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イラン大統領選挙、ライシ氏当選で対米戦争へ突入か!?

Ebrahim Raisi 出典:The Times of Israel

5月下旬、トランプ氏が大統領就任後、初の外遊を行います。

行き先は、サウジアラビア、イスラエル、パレスチナ自治区、バチカンなど。

実は、大統領になって初の外交相手(電話したり、会談したり)も、これらの国々の首脳だったんですね。

彼はこのところ北朝鮮にかまけていましたが、本命はあくまで中東です。

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イラン大統領選挙の焦点は先の核合意

で、この外遊時期ですが、ちょうどイランの大統領選挙があるんですね。だから、明らかにイランの新大統領をけん制する意味も込められている。

イラン大統領選挙では、2015年7月の核合意が最大の争点になっているようです。名目的には、これでイランへの経済制裁が解除されたはずなのですが、果たして国内の雇用増や景気回復に貢献しているのか否か。投票は5月19日です。

PressTV-Iran presidential candidates

当然、現大統領のロウハニ氏(上段・左)は成果を強調しています。周知の通り、その前はアフマディネジャドさんで、「イスラエルをこの世から抹殺する」などと物騒な主張をしていた強硬派でした。ロウハニ氏は、その反動で生まれた、穏健派と言われています。

しかし、「国際協調路線」は、国内政治的には諸刃の剣なんですね。国民には「対外的な妥協・弱腰」と批判する人が多い。そういう人々を黙らせる意味でも、経済的な成果が重要なわけですが、たとえば保守強硬派のライシ氏(上段・中)は、国内で大々的に放映された候補者討論会で、逆に「この4年で貧困層の比率は23%から33%に増えた」と非難しました。イランの核開発に足枷をはめる核合意は、国民にとってタダでさえ屈辱なわけですから、景気の改善に繋がらないとしたら、やる意味は全然ないわけです。

イランが怒るのは当たり前、うんざりする米の鈍感さ

私に言わせれば、この点では悪いのはアメリカであり西側ですね。

イランとしては、自分たちの不利になる条約を結んだのだから、当然「その代わり褒美をくれ」となる。しかも昨年、イラン国営航空は、日本円で約2兆円も支払って、米ボーイング社から80機を購入しました。イランなりの対米配慮です。

これに対して一定のアメを与えないと、必ずイランの不満が蓄積していきます。

ちょうど、第一次大戦後のベルサイユ体制における日本と似ている。ドイツは酷い賠償金を課せられて不満が爆発しましたが、日本は逆に戦勝に貢献したのに、さしたる褒美を貰えずに不満を募らせ、やがて英米秩序に対する反逆者に転じました。

英米はまた同じ過ちを繰り返していますね。トランプなどは、自国にマイナスな核合意を飲んだイランに対して、褒美どころか「イランは核合意で不当に利益を得た」などと見当違いの非難を繰り返している。この「鈍感さ」は度し難い。

だから、トランプが大統領に当選してしばらくすると、頭にきて、中距離弾道ミサイルの発射実験をして“祝った”わけですよ。当たり前ですよ。

出典:iranwire.com 最高指導者ハメネイ師と弾道ミサイル

だいたい、2015年7月の核合意は、アメリカも含めた国際社会による合意です。「完全な開発の中止ではない」などと批判しているのはイスラエルだけです。で、そのイスラエルの立場そのまんまに、トランプはイランを非難している。

米大統領選で、トランプ側の最大の献金者となったのがカジノ経営のシェルドン・アデルソンですが、彼もまたシオニストで、「イランをやっつけろ」と公言している。

トランプはそういうシオニストの代弁者をやっているわけです。

穏健派のロウハニ氏が不利な理由

今回のイラン大統領選挙では、明らかに保守強硬派が有利です。

ロウハニ氏とライシ氏

第一に、今言ったように、トランプがイランを批判しているため、せっかく核合意を呑んだ穏健派のロウハニ現大統領の国内での立つ瀬がなくなっている。

第二に、そのロウハニ氏の政治的な後ろ盾であった元大統領のラフサンジャニ氏が今年の1月に亡くなりました。

第三に、シーア派最高指導者のハメネイ師は、ロウハニ大統領とその路線を公然と批判するようになってきている。

この最高指導者というのは、名前の通り、大統領よりも格上なんですね。イランでは国家元首よりもう一つ上の位があって、実は大統領の解任権まである。ホメイニ革命以来、そうなってしまったんです。ハメネイ師は終身制でその地位に就いています。

第四に、上のような、外国からの攻撃的批判や、精神的指導者たるハメネイ師の意向などは、すべて保守強硬派の政治的立場を強化している。

ただし、今回の選挙では、保守強硬派が現政権に対する批判票を多く集めるとしても、ライシ前検事総長と、テヘラン市長ガリバフが似た立場のため、票が割れる可能性もある。仮にロウハニ氏が再選しても、対米宥和政策の見直しを迫られるでしょう。

やはり米・ユダヤとイランとの対決は避けられない?

前にも記しましたが、根っこにあるのは欧米の植民地支配なんですね。

アングロ・イラニアン石油は英海軍の燃料調達企業になり、のちに国営の英国石油(BP:British Petroleum)へと発展しました。つまり、英王室の所有物だったんですね。それに手をつけた(接収した)のが1951年、首相に就任したモサデグです。

石油国有化の先駆者・イランのモサデグ

彼こそ中東における石油国有化の先駆者でした。しかし、53年、英米の諜報機関が背後で操るクーデターによってモサデグは逮捕され、英米代理人のパーレビ独裁へと首を挿げ替えられました。パーレビ政権は何万というイラン人の反政権愛国者を逮捕して殺害したと言われています。その大衆の怒りがホメイニ革命へと繋がった。

で、アメリカはというと、以後、イランを敵視して、イラン・イラク戦争の時は、サダム・フセインを支援していたんですね(笑)。

イランはそれでも我慢して、自分たちに不利な核合意を締結した。すると、今になって、トランプ大統領や元石油屋のティラーソン国務長官が「あれは間違いだった」などと言い始める。あまりに相手の気持ちに対して鈍感で、身勝手です。

日本人も欧米の色眼鏡を通して中東情勢を見ることに慣れ過ぎてしまって、同様にアラブ人やペルシア人が受けてきた怒りと苦痛・屈辱に対して鈍感なところがある。

なにしろ左派・リベラル派(と自称しているが・・)までが、CIAの編集しているNYTや南ドイツ新聞などを平然と掲げて、「これが海外の論調であるぞ」などと“無知”な同胞に向かって道徳的説教を垂れる始末です。ご神託とでも思っているのか?

まあ、シオニストがトランプを大統領に就けて何を企んでいるのか、それがまた対イラン戦とどう関わってくるのか、私はとっくに「あたり」をつけている。

以下の記事が参考になると思います。

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イランを打倒して中東の覇者になろうなんぞ、1万年早いと。

(*2017.5.17追記。この記事をアップした後で、ガリバフ・テヘラン市長が立候補を取り下げたことをニュースで知りました。同じ保守強硬派のライシ氏への投票を呼びかけています。たぶん最高指導者ハメネイ師もライシ氏を推しているのでしょう。これで米・イスラエルとの戦争は決まったかな、と思います)

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