北朝鮮との戦争はいつ始まるのだろうか。
もう始まっている。私見では、開始の日付は9月11日。つまり、広義の意味での戦争は始まった。問題はいつ頃に「実戦」になるか、ということ。
トランプ以外にも、それを探る上で重要なサインが発せられている。
一つは、他ならぬ安倍総理の発信。もう一つは、米政権の重要閣僚たち。
安倍氏は国連演説の直前、NYTに次のような内容の寄稿をした。
「これ以上対話をしても行き詰まるだろう。一刻も早く北朝鮮に最大限の圧力をかけるべき時だ」
「対話を呼び掛けても無駄骨に終わるに違いない。北朝鮮の目には諸外国が屈したとさえ映りかねない」
安倍氏は1994年の米朝枠組み合意や2003年からの6カ国協議の失敗を挙げているが、私も当サイトでまったく同じ事を指摘してきたので、同意せざるをえない。
北朝鮮は二度も国際社会を騙してきたのだ。
また、9月20日の国連総会演説では、トランプ大統領への支持を訴え、次のように述べた。
「対話による問題解決の試みは、一切が無に帰した。何の成算があってわれわれは、三たび、同じ過ちを繰り返そうというのだろう」
こういった安倍総理の主張を指して非難するのは容易いだろう。
しかし、今まで、そうやって対話路線を続け、経済支援もしましょうと言って、莫大な物資を手渡してきた。ところが、それがかえって北の核開発を助長してしまった。
だから、「北朝鮮と対話せよ」と叫ぶだけの連中は、今までの四半世紀の失敗を総括できないなら、己の安っぽい平和主義に酔っているだけと評されても仕方がない。
とりわけ、こういった経緯を知悉した上で、なおかつ、なんとかの一つ覚えのように「対話せよ」としか言わない河野洋平のような政治家は、無責任極まりない。
しかし、重要なことは、この件に関してはあまり決定権のない安部総理が、トランプ演説に前後して、「対話は無意味」と断言したことだ。日本はアメリカの意向を追従しているので、これは他ならぬアメリカの本心でもあることを意味している。
トランプ政権の重要閣僚の発言に見る転換のサイン
トランプ政権のメンバーからもはっきりしたサインが出始めた。
安倍総理の寄稿と軌を一にして、ヘイリー国連大使、ティラーソン国務長官、マクマスター国家安全保障担当補佐官の三人が、それぞれ異なるメディアに出演して、一応に同様のメッセージを発した。
ヘイリー国連大使はCNNの番組で、外交的手段が尽きれば「マティス将軍が後を引き受ける」と述べ、軍事段階の切迫を示唆した。また「北朝鮮が無謀な挑発を継続する場合、破壊されるだろう」「米国は多くの軍事オプションを持っている」と述べている。
ティラーソン国務長官はCBSの番組で、「今は外交的解決で当たっているが、時間切れが近い。その次は軍事オプションが待っている」と述べている。外交を担当する彼は今まで一貫して「平和的解決」を訴え、それが米政府の方針だと説明してきたが、その努力がうまくいかなければ「ただ一つ残っているのは軍事オプション」だと言った。
マクマスター国家安全保障担当補佐官は、FOXニュースで、制裁や外交による北朝鮮への対応が限界に近く、必要であれば軍事オプションの準備も急ぐべきだとした。また、「過去の対北朝鮮制裁が失敗に終わったことは明らか」とし、トランプ大統領が今までとは根本的に異なるアプローチを取る可能性を示唆した。
このように、共通しているのは、三人とも「軍事オプション」に言及したことだ。しかも、同時に、異なるメディアで。
これらは国連総会の演説の直前だから、そこでのトランプ発言を意識したものだ。
トランプ大統領は、その演説で、餓死・拷問・虐殺等の金正恩政権の自国民への非人道性を批判した後、ニュースで大々的に取り上げられた次の言葉を述べた。
The United States has great strength and patience, but if it is forced to defend itself or its allies, we will have no choice but to totally destroy North Korea.
合衆国は偉大なる力と忍耐を有するが、しかし自国また同盟諸国を守らざるをえないならば、われわれは北朝鮮を完全に破壊する以外の選択肢を持ちえない。
このように、軍事オプションが近いというサインは出ている。
まあ、この後、イランに対して間違ったことを言わなければよかったのだが・・。
(次回はその時期を推測したりしてみる)
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