ、縦15センチは欲しい。これは日本の「文庫本」と、米「ペーパーバック」を見開いたサイズに等しいです。当然、コンテンツは無尽蔵。
なんで「見開き」にこだわるかというと、マンガは見開きでドンと左右のページを使って一枚の絵を載せることも少なくないからです。
これは劇的効果を狙った表現方法なので、1ページ毎の表示だと興が削がれてしまいます。マンガ作品は大衆アートとして尊重されて然るべきです。
5・乾電池式テレビ
普通の電池や小型バッテリで稼動するテレビのことですね。この「電池で動くテレビ」は昔からありますが、一度も「普及」はしませんでした。というのも、すぐに電池が切れるし、結構、ゴツイ装置になるからなんですね。
コンセントから解放されるのはいいんですが、従来のものはその分、マイナス面もあった。しかし、A4サイズくらいの有機ELテレビなら、乾電池でも長持ちするし、手軽に壁に掛けることもできる。設置場所の自由度がぐんと広がる。個人的にはトイレと風呂場には必ず掛けたいですね。
総括
以上のように、紙のように薄くて曲げたり丸めたりすることもできる有機ELデバイスには、単純に従来の固定式テレビに留まらない、大きな応用性や可能性があります。
この種の技術がすべて有機EL方式と決め付けるのはまだ早いかもしれませんが、今のところ最有力候補であるのも確か。今から20年ほど前にインターネットが普及し、10年前にはスマホが普及し始めて、現在ではすっかり産業や街の風景までが変わりましたが、同じことは有機ELの普及についても当てはまるかもしれません
近未来、私たちの身の回りには、有機EL関連の幅広い製品があふれていて、まるでSFのような街の光景が実現しているかもしれません。
しかも、それはほんの10年後のことかも・・。
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