みなさん、こんにちわ。
後半の「武蔵小杉」編です。どちらかと言うと、こっちがメインかも。
前半「二子玉川」編は以下。
両タウンの位置関係は、前回も載せましたが、こちら(下)
さて、もし私が「匿名まとめサイト」の管理人だったら、
「下水逆流でリアル川崎ウンコターレ爆誕! 大便禁止令をめぐり、『トンスルタウン武蔵小杉』のタワマン民同士が上下階に分かれて醜く糞争!!」
などという題で、盛大に煽っていたかもしれないが、
あいにく私は実名であり、死者も出たため、そういう不謹慎な真似はできない。
武蔵小杉の浸水をめぐり、ある臭すぎる噂が・・・
さて、今回、武蔵小杉駅周辺で大規模な冠水が起きました。
場所によっては深さ1・5mもあるとか。
これは川の氾濫ではなく、排水が追いつかないから起こった現象のようです。
要するに「下水」のほうですね。現在は氾濫が引いていますが、多くの方から下水残臭についての発信があるので、そこが溢れたのは事実のようです。
で、さっそくこんな噂が流れた。
【悲報】武蔵小杉タワマン民、ウンコしたかしてないかを巡って住民同士の対立が始まる
既にトイレ禁止令を無視して使ってる人がいる
ウチは低層階だから使わないのに異臭がドンドン強くなってる
低層の人たちで高層階の簡易トイレをチェックしに行って
ブツが溜まってないと「ルール無視してるに違いない」と騒ぎ立てたり
どんどん住民間の対立やフラストレーションが溜まってる
ぎょえええー!! 魚影、魚影!!
おそらく、これはタワマン1階の非常口でしょう。
撮影者は汚水の臭いに耐えながら、階段から決死の思いで撮影したに違いない。
下水が詰まったビルで何が起こったか・・・甦る昔の悪夢!
実は、これを見て、ある個人的な体験を思い出したんですね。
今回の記事を書こうと思ったのは、それがキッカケですから、ある意味本題です。
ずぅーと忘れていました。
それは25年くらい前の悪夢。
当時、私は六本木の10階建て程度のビルの管理人のアルバイトをしていました。
ある日、出勤したら、なんとフロアに数センチくらいの下水が溢れていて、同僚が必至にかき出している。嗅いだ瞬間、無意識に嘔吐の動作が出るほどの臭さです。
何事かと思ったら、ビルのすぐ地下にある下水管が詰まったらしい。
専用管なので、うちのビルだけの自損事故です。
しかも、1階のテナントがきらびやかな宝石店!
その床下や1階トイレから真っ黒い汚水がどんどん溢れてくる状態です。
もう、阿鼻叫喚の地獄です(笑)。
私はとりあえず、最上階から順番にテナントを回って、トイレやキッチンの水を使用しないように申し入れました。
こうして、いったん新規流入を止めてから、汚水をすべてかき出し、とりあえずテナントがすべて帰る深夜を待って、原因を探るという作戦です。
また、下水管に「何か」が詰まっていることは明らかなので、トイレの汚水を汲み出しつつ、トイレ詰まりを直すラバーカップも、忍耐強く使用し続けました。
ところが、ようやく汚水をかき出したなと思ったら、またワーッと噴出してくる。
すると、上階のテナントから、「いまトイレ使ってしまったけど、マズかったかな、アハハ(苦笑)」という問い合わせが。
本当にありがとう。今おたくのウ○コがこちらに届いたところです。
自己申告するだけマシなほう。禁止令無視が数回ほどあり、再度テナント回りをして、今は水を使用しないよう、厳重に念を押さなければなりませんでした。
こういう経験があったので、下水の機能不全により、トイレ禁止令が出ているにも関わらず、その深刻さを理解しない上層階民が軽い気持ちで使用してしまい、1階が阿鼻叫喚になるという武蔵小杉タワマンの地獄絵図が、少しは理解できたわけです。
“リアル川崎ウンコターレ”などと笑っている場合じゃねえ!
結局、その日の夜、ラバーカップ・アタックを続けるうちに、何かの詰まりが取れたらしく、突然、通水して、私たちは救われました。
被害を受けた宝石店ですが、オーナーの女性はよくできた人で、私たちを非難するような真似は一切せず、逆に「本当に大変でしたね」と苦労をねぎらって、チップを渡そうとしました。もちろん、とんでもないと、お断りしましたが。
その六本木のビルでは、後に下水管にカメラ搭載ロボットを入れて判明したことですが、なんと、複数のコンクリートの破片が管を塞いでいたのでした。
厳密には、管とコンクリートの破片との間に少しの隙間があり、普段は、そこからなんとかビルの下水が流れていた状態でした。ところが、アクシデント当日は、「何か」がその隙間を塞いでしまったようで、それで下水管が完全に詰まったのでした。
のちに工事をして、その破片は取り除きました。
まあ、そういう経験を、突如として思い出してしまったわけですね。
これからの時代、タワーマンション住まいは再考の余地があるかも
最近「上級国民」なる造語が流行っていますが、分譲価格が数千万円という都会のタワマンに住める人というのは、少なくとも中流以上ではあるでしょう。
首都圏ではここ十数年の間に、異常にこのタワマンが増えました。
豊洲なんて、それ以前は、豊洲センタービルが駅隣にポツンとあっただけですよ。
周りは雑居ビルすらもほとんどない、やたらと空の広い土地でした。
ところが、しばらくして訪れてみた時、タワマンが林立していて、その一角だけほとんど『Akira』みたいな世界になっていて、びっくりしたことがあった。
まあ、東京はまだ人口が増え続けているから、仕方がない面もありますが・・・。
それにしても、3・11の震災と、今回の大型台風とで、災害時におけるタワマン住まいのリスクが、決して小さくないことが明らかになってきましたね。
まず、意外と揺れが酷いらしい。地震でも台風でも、とにかく揺れ幅が大きい。台風では船酔いならぬ「タワマン酔い」した人もいたとか。地震の際も普通の建物よりも「長周期振動」の影響を受けやすいことが分かってきました。
停電時のリスクも大きい。今回の浸水でも、地下の配電盤が壊れて、停電と断水が続いている棟があるようです。浄水場が自家発電で動いていれば、一戸建てや三階程度の建物ならば停電中でも水を使用できますが、電動ポンプで上水を汲み上げている建物だとどうしようもない。その間、調理も、洗濯も、風呂も、トイレもできない!
また、エレベータが使えないと、高層階の人ほど上り下りが大変です。10階よりも上に住んでいる人は、もう毎日が登山でしょう。地上50階ともなると・・・。
体力のある人はまだいい。高齢者や赤ん坊を抱いた女性、病弱者だと、長い上りが危険ですらある。車椅子の人はそもそも出入り不可能です。
タワマンは地下岩盤に杭打ちしているので、躯体は地震そのものには強い。その上、最近は基礎に免震装置を導入しているところもある。
しかし、建物は無事でも、停電や断水時における居住困難度は、一戸建てや通常のアパート・マンションに比べて、大きいというのが実情かもしれません。
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