他人は自分である。誰に何をしても、それは自分自身にしたことである。

宗教・精神世界・スピリチュアル




サイババさんは『黄金の宇宙卵』(P58)で、次のようにおっしゃっています。

忘れてはならぬことは、あなたの真の本質は他の人の本質とまったく等しいということです。他の人は、他の名前をもつあなた自身なのです。

あなたが善い行いをするとき、それはあなた自身のためになります。

しかし、あなたがだれかに悪い行為をするとき、よく覚えておきなさい、あなたは自分自身を傷つけているのです。ですから他の人に決して危害を加えてはいけません。

私も、この記事を読んでいる読者のあなたも、自分の身体の内側から外の世界を認識しています。このように肉体に「宿る」ことによって、この広大で重厚な物質世界を経験することができます。

体外離脱のプロであるロバート・A・モンロー氏によると、それは本来、霊的な存在にとって大変強烈な刺激であり、中毒性すらあるということです。

ただ、その楽しみや喜び――本来なら、という意味――の引き換えとして、自他の間に厳密な区分も発生してしまいます。それゆえ肉体に長く留まっている私たちに「私は他人とは隔絶した存在である」という錯覚や孤立感を引き起こす原因にもなるようです。



■瞑想から分かる「人は神の同時多発現象」

実は、厳密な意味で「他人」など存在しないのではないかということは、深い瞑想によっても直感的に理解することができます。

これは以前の記事に掲載した自作の瞑想の概念図です。

このように、意識の奥へ奥へと遡っていくと、結局は「全体意識=神」に行き着くようです。

ちなみに、私はそこまで到達したことはありません。

だいたい、この最終段階は「神との合一」とか「直結」のレベルなので、ここまで到達したならブッダと同じです。

ちなみにですが、中国仏教で「禅」とか「禅定」と翻訳し、かつ日本人もそのまま取り入れている用語は、元のサンスクリット語では「ディヤーナ=瞑想」です。

ブッダさんはこの「瞑想」を「悟りの方法」として、瞑想の意識状態を8段階にわけて、われわれに提示していました。

本来、ブッダさんは、サマディ(神との合一)に達することを「悟り」と言ったわけですが、もうね、仏教の先生も僧侶もみんな忘れてしまっています(笑)。

余談でしたが、瞑想こそ仏教の根幹であり悟りの王道なんですね。

私の場合は「迷走」ですが、それでも、ある程度まで意識の奥へと深潜したことがあると、この分だと行き着く先は「神」だろうという想像がつくわけです。

しかも、どうやらそれは万人に当てはまるようです。

 

ちょっと気持ち悪い図になってしまいましたが、要は、誰が意識の奥へと遡っても、最終的には「同じ神」へと行き着くのではないか、ということを表しています。

これは人の魂の本性が「アートマン」とする思想からすると、当然のことです。

ただし、心理学でいう、フロイトの無意識やユングの集合的無意識の概念のように、究極の領域まで行かなくとも、はるかその前に、人の意識はその他大勢との共有・共振性を示し始めるようです。

そういう意味で、たった一つの「自分」が、たくさんの肉体の中に、同時に、分散して存在しているともいえます。

驚くべきことですが、PCやスマホの画面を通してこの記事を読んでいる読者のあなたの中にいる「自分」と、記事を書いている私の中にいる「自分」は、本質的には同じ存在ということです。

■いわゆるカルマの法則の原理

他人と見えている存在が、実は、名前・姿・進化の度合いが異なるだけで、実際には自分自身であるとしたら、いわゆる「カルマの法則」(仏教でいう因果応報)をうまく説明することができます。

他人にしたことは、誰であれ、自分自身にしたことに等しいわけです。

サイババさんも言うように。

ただし、物理の法則と違うのは、この法則が時空を超越して働くということです。

つまり、他人にしたことは、善行であれ悪業であれ、時空をこえて、何らかの形で自らの身に再現されるということです。

厳密には、その時の「行為」と「想念」の二つがうまく勘案されるようです。想念というのは、たとえば善行にしても、心の底では欲得を計算していたとか、表面的には相手に暴力を振るう行為であっても、内心では悪意はなかったとか、そういう意味で言っています。

そして、その二つを勘案して、「神のスパコン」が全自動で最適な応報のタイミングを探し出し、出力する仕組みになっているようです。

かくして、われわれが他者に対して何かをすると、時と場所を変えて、等しいお返しをうけ、差し引きゼロになるわけです。それはあたかも物理の作用・反作用の法則のようです。

それゆえ、次の言葉を戒めとして胸に刻んでおきたいものです。

「誰に何をしても、それは自分自身にしたことである。」

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