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3%税で大繁栄した漢帝国と税金地獄の悪政日本

出典:Pixabay Creative Commons CC0

BC221年、天下を統一した秦の始皇帝は、巨大な宮殿や陵墓、万里の長城などを次々と建設し始めた。今でいう公共事業である。そのために秦は、民に過酷な税と労役を課した。人々は苦しみに喘ぎ、不満を募らせた。政治の乱れが重なったこともあり、始皇帝の死からわずか数年にして民衆の大反乱が起こり、秦は滅亡した。その後、覇を競ったのが項羽と劉邦である。結局、劉邦が項羽を打ち破り、再び全土を統一した。

かくして漢王朝が始まる。さて、班固の『漢書』には社会経済の観点から王朝史を論じた項目があり、詳細なデータとともに帝国の経済政策や景気動向が語られている。

それによると、始皇帝時代の収奪と末期の動乱、そして7年も続いた内戦のせいで、当時の中国は国土が荒廃し、死者が人口の半分を超えるほど貧窮を極めていた。そこで漢帝国の初代高祖(劉邦)はどうしたか。なんと、税を一気に収入の15分の1にまで引き下げたのである。これにより漢の社会は急速に復興を遂げ始めた。

この減税政策は継続され、さらに強化された。第五代文帝は12年間、租税を半分に減らした。第六代景帝に至っては、収入の30分の1の比率に固定した。なんと税が収入の3・3%である! その結果、民・社会が豊かになり、第七代武帝の時代には、帝国は空前の繁栄を迎えるまでになった。豊富な財源に支えられた武帝は、東西南北へ遠征を繰り返した。漢帝国の版図は朝鮮半島から西域(中央アジア)、南はベトナムにまで及んだ。

つまり、漢帝国が当時、世界最大の帝国になったのは、ある意味、税制のおかげと言ってもいいのである。漢の皇帝に比べて、私たちの政府は何と悪政を敷いていることか。

いずれ財政をリセットしてやり直す時がくる。その時の青写真は?

本当かどうか知らないが、ローマ帝国の暴君ネロは、便所税に反対する臣下に対して硬貨を突き出し、「これが臭うか?」と問うたというエピソードがあるという。

だが、私たちがこの話を笑えるだろうか。今の日本はローマの酷税期を思わせるほど、ありとあらゆるものに税金が掛かっている。税制自体も異常なほど煩雑だ。しかも、その異常な状況がいつしか当たり前になって、私たちも異常とも思わなくなっている。

今や、税金・健康保険料・NHK視聴料・電気料金のように、強制的に人々から金を徴収してその分け前にあずかれる者ばかりが不当な特権を享受している。東京オリンピックの費用が3兆円に膨れ上がっているという。その影には、過剰なハコモノやインフラを作り、税金を食い物にしている政治家・役人・業者たちがいる。

昔は陸軍という日本最大の役人集団が国家を蝕んだが、現在はこういう特権集団が私たちの暮らしや社会を食いものにしている。

私たち庶民は、いつの間にか際限なく搾取されるおかしな社会に暮らしている。

だが、こんなことがいつまでも続くはずがないのだ。いずれツケが払えなくなり、財政をリセットせざるをえない時期が来るだろう。それがハイパーインフレか、もしくは徳政令という形を取るのか分からない。どっちにしろ、子孫に対する多大なツケだ。

その時、漢帝国が「低税金」によって異常な復興と繁栄を遂げた事例が参考になるかもしれない。そこには何らかの理論・原理があるはずだ。経済学に無知な私が思うに、「民力」のポテンシャルを最大限引き出すものこそ、そのような「低税金政策」なのではないだろうか。

そもそも人々の暮らしを支えているのは民間の生産と流通活動だ。これが活発化するほど付加価値が創造され、社会が豊かになっていく。対して、政府の仕事はあくまで公共の利益の促進であり、社会・経済運営の調節である。つまり「富」そのものは生まない。見方を変えれば、政府は民間の生産・流通部門に寄生することで成り立つ存在ともいえる。

だから旧共産国家では、富の分配は行われても(本当はそれすら怪しいが)、富を創造する力は極端に低下し、国民は「貧しい暮らしを平等に」分け合う羽目になった。

もし財政破綻してリセットせざるをえない時が来たら、まず歳出をできる限り減らし、政府を縮小したらどうか。そして中央・地方自治体とも、たとえば消費税だけでやっていけるようにする。実は、国債の利払い費が消え、公務員の総人件費を半分に圧縮――人員3割減・給与3割減で実現――すれば、少なくとも中央政府は消費税10%程度で歳入が賄える。

こうして所得税・法人税を廃止すれば、「民」の取り分は大幅に増えよう。その分は自然と「消費」と「事業拡大」へと向かい、経済を成長させるだろう。それがまた個人・法人の所得を増やし・・・という好循環が始まる。いわば「富の創造」の上昇スパイラルだ。

楽観的すぎるかもしれない。だが、始皇帝時代の収奪と7年もの内戦から漢帝国が見事に立ち直った歴史が教えるのは、こういう常識破りの大胆な再建策であるのも事実だ。

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